フランスで電気・ガスの契約を開始する方法
フランスに転勤?それとも留学?もしくはフランス国内でのお引っ越しでしょうか。フランスの新居で初めて電気、および都市ガスの使用を開始するにあたり必要な情報をご案内します。
- フランスで電気を使う場合はまず、電力会社(電気小売り会社)に直接連絡をします。
- フランスでは電気も都市ガスも契約先の選択肢はいくつかあります。好きな電力会社を選んで契約をしましょう。
フランスの電力・都市ガス市場について
送電・配電を行う会社と電気の小売りを行う会社は異なる。
フランスで送配電を担当するのはENEDIS社。電気の供給契約は、どこを選んでもOKです。できれば安い電力会社を探したいところ。
フランスの電力市場は、日本に先立ち、2007年に自由化がされており、複数の電力会社(電力小売り会社)を選ぶことが可能となっています。一方、送電・配電などのインフラサービスは、フランス全土においてENEDISが担当しています。つまり電線を引いたり、電力メーターを設置するという作業はENEDISが行います。このため、まだ電気の設備の全く整っていない新築の家に引っ越す場合は、電線を通してもらうためまずはENEDISに連絡をしなければなりません。
しかしながら、日本人がフランスで全くの新築の家に引っ越すということは稀ですから、ほとんどの場合、電力会社(電気の小売り会社・電気のサプライヤー)に、「引っ越しましたから、電気の供給をお願いします。」と連絡をするだけで電気の使用開始に必要な手続きは完了です。
いろいろ選べる電力会社
フランスでは、2007年までEDF(ウーデーエフ)と呼ばれる電力会社がフランス全土の電気供給を独占していましたが、電力自由化以降は、Direct Energie, Lampris, Planet Oui, Eniなど様々な電力会社(電気の小売り会社・電気のサプライヤー)が選べるようになっています。通常、これらの新しい電力会社(電気のサプライヤー)はEDFよりも安い電気料金を提供しています。
お引っ越し先で初めて電気を使用する際も、最初から好きな電力会社を選ぶことが可能です。もちろんEDFを選んでも構いません。希望する電力会社に連絡をすれば、電気の開通までに必要な手続きはすべてその電力会社が担当をしてくれます。
すぐに電気を使えるようにするには、お引越しの2週間前までには電気の申し込みをしておくことをおすすめします。フランスでは何事も日本よりも時間がかかる傾向にありますから、早めの準備が安心です。
ちなみに都市ガスも、自由化されており、希望のガス会社を選ぶことができます。実際のところ、上記にあげた電力会社では都市ガスの提供もしていますから一緒に申し込むことも可能です。
フランスでも選べる電力会社・都市ガス会社様々です。
電気・都市ガスの使用開始にあたり必要な情報
電力会社に電気使用の連絡をする前に以下の情報を準備しておくと手続きがスムーズです。フランス語でのコミュニケーションにまだ自信のない方のために、セレクトラでは英語でのサポートも行っています。だ
STARTING ENERGY SERVICE IN FRANCE? Our English-speaking advisors are available Monday through Friday from 8:30 am to 8 pm and Saturday from 9:30 am to 6 pm to help you start energy service in your name with an energy supplier that meets your needs: 09 87 67 37 93
電気・ガス - 使用開始の申し込みには以下の情報を準備しておこう。
お引っ越し当日、電気がつかない!こんなことが起きないように準備が必要です。
- 契約者に関する情報:お名前、電話番号、Eメールアドレス
- 引っ越し先の住所:アパートの場合は、階数も連絡する。
- 以前そこに住んでいた人の名前 (無くても大丈夫。念のため大家さんに聞いておくと安心。)
- 銀行口座の情報(IBANおよびBIC - フランスではRIBと一般的に言われます。日本のようにクレジットカードでの支払いはできません。)
上記の情報は、お引っ越し先での電力メーターを特定するために必要になります。また、家のサイズ(平方メーター)、世帯人数、暖房や台所で電気を使用しているか否か等についても質問があることが予想されます。これは、電力容量(日本でいうところのアンペア容量)を判断するために必要な質問になります。きちんと回答することで、適当な容量を特定してもらえます。
ちなみに、フランスの場合容量には、共通してキロボルトアンペアが使用されます。(30Aは3kVAに該当します。)
知っていましたか?フランスの電気契約事情フランスでは電力容量を3kVAから36kVAの中から選びます。フランスでは、キッチンに電力が使われていることが多くあります。その場合には多めの容量が必要になります。容量が足りないとブレーカーが落ちる原因となりますからよく確認をしましょう。
PDL(point de liveraison)番号が分かると便利
PDL番号はメーターに記載があります。この電気・都市ガスの使用開始にはこの番号があれば手続きがかなりスムーズ。
PDLは、各電力メーターにつけらた固有の番号で、電気の供給場所を特定するために使われる番号です。電力メーターに記載があるので、もしお引越し前に確認することができるならばその情報があると電気の使用開始手続きがスムーズです。
またお引っ越しが完了して以降も何か電力会社に問い合わせが必要な場合この番号が必要となります。
ちなみに都市ガスの場合は、PDLに該当する番号は、PCE(Point de Comptage et d’Estimation)と呼ばれます。
電力会社を選ぶために - フランスの電気料金の中身、どんな電力会社がある?
