電気契約:必要なアンペア容量の計算方法、アンペア容量の選び方を解説

電気のアンペアとは何か、そして電気の契約で最適なアンペア容量を選ぶにはどうすれば良いかについて解説します。世帯人数別のアンペア容量の目安と、使用家電に基づいたアンペア容量の計算方法もご紹介します。
アンペアとは?
アンペア(A)は、「電気の流れる量(=電流)」を表す単位です。一度に使う電気の量が小さければアンペアも小さく、一度に使う電気の量が多ければアンペアも大きくなります。
電気契約における「アンペア容量」はいわば「道路の幅」のようなイメージです。道路の幅が狭ければ一度に通れる車の数は少なく、幅が広がれば一度に通れる車の数も2台、3台と増えていきますね。アンペアも同じで、アンペア容量が大きくなればなるほど、一度に使える電気の量も増えていきます。
つまり、電気契約におけるアンペア容量は、「家庭で一度に使える電気の最大量」を決定します。
電気を契約する際は、このアンペア容量を正しく選ぶことが大切です。
アンペア容量が小さすぎるとどうなる?
一度に使う電気の量がアンペア容量を超えると、ブレーカーが落ちてしまいます。したがって、一度に使う電気の量に対して選ぶアンペア容量が小さすぎる場合、頻繁にブレーカーが落ちるという現象がおきるでしょう。
ブレーカーが落ちないようにするためには、一度に使用する電化製品の量を減らさなくてはなりません。それぞれの電化製品を使う時間帯をずらせるならば問題ありませんが、それが難しい場合、アンペア容量を引き上げる必要があるでしょう。
アンペア容量が大きすぎるとどうなる?
契約しているアンペア容量が大きすぎても、一度に使える電気の量に余裕があるということになり、実質的に問題はありません。
ただし、多くの電力会社では、アンペア容量に応じて基本料金が決まるしくみをとっており、契約アンペアが大きいほど、基本料金も高くなります。そのため、アンペア容量が大きすぎる場合、必要以上に高い基本料金を払っていると言えます。
例えば、東京電力の従量電灯プランは、契約アンペアの大きさによって基本料金を決定している電気料金プランのひとつです。実際に基本料金がどのように変わるか下の表で見て取ることができます。
契約アンペア数 | 基本料金(円/月) |
---|---|
10A | 295.24円 |
15A | 442.86円 |
20A | 590.48円 |
30A | 885.72円 |
40A | 1180.96円 |
50A | 1476.20円 |
60A | 1771.44円 |
もちろん、基本料金の単価は電力会社・電気料金プランによって異なります。また、電力会社の中にはこのような料金体系を採用していないところもあります。

契約中のアンペア容量の調べ方
ここまでで、電気契約とアンペアの大きさがどのように関係しているか確認しました。一方で、「今契約している電気のアンペア容量がわからない」という方も多いのではないでしょうか。
電気の契約アンペア容量は、電力会社から送られてくる「ご使用量のお知らせ(検針票)」や電力会社のマイページなどで確認することが可能です。
また、分電盤をあけてアンペアブレーカーから契約アンペア数を確認することもできます。
分電盤をあけると、アンペア数が書かれており、また、色分けもされています。なお、色分け方法はお住まいのエリアの大手電力会社によって異なります。
契約アンペア数 | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
---|---|---|---|---|---|---|---|
アンペアブレーカーの色 | 赤 | ピンク | 黄 | 緑 | 灰 | 茶 | 紫 |
アンペアを選ばなくて良い会社もある
なお、電気契約の際にアンペア容量の選択が不要な電力会社、つまり、アンペア制を取り入れていない電力会社もあります。
関西より西のエリアでは、アンペア数に基づいた基本料金ではなく、「1契約につきいくら、そして最初の一定の使用量を含む」という固定の基本料金を採用している大手電力会社がいくつかあります。関西から関東に引っ越して電気を契約する、となった時に、初めて「アンペア」という見慣れない言葉に遭遇した、という方もいらっしゃるでしょう。
この料金体系は、アンペア制に対して「最低料金制」と呼ばれています。例えば、関西電力「従量電灯A」の基本料金(最低料金)は、1契約につき341.01円で、ここには最初の15kWhまでの使用量も含まれています。
また、新電力の中には、基本料金も最低料金もかからない、つまり、毎月の固定額がゼロ円という電気料金プランを販売している新電力もあります。アンペア容量の大きいご家庭では、このようなプランに切り替えると電気代が効果的に節約できるかもしれません。
