失敗しない初期契約解除の手続き方法|ネットの契約トラブルでも安心・電気通信事業法に沿って解説【保存版】

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失敗しない初期契約解除の手続き方法|ネットの契約トラブルでも安心・電気通信事業法に沿って解説【保存版】

光回線インターネットサービスを契約してみてすぐ「やっぱり違う!」と思った時に違約金不要で解約できる制度「初期契約解除」。ここでは初期契約解除の中身だけでなく、その方法と手続きを電気通信事業法に基づいて解説します。

光回線インターネットの「初期契約解除制度」とは?

初期契約解除の概要

「初期契約解除」とは、電気通信サービスの契約書の受領日から数えて8日間以内なら、電気通信事業者の合意なく契約を解除できる制度のことです。

この制度のメリットは、ユーザーが自分の都合で契約を一方的に解除できるということです。たとえば、次のような状況で初期契約解除することが考えられます。

  • 契約時にサービス内容を勘違いしていた
  • 契約したインターネット・スマホの電波の入りが良くない
  • インターネットを契約して実際に使ってみると、通信速度が思ったほど速くない
  • 契約した直後に、もっと魅力的な他のサービスを見つけた
  • 契約した直後に状況が変わって必要なくなった

一言でいうと、理由を問わず契約解除できるわけです。ユーザー側にとって非常に有利な制度といえますね。

目次:

初期契約解除の対象となるサービス

初期契約解除の対象になるのは主に、契約期間縛りのある携帯電話サービスと、光インターネットサービスです。

初期契約解除の対象または対象外になるサービスを下記にまとめてみました。

初期契約解除 – 対象/対象外サービス
 対象になるサービス対象外のサービス
移動通信サービス・MNOの携帯電話サービス
・MNOのデータ通信専用サービス
・MVNOの携帯電話サービス
・MVNOのデータ通信専用サービス(契約期間縛りあり)
・PHS
・プリペイド
・公衆無線LAN
・MVNOのデータ通信専用サービス(契約期間縛りなし)
固定通信サービス・光回線インターネット
ケーブルテレビインターネット
・インターネット接続サービス(プロバイダー
・ADSL
・IP電話
・アナログ電話

※MNOは大手キャリア、MVNOとは格安SIMのことを指します。

携帯電話サービスについては、キャリア・格安SIM共に対象となっています。ただし、大手キャリアのドコモ・au・ソフトバンクに関しては初期契約解除の適用が除外されています。その理由については記事後半で説明します。

固定通信サービスでは、現在主流の光インターネットやCATV(ケーブルテレビ)インターネットが初期契約解除の対象です。

初期契約解除ができる固定通信サービスは、光回線・ホームルーターなどネット回線が対象です。スマホプランなど電話系のサービスは対象外なので注意!

初期契約解除の効果

初期契約解除をすると、契約は無条件で解除されるため違約金等を支払う必要はありません。1~2万円もする高額な違約金を支払わずに解約できるのは助かりますね。

しかし、端末の売買には初期契約解除の効果は及びません。携帯電話サービスと一緒に購入したスマホ端末などを返品することはできないわけです。

初期契約解除 – 効果一覧
支払わなくてよい費用支払わないといけない費用
・利用開始前のサービス料金
・解約に伴う違約金
・契約解除までに利用したサービス料金
・契約解除までに行われた工事の費用
・購入済みの機器等の費用
・事務手数料

初期契約解除は利用開始前のサービス料金や違約金の支払いが免除される! 端末の購入金額までは免除できないが、利用者側に非常に有利な制度となっている

初期契約解除の手続き方法

初期契約解除手続きに関して、以下のことを確認しておきましょう。

  • 初期契約解除が可能な期間
  • 初期契約解除の意志表示の方法
  • 初期契約解除申請が効力を発揮するタイミング
  • 初期契約解除の書面の書き方

初期契約解除が可能な期間

初期契約解除が可能なのは、次のいずれか遅いほうの日付けから起算して8日以内となります。

  • ユーザーが契約書を受領した日
  • サービスの提供開始

契約書の郵送時に不在で受け取れなかった場合はどうなるのでしょうか?後日、契約書を受け取った日付が受領日になるのでしょうか?これについては、事業者によって受領日の認識が異なる場合があるため、契約した事業者に確認するほうがいいでしょう。

