光回線・インターネットはクーリングオフできる?電気通信事業法に沿った正しい解約手続き方法|契約トラブルが起きても大丈夫
光回線インターネットの契約はクーリングオフできるのでしょうか?
実はクーリングオフという呼び方ではないものの、「初期契約解除」という制度で「やっぱり解約する!」が可能です。光回線をはじめネット回線の契約時に、契約者は電気通信事業法で守られています。
クーリングオフ制度って何?
まず、クーリングオフ制度とは何なのでしょうか?簡単に言うと、購入(契約)した後に頭を冷やして考える期間を設け、その期間内であれば消費者が一方的に契約を解除(解約)することができるというものです。消費者を保護してくれる頼もしい制度ですね。
もちろん全ての契約においてクーリングオフができるわけではなく、条件があります。基本的にクーリングオフができるのは、契約するにあたって消費者が受け身だった場合です。
たとえば訪問販売や電話営業による契約などは、消費者が考えていたわけではないのに契約させられてしまった場合もあり得るとして、クーリングオフの対象になります。
それに対して、自分から進んで購入したり契約したものに関しては、基本的にクーリングオフの対象とはなりません。店頭やネットで広告を見て自分から申し込んだ場合などは、クーリングオフできないということです。
光回線インターネット契約のクーリングオフは可能?
結論からいうと、光回線のインターネット契約には「クーリングオフ」という仕組みがありません。
ですが、電気通信事業法には、実質的に光回線版のクーリングオフといえる仕組みがあり、それを利用すればトラブルがあった場合も契約解除をすることができます。
電気通信事業法によるクーリングオフ代替制度
インターネット契約などに関する法律は、電気通信事業法として知られています。じつは、その中にクーリングオフ制度に代わる消費者救済制度があるのです。
光インターネットの普及に伴い事業者と消費者間のトラブルが増加したことを受けて、2016年5月に電気通信事業法が一部改正されて施行されました。
インターネット契約後に解除を検討する人のために定められている、2つの制度について見てみましょう。(参照:総務省ホームページ「電気通信事業分野における消費者保護施策」)
「初期契約解除制度」
インターネット契約についての書面の受領日から8日以内であれば、利用者の都合で契約を解除することができる制度です。8日という期間はクーリングオフ制度とも共通しているので、「初期契約解除制度」は明らかにクーリングオフの代替制度であることが分かりますね。
| 比較項目 | 初期契約解除制度 (ネット回線のクーリングオフ) | 確認措置 (携帯契約のクーリングオフ) |
|---|---|---|
| 制度の位置づけ | クーリングオフの代替制度 | 「電波状況が不十分」「説明が不十分」など事業者側の不備に対する救済制度 |
| 根拠となる法律 | 電気通信事業法 | 電気通信事業法 |
| こんな理由で申請できます | 利用者の都合で契約を見直したい場合 | 説明不足・通信品質不良など事業者側に問題がある場合 |
| 適用期間 | 契約書面受領日から8日以内 | 事業者が定める期間(最低8日間) |
| 対象サービス | 光回線、ケーブルテレビ、 インターネット接続サービス(プロバイダー)、ホームルーター、 モバイルWi-Fiルーター、モバイルデータ通信 | 総務大臣の認定を受けた携帯電話サービスのみ (大手携帯会社:KDDI・ドコモ・SoftBank・UQコミュニケーションズ・沖縄セルラー《KDDI》) |
| 利用者の都合で解約可能か | 可能 | 不可 |
| 違約金・解約金 | 原則不要 | 不要 |
| 端末代金・工事費 | 自己負担となる場合あり | 原則、自己負担なし |
| 自己負担となる費用 | 端末代金、実施済み工事費など | 解約までに利用した通信料のみ |
| 制度の使いやすさ | 条件が明確で使いやすい | 事業者側の不備を証明する必要あり |
| 手続き方法 | 事業者指定の方法(書面郵送が一般的) →契約書面に宛先が記載してあります | 事業者へ申告・確認後に手続き |
初期契約解除制度が適用できるインターネットサービスは以下のとおりです。
- 光回線
- ホームルーター(置くだけWi-Fi)
- ケーブルテレビ
- インターネット接続サービス(プロバイダー)