アンペア制 | 北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、九州電力など |
---|---|
最低料金制 | 関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力など |
基本料金の設定がないプラン | Looopでんき、楽天でんきなど |
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アンペア容量の選び方
ご家庭のアンペア容量選びの参考として、世帯人数別のアンペア容量の目安と、各電化製品の消費電力(W)からアンペア容量を計算する方法をご紹介します。
世帯人数別のアンペア容量の目安
世帯人数別の一般的な契約アンペア容量の目安を以下にまとめています。ただし、電気の使用状況はそれぞれの家庭で異なりますので、より正確なアンペア数を知りたい場合は、次の計算方法を確認しましょう。
一人暮らし | 30A 電化製品をほぼ使わないならば20A以下でも良いが、使える電化製品にかなり制限がかかる |
---|---|
二人暮らし | 30~40A 電気の使用頻度が普通であれば30A。乾燥機や食洗器など電化製品が多かったり、在宅ワークなどで、電化製品の使用が多いならば40A |
3人世帯 | 40~50A 電気の使用頻度が普通であれば40A。乾燥機や食洗器など電化製品が多かったり、在宅ワークなどで、電化製品の使用が多いならば50A |
4人以上の世帯 | 50~60A 電気の使用頻度が普通であれば50A。乾燥機や食洗器など電化製品が多かったり、在宅ワークなどで、電化製品の使用が多いならば60A |
オール電化住宅 | 60A以上 |

使用している家電から必要なアンペア容量を計算する方法
電気契約の時に必要なアンペア数を正確に知りたい場合は、ご自宅の電化製品の消費電力(W:ワット)から計算をすることが可能です。
ご家庭で、一度にもっとも多くの電気を使う場面を想像してください。その時に使っている電化製品の消費電力(W)からそれぞれの電化製品に必要なアンペア(A)を計算し、そのアンペア数をすべて足し算すると、必要なアンペア容量を求めることができます。
アンペア数(A)は、「電化製品の消費電力(W)を電圧(V)で割る」事で計算できます。なお、日本の電圧は100Vなので、Wを100で割るかたちとなります。
アンペア(A)の求め方 アンペア数(A)= 電化製品の消費電力(W)÷ 電圧(V)
例:消費電力が1400W(ワット)の電子レンジを使った場合のアンペア数
:1400W ÷ 100Vで、14アンペア(A)
実際に電気を使う場面を想像してシミュレーションしてみましょう。
家電 | W(ワット)数 | A(アンペア)数 |
---|---|---|
エアコン暖房 | 660W | 6.6A |
冷蔵庫 | 250W | 2.5A |
家中の照明の合計 | 200W | 2.0A |
IHジャー炊飯器 | 1300W | 13A |
プラズマ42型テレビ | 360W | 3.6A |
電子レンジ | 1400W | 14.A |
合計 | 4170W | 41.7A |
※ワット数は目安です。電化製品のモデルによって消費電力は異なるため、アンペア数の計算をするときは、ご利用中の電化製品の消費電力を確認しましょう。
よく使われる家電の消費電力一覧
通常、電化製品の消費電力(W)は、冷蔵庫の場合は扉を開いた内側、エアコンは本体の下側もしくは側面、テレビは裏側といった具合に、製品の端に記載されています。一般家庭でよく使われる家電の消費電力の目安は以下のとおりです。
モデルや性能、サイズによって消費電力は異なりますので、正確な消費電力はやはり説明書や本体の記載を確認する必要があります。
製品 | 消費電力 | |
---|---|---|
![]() |
IHクッキングヒーター | 1400~3000ワット |
![]() |
エアコン | 300~3000ワット |
![]() |
食器洗い機 | 1100~1300ワット |
![]() |
電子オーブンレンジ | 1000~1400ワット |
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ドライヤー | 600~1200ワット |
![]() |
掃除機 | 850~1000ワット |
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洗濯機(洗濯時) | 200~400ワット |
![]() |
冷蔵庫 | 100~300ワット |
![]() |
炊飯器 | 100~300ワット |
![]() |
テレビ(液晶) | 100~200ワット |
契約するアンペア容量で電気料金はどのくらい変わる?