また、契約書が郵送ではなくメール交付されたのであれば、メールが届いた日が契約書受領日となります。

初期契約解除の意志表示の方法

初期契約解除は原則として書面で申請する必要があります。この書面を用意するには2つのやり方があります。

①事業者のサイトから初期契約解除申請書フォーマットをダウンロードする

②自分で用意した紙面に必要事項を記載する

書面が完成したら、念のためコピーを取ってから事業者に郵送します。

ルーターや周辺機器が届いていたのであれば、それらも全てまとめて返却する必要があります。内容が欠けていると数万円もの損害金を請求される場合もあるので、必ず完全に揃えて返却しましょう。

なお、初期契約解除についての詳細は、各事業者が発行する契約書に記載することが法律で定められています。細かな点は事業者ごとに異なることもあるため、契約書の条項を確認してください。

初期契約解除申請が効力を発揮するタイミング

初期契約解除申請書が効力を発揮するのは書面を発信した時点、すなわち郵便局の消印が押された時点です。

契約書の受領日またはサービス開始日から数えて8日目の日付が入った消印が押されれば、初期契約解除は有効になるわけです。とはいえ無用なトラブルを避けるためにも、余裕を持って早めに申請することをおすすめします。

最寄りの郵便局の受付時間やポストの回収時間を調べておくと便利! https://www.post.japanpost.jp/index.html

初期契約解除の書面の書き方

実際に初期契約解除を行う場合、必要な手続きに関しては、通常、各プロバイダーもしくはインターネット事業者の利用規約や会員書等に記載があります。

基本は郵送かFAXでの手続きとなります。契約書面に、宛先と記載事項が書いてあるケースがほとんどです。

初期契約解除の申請宛先と必要事項が契約書類に記載されている様子(BB.excite 光MEC)

記載されている指示に従って手続きを行います。

  1. A4の紙を用意します。(コピー用紙等でOK)
  2. 必要事項を記入します。以下、記入事項です。
    • 初期契約解除を申請する旨「初期契約解除を請求します。」という一文を最後に書きましょう。
    • 初期契約解除を希望するサービス名
    • 契約者名
    • 契約住所
    • 契約電話番号
    • 契約IDまたは受付番号→契約書面に書いてあります。
  3. 【郵送の場合】適当な封筒に入れて、記載の宛先に郵送しましょう。書留等で手紙が到着したかどうか確認できるようにしておくと何かあった時の証明になりますので安心です。
  4. 【FAXの場合】記載のFAX番号に記載内容を送ります。FAX送信日を用紙に記入してから送りましょう。

手続きの方法が分からない場合は、契約中のプランのカスタマーセンターに電話をして、適切な指示を受けましょう。

自分で初期契約解除申請書を用意するのであれば、以下の事項を忘れずに記載しましょう。手書きでもパソコンで作成した文書でも構いません。

これらの項目を記入した書類・ハガキを事業者へ提出すると、サービスの解約ができます。

初期契約解除制度とクーリングオフ制度の違いは?

初期契約解除制度は、電気通信事業法によるクーリングオフ代替制度ということができます。

クーリングオフ制度はインターネット・携帯電話サービスの契約には適用することができません。そのため、2016年5月に電気通信事業法が一部改正されて初期契約解除制度が定められました。

初期契約解除制度とクーリングオフ制度の内容は一部似ているとはいえ、大きく異なる点があります。

クーリングオフ制度は、電話勧誘販売や訪問販売など、もともとその気がなかったのに押し切られて商品を購入してしまった場合に適用される制度です。対面販売や通信販売など自分の意志で購入した商品には適用不可となっており、悪質な販売者から消費者を救済する目的の制度といえます。

しかし初期契約解除制度は、自分の意志で契約したサービスであっても自己都合で契約解除することが可能です。たとえば、光インターネットを店頭やオンラインで申し込んだ場合でも適用することができます。

初期契約解除制度は、ユーザー側に大きく有利な制度といえるでしょう。

営業に押し切られて契約してしまったサービスも、自身の意思で契約したサービスも、初期契約解除なら解除可能!

初期契約解除の注意点

ここからは、初期契約解除を行う際の注意点を解説します。

大手キャリアの携帯電話サービスでは「確認措置」と呼ばれる

記事前半でも触れたとおり、大手キャリアの携帯電話サービスは初期契約解除の適用外となっています。適用外と言っても、キャンセルを拒否されるという訳では全くありません。大手キャリアでは、初期契約解除と似ていますが少しだけルールの違う「確認措置」という制度が認定されているからです。この確認措置とは何なのでしょうか?

「確認措置」とは?