- モバイルWi-Fiルーター
- モバイルデータ通信サービス
この初期契約解除制度はどのように役立つのでしょうか?たとえば、契約してしまった後に他のインターネット事業者のほうが魅力的に感じたため変更したいという場合や、サービス内容を勘違いしていたことに契約後に気づいてしまった場合などに、この制度に申し込めます。
インターネット事業者やプロバイダーに不満があるということではなくても、自分の都合で解約することができるという点で、利用者寄りの制度といえます。
ただし、初期契約解除制度の対象となるのはインターネットサービスそのものだけです。つまり、インターネットは違約金を支払わずに解約が可能ですが、すでに購入済の機器や光回線等の工事費などは自己負担となってしまいます。
ですから、自己負担金を極力減らすためには契約後になるべく早く、工事などが実施される前に初期契約解除を申し込むほうがいいでしょう。
「確認措置」は携帯電話サービスが対象
通信事業者によるサービスの説明が不十分で、契約内容が自分が思っていたのと違った、または電波のつながりに不具合があるという場合に契約解除できる制度です。
確認措置を適用できる期間は各事業者が定めることになっており、最低8日間です。
これは上記の初期契約解除制度とは異なり、消費者の都合ではなく事業者の側の落ち度によるものですので、端末や工事費などを負担する必要はありません。自己負担となるのは、解約までの通信料のみです。
ただし、この確認措置は総務大臣の認定を受けた携帯電話サービスのみを対象としており、主要な携帯電話会社の提供するインターネットが適用範囲となります。現在対象なのは、KDDI・ドコモ・SoftBank・UQコミュニケーションズ・沖縄セルラー《KDDI》です。これ以外の提供するサービスは、適用外ですので申請ができません。
初期契約解除制度と確認措置、いずれの制度を利用するにしても、まずはインターネット事業者またはプロバイダーの発行する契約書類によく目を通してから必要な手続きに入りましょう。
「初期契約解除制度」・「確認措置」を行う方法
実際に初期契約解除を行う場合、必要な手続きに関しては、通常、各プロバイダーもしくはインターネット事業者の利用規約や会員書等に記載があります。
基本は郵送かFAXでの手続きとなります。契約書面に、宛先と記載事項が書いてあるケースがほとんどです。
記載されている指示に従って手続きを行います。
- A4の紙を用意します。(コピー用紙等でOK)
- 必要事項を記入します。契約ID等は同じ契約書面の最初の方に書いてあるはず。
- 【郵送の場合】適当な封筒に入れて、記載の宛先に郵送しましょう。書留等で手紙が到着したかどうか確認できるようにしておくと何かあった時の証明になりますので安心です。
- 【FAXの場合】記載のFAX番号に記載内容を送ります。FAX送信日を用紙に記入してから送りましょう。
手続きの方法が分からない場合は、契約中のプランのカスタマーセンターに電話をして、適切な指示を受けましょう。
後悔しないためのインターネット選びのポイント
インターネットの契約後にも初期契約解除制度などを利用して契約をキャンセルすることは可能とはいえ、後悔しないインターネットサービスを最初から選ぶほうが断然いいですよね。
そこで、インターネットサービスに申し込む前に事業者やプロバイダーをよく比較することが大事になります。次の5つを軸に比較することで、納得のいくインターネット選びができるでしょう。
- インターネット利用時の快適度
- 月額料金
- 契約期間(しばりの有無)
- 解約金
- 特典・キャンペーン
インターネット利用時の快適度
インターネットで一番大事なのは、ネット利用の快適さです。ウェブ閲覧をしているときにページ読み込みが遅かったり重かったりすると、イライラしてしまいますよね。
また、FacebookやTwitterなどSNSをよく利用する人、YouTubeやネットフリックスなど動画サービスを利用する人にとっても、ダウンロード・アップロードのスピードが安定しているかは気になるところです。
そこで、インターネットサービスを比較する際には、すでにそのサービスを利用しているユーザーの声(レビュー)を検索してみましょう。肯定的な声が多数を占めるインターネットサービスを選ぶと、まず間違いないはずです。
月額料金