契約するアンペア容量の大きさが変わると、基本料金はどのくらい変わるのでしょうか?
参考として、アンペア制を取り入れている大手電力会社の従量電灯プランの基本料金をピックアップして表にしてみました。
アンペア | 東京電力 | 北海道電力 | 中部電力 | 九州電力 |
---|---|---|---|---|
10A | 295.24円 | 374.00円 | 297.00円 | 316.24円 |
15A | 442.86円 | 561.00円 | 445.50円 | 474.36円 |
20A | 590.48円 | 748.00円 | 594.00円 | 632.48円 |
30A | 885.72円 | 1122.00円 | 891.00円 | 948.72円 |
40A | 1180.96円 | 1496.00円 | 1188.00円 | 1264.96円 |
50A | 1476.20円 | 1870.00円 | 1485.00円 | 1581.20円 |
60A | 1771.44円 | 2244.00円 | 1782.00円 | 1897.44円 |
このように、アンペア容量が大きくなるほど基本料金が高くなるため、「電化製品をあまり使わないのに契約アンペア容量が大きい」という場合は、アンペア容量を変更すると電気代の節約になるでしょう。
また、電力自由化後に登場した電力会社(新電力)の中には、大手電力会社の従量電灯プランと同じ料金体系で、単価が安いプランを提供しているところもあります。電気料金を下げたいと考えている場合は、アンペア容量だけでなく、電気料金プラン自体を見直すのがおすすめです。

アンペア容量の変更方法
契約アンペアの変更は、ご契約の電力会社に電話をして依頼をすれば、無料でアンペアブレーカーの取り換え工事をしてもらえます。しかしながら、季節ごとに契約アンペア変更をすることはできず、一度アンペア変更を行ったら一年は同じ容量を契約しなくてはなりません。
また、アンペア容量の変更手続きの依頼は、電力会社のホームページ内のご自分のアカウントから依頼できる電力会社もあります。アンペア変更手続きの際は、「お客様番号」が必要になる事も多いので、検針票もしくは請求書をお手元に準備しておくとスムーズです。
- 契約中の電力会社に連絡して、アンペア変更を依頼する。
- アンペアブレーカーを取り換えてもらう。
- 一度アンペアブレーカーを取り換えたら基本的に一年は替えることができないので注意すること。
アンペア変更の目的が電気料金の節約ならば
もし、基本料金を安くすることがアンペア変更の目的であれば、他にも電気料金を安くする方法はあります。
アンペア数の変更は、基本的に1年に一度のみ認められており、気軽に何度も変更する事はできません。適切なアンペア容量のままで、電気料金を安くしたいと思ったら、電力会社の切り替えがおすすめです。今よりも単価の安い電気料金プランや、ご自身のライフスタイルに合った電気料金プランを見つけて乗り換えれば、アンペア容量や電気の使用スタイルを変えることなく、電気代を節約しやすくなります。
電力自由化以降、お得になりやすい/様々なライフスタイルに合わせた電気料金プランを提供する電力会社がたくさん登場しました。これらの電力会社から、ご自分に合った電気料金プランを探してみてはいかがでしょうか。「どの電力会社を選んだらいいのか分からない」などお悩みの方は、ぜひセレクトラのらくらく窓口( 03-4520-9550)までお電話下さい。最適な電気料金プランのご紹介し、契約サポートを行います。
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