確認措置とは、携帯電話の通信サービスだけでなく購入端末も含めて契約を初期解除できる制度のことです。その代わり、消費者が一方的に契約解除することはできず、正当な理由を提示することが求められます。実は「初期契約解除」では、最初に購入した端末までは契約解除の対象になっていないんです。

総務大臣による認定を受けた移動通信サービスにのみ、この確認措置を適用することができます。現時点で主に3大キャリアのドコモ・au・ソフトバンクとUQモバイルが認定を受けています。

それに対して、格安SIM各社は確認措置ではなく初期契約解除に対応しているところがほとんどです。ちなみに、確認措置認定されたサービスに対して初期契約解除の申請をすることはできません。

初期契約解除と確認措置の違いを下の表でおさらいしてみましょう。

比較項目初期契約解除制度
(ネット回線のクーリングオフ)
確認措置
(携帯契約のクーリングオフ)
制度の位置づけクーリングオフの代替制度「電波状況が不十分」「説明が不十分」など事業者側の不備に対する救済制度
根拠となる法律電気通信事業法電気通信事業法
こんな理由で申請できます利用者の都合で契約を見直したい場合説明不足・通信品質不良など事業者側に問題がある場合
適用期間契約書面受領日から8日以内事業者が定める期間(最低8日間)
対象サービス光回線、ケーブルテレビ、
インターネット接続サービス(プロバイダー)、ホームルーター、
モバイルWi-Fiルーター、モバイルデータ通信
総務大臣の認定を受けた携帯電話サービスのみ
(大手携帯会社:KDDI・ドコモ・SoftBank・UQコミュニケーションズ・沖縄セルラー《KDDI》)
利用者の都合で解約可能か可能不可
違約金・解約金原則不要不要
端末代金・工事費自己負担となる場合あり原則、自己負担なし
自己負担となる費用端末代金、実施済み工事費など解約までに利用した通信料のみ
制度の使いやすさ条件が明確で使いやすい事業者側の不備を証明する必要あり
手続き方法事業者指定の方法(書面郵送が一般的)
→契約書面に宛先が記載してあります
事業者へ申告・確認後に手続き

一言でまとめると、

  • 初期契約解除
    理由を問わずキャンセルできるが、初期費用・端末まではキャンセルできない
  • 確認措置
    適用のために正当な理由を提出し受理される必要がある代わりに初期費用・端末等までキャンセルできる

ということになります。

大手キャリアの確認措置手続き

正当な理由による確認措置手続きをする場合の、キャリア別手続きのやり方を見てみましょう。

ドコモ - 確認措置(8日以内キャンセル)申告のやり方
電波状況が不十分な場合ドコモの携帯電話から:局番なし113
一般電話から:0120-800-000
(受付時間9:00~20:00)
説明が不十分な場合・8日以内キャンセル受付センター
0120-580-130(10:00~18:00)
・契約したドコモショップに直接申告
au - 確認措置(8日間キャンセル)申告のやり方
電波状況が不十分な場合①申し込み日または書面受領日から8日以内に「電波サポート24」に電波調査を申し込む
②電波調査の実施完了日より8日以内に下記の申告先に申し込む
説明が不十分な場合auショップで契約した場合:契約先のauショップ
au online shopで契約した場合:お客さまセンター
ソフトバンク - 確認措置(8日以内キャンセル)申告のやり方
電波状況が不十分な場合Softbankショップで契約した場合:契約先のSoftbankショップ
オンラインで契約した場合:ソフトバンクオンラインセンター
一般電話から:0800-919-5051
(受付時間9:00~21:00)
説明が不十分な場合

違約金はかからないが手数料は発生する

初期契約解除を行うと違約金なしでサービスを解約できますが、事務手数料が発生する場合があります。完全無料で解約できるわけではないので注意しましょう。

また、事業者によっては解約するまでに利用した分のお金が発生するため、日割り計算で料金の支払いを求められる場合があります。

https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202212_14.pdf

端末料金は対象外なので分割支払いは残る

初期契約解除によってサービスの解約はできますが、端末料金の支払い義務は残ります。端末を分割購入した方は必ず覚えておきしましょう。

オプションサービスは自身で解約する必要がある

電話かけ放題オプションやサポートオプションなど、オプションサービスは自身で解約する必要があります。初期契約解除で自動的に解約されるわけではないので注意しましょう。

携帯料金との合算払いが使えなくなる

携帯電話を購入したのち8日以内に初期契約解除をすると、事業者との契約が無かったことになります。しかし、携帯料金の合算払いができなくなってしまうので注意しましょう。

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このマークは、消費者保護の立場から書かれた記事に付与されます。企業からの一方通行の情報だけではなく、生身の人間が消費者目線で発信する情報を届けたい。誰もが自分の意思で自由に商品を選べる世界を目指して――そんな思いで作られた記事です。

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