フランスの電気料金の中身
フランスでは、日本でいうところの従量料金("prix par kWh")と、固定料金 ("prix de l'abonnement")がかかります。これらの料金は、契約をする電力容量(kVA:キロボルトアンペア)によって決定されます。
またフランスの電気は発電の約80%を原子力に頼っていることもあり、電気料金は全体的に日本よりも安めです。
どんな電力会社を探す?
規制料金での電気料金を提供するEDF(ウーディーエフ)の他に、以下のような電力会社を選ぶことができます。なるべく安い料金ならDirect Energie(ディレクトエナジー)社、100%グリーンエナジーを選びたいならPlanet Oui(プラネットウィ)などを選択肢は様々です。
電力会社 (都市ガスの供給もあり。) |
内容 | 電話番号 |
---|---|---|
|
09 87 67 54 76 | |
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09 87 67 16 74 | |
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09 87 67 54 76 | |
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EDFを選ぶ | |
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Engieを選ぶ |
フランスでは電気の使用開始にあたり手数料がかかる。
いったん電力会社との申し込み手続きが完了したらなら、続いて、あなたが契約先に選んだ電力会社は、配電・送電を担うENEDIS(エネジス)社に連絡をし、その住居での電気のアカウント所有者(需要者)が変わった旨を連絡します。
電気使用開始にかかる初期費用
フランスでは電気の使用開始にあたり、必ず手数料がかかります。日本の場合電気や都市ガスではそのような初期手数料がかかりませんので、驚くかもしれませんね。あらかじめ理解しておきましょう。また手数料は、また、供給が止められているか、否か、また開通までの日数によって異なります。
この手数料は、ENEDIS社(都市ガスは配ガスを行うGRDF)から請求されるものですが、料金の徴収はあなたの契約した電力会社を通して行われます。都市ガスも同様です。以下に手数料を掲載します。
所要時間 | 電気 (Enedis) |
都市ガス (GRDF) |
||
---|---|---|---|---|
供給が停止 されていた場合 |
スタンダード | 5日間 | 21,23 € TTC | 18,58€ TTC |
エクスプレス | 24 - 48時間 | 58,57 € TTC | 59,61€ TTC | |
緊急 | 24時間 | 150,39 € TTC | 143,01€ TTC | |
供給が停止されていなかった場合 | 21,23€ TTC | 18,58€ TTC |
引っ越し先で電気も都市ガスもすぐに使えた。それでも手数料を払わなけらばならないの?
はい。必ず支払いが必要になります。その住居での電気・都市ガスの需要者が変わりますので、その手続きのための手数料とお考え下さい。
フランスでの電気・都市ガスの使用開始手続き - 基本的に契約したい電力会社を選んで、申し込みの電話をするだけでOKです。(フランスの場合、ほとんどの電力会社が都市ガスも提供しているので一緒に申し込みができます。)
電気の使用を停止したい場合は?
電気の使用を停止したい場合は、契約中の電力会社に連絡をします。お引っ越しの48時間前には必ず連絡をするようにしましょう。
電気・ガスにまつわるフランス語
写真は、フランスのスマートメーター(電気)です。
フランスに引っ越したばかりでフランス語はまだ不得手という方のために電気やガスの使用でよく登場するフランス語の単語をご紹介します。
- électricité (f) エレクトリシテ:電気
- facture(f)ファクチュール:領収書
- fournisseurフランスの電力・都市ガス(m) フォーニッサー:供給者・プロバイダーの意味。電気・ガスの場合ですと、それぞれ電力会社、ガス会社という意味になります。
- compteur(m)コンター:メーター、カウンター
- mise en service ミズオンサービス:サービスの開始
フランスでもスマートメーターの普及がすすめられています。もしご自宅の電力メーターが最新のものならば、緑色のデジタル式のものになっています。通称Linkyと言う名前で親しまれています。Linkyの場合PDL番号は、メーターの「+」を押せば表示されます。