インターネットの月額料金は家計にかかわるだけに、よく調べる必要があるでしょう。光インターネットは一軒家タイプとマンションタイプ、また大手事業者か光コラボかでも異なりますが、月額3,000~7,000円程度とかなりの幅があります。
また、最初の数か月間が月額無料で、その後に比較的高い月額料金になるインターネットプランも存在します。ですので、複数のインターネットサービスを比較する際には、契約期間内の実質月額料金を見るようにしましょう。
契約期間(しばりの有無)
インターネット事業者(プロバイダー)によって契約期間はまちまちです。基本的には2~3年の契約期間を設けている事業者が多いようです。
そして契約のしばり(自動更新など)が有る場合には、契約期間中に解約すると数万円の違約金が発生することになるため、その契約期間中に解約する可能性がないかどうかを前もってよく検討することをおすすめします。
もし2~3年の間インターネット契約を継続する自信がないのなら、契約のしばりがないDTI光やエキサイト光のようなプロバイダーを選ぶのも一つの手です。ただし、他の面でサービスが見劣りすることもあるため、全体的に比較することが大事です。
解約金
もし契約期間中に何かの理由でインターネットサービスを解約しなければいけなくなった時、幾らくらい解約金が発生するのでしょうか?インターネットサービス事業者によって大きく異なりますので、その金額も確認するに越したことはありません。
特典・キャンペーン
人によっては、インターネットの新規契約や乗り換えでどのくらいキャッシュバックなどの特典がもらえるのか、といったキャンペーンの内容が一番気になるところかもしれません。インターネット事業者やプロバイダーは、熾烈な顧客争いで少しでも有利になるために様々なキャンペーンを展開しています。
主な特典・キャンペーンには次のようなものがあります。
- 現金キャッシュバック
- 商品券プレゼント
- 月額料金割引
- 携帯電話とのセット割引
現金キャッシュバックは、1~10万円という決して少なくない金額がもらえる場合があります。ただしキャッシュバックを受けるには一定期間インターネットを利用することが条件になります。
商品券プレゼントは、現金キャッシュバックに比べると比較的に早い段階でもらえることが多いです。口座に振り込まれる現金とは違い、手元に届く商品券は意外ともっと嬉しかったりします。
月額料金の割引は、じつはキャッシュバック金額を引いた後の実質月額料金ということがほとんどです。
たとえば、あるプランは2年契約でインターネット月額料金が5,000円だとします。2年間の総額は120.000円になります。特典として、契約から1年後に4万円のキャッシュバックがもらえます。この場合、2年間の実質総額は80,000円で、月額料金にすると3,333円になります。インターネットサービスを検索した時に表示されている月額料金は、この特典適用後の実質月額であると思ったほうがいいでしょう。
携帯電話とのセット割引は、ソフトバンク・au・ドコモの携帯電話とセットでインターネット契約することで、さらに割引される特典です。
現金キャッシュバックなどに加えてプラスアルファの特典となりますので、お得度は高いといえます。ただし、契約内容が複雑になる傾向が見られますので、内容や条件をよく確認したうえで契約するようにしましょう。
光回線インターネット契約のセーフティーネット
インターネットは現代人にとって必須といえます。だからこそ、本当に納得のいくインターネットサービスを選びたいものです。
インターネット契約では、クーリングオフ制度は適用されないとしても電気通信事業法によるセーフティーネットがあるということをご紹介しました。
ただし、いったん申し込んだものをまたすぐに契約解除するのはやはり面倒です。納得できるインターネットプランを選んで契約できることに越したことはありません。
>>料金が安いおすすめ光回線ランキング|結局どこが良い?21社徹底比較

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このマークは、消費者保護の立場から書かれた記事に付与されます。企業からの一方通行の情報だけではなく、生身の人間が消費者目線で発信する情報を届けたい。誰もが自分の意思で自由に商品を選べる世界を目指して――そんな思いで作られた記事です。
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