光回線の工事・費用はどれくらいかかる?

光回線は高速で安定したインターネット通信が特徴的ですが、相応の工事費用がかかってしまいます。工事費用は基本的に月額料金とは別に請求されるため、予算を多く見積もっておかなければなりません。
この記事では、回線のタイプ別に光回線の工事費用の相場と工事内容、工事費用を抑える方法を具体的に解説します。
また、特に集合住宅ではすでに工事が済んでおり、派遣工事がいらないケースがあることも紹介します。
光回線の開通工事費用はどれくらいかかる?
光回線の開通工事費用は、どの程度かかるのでしょうか?光回線は主に、フレッツ光、光コラボ、独自回線の3種類に分けられ、戸建てか集合住宅かで工事費用が異なります。
それぞれの回線種類ごとに、工事費用の相場を見ていきましょう。
フレッツ光回線の場合
フレッツ光回線は、NTT東日本・NTT西日本がそれぞれ運営している日本最大のネットワーク回線です。
すべての都道府県が通信可能エリアとなっており、日本全国の96.9%をカバーしています。
フレッツ光回線の工事費用は以下のようになっています。
回線 | 戸建て | マンションタイプ |
---|---|---|
フレッツ光 | 一括払い22,000円(税込) | 一括払い22,000円(税込) |
工事費は戸建て・マンションタイプともに22,000円で、一括での支払いが求められます。
これから紹介する光コラボプランや独自回線では、工事費を分割して毎月の月額料金と一緒に支払えるので、初期費用を抑えたい方や、一括払いは厳しいという方は、光コラボプラン・独自回線がおすすめです。
光コラボの場合
光コラボプランとは、フレッツ光回線を利用したプロバイダーが、独自に特典を付けて提供しているサービスです。
例えば、ドコモ光、ソフトバンク光、とくとくBB光などが光コラボプランに該当します。
以下に主なコラボ回線の開通工事費をまとめました。
回線 | 戸建て | マンションタイプ |
---|---|---|
ドコモ光 | 一括:19,800円 分割12回:1,650円 分割24回:825円 | 一括:16,500円 分割12回:1,375円 分割24回:687円 |
ソフトバンク光 | 派遣工事あり(光コンセントなし):26,400円 派遣工事あり(光コンセントあり):10,560円 派遣工事(立ち会い)なし: 2,200円 ※分割(12回・24回)可能 | 既設設備・光コンセントなし:26,400円 既設設備・光コンセントあり:10,560円 派遣工事(立ち会い)なし:2,200円 ※分割(12回・24回)可能 |
とくとくBB光 | 派遣工事あり:26,400円 派遣工事なし:2,200円 | 派遣工事あり:25,300円 派遣工事なし:2,200円 |
光コラボの工事費は派遣工事と呼ばれる光回線の引き込み・コンセント設置作業の有無によって料金が大きく異なります。
また、独自に乗り換えキャンペーンを提供しているプロバイダーでは、工事費が割引されたり、0円で契約できるケースもあります。
以下は、Xで見受けられた光コラボの工事費に関する口コミです。
ドコモ光とauひかりを併用するため、光コンセントの移設工事を追加で土曜日にしてもらったけど工事費用激安だね。 さすがはドコモ、感謝しかない。
— (@mattun74631951) May 20, 2019
それであれば、そのままでいいかと思います!
ソフトバンク光は引越し時の工事費無料なので……!是非是非ー!
— (@takapyon777) December 19, 2023
独自回線の場合
独自回線は、NTTのダークファイバー(使用されていない空き回線)や、プロバイダ独自の回線網を利用しているものです。
フレッツ光回線や光コラボプランは、同じ回線を使用しているため、回線が混雑する場合があります。
一方、独自回線は提供エリアが限られるものの、回線の混雑を避けられるのがメリットです。
独自の回線を用いるauひかりや、ダークファイバーを利用するNURO光などが独自回線に該当します。
回線 | 戸建て | マンションタイプ |
---|---|---|
auひかり | 一括:41,250円 分割:23回・35回・60回 | 一括:33,000円 分割:23回まで |
NURO光 | 44,000円 3年契約:1ヶ月目1,230円、2〜36ヶ月目1,222円 2年契約:1ヶ月目1,841円、2〜36ヶ月目1,833円 | 44,000円 3年契約:1ヶ月目1,230円、2〜36ヶ月目1,222円 2年契約:1ヶ月目1,841円、2〜36ヶ月目1,833円 |
独自回線も光コラボプランと同様に割引が適用される場合があります。auひかりやNURO光は、契約期間満了まで利用すれば工事費が実質無料になります。
以下は、auひかりとNURO光の工事費に関する口コミです。
来月15日で遂にauひかり開通2周年。 契約通り工事費用0円になる。 更なる速度求めてnuro光に移籍しようと考えたけど、何やら不具合?不祥事?が起きてるみたいだな。 しかし、一番の問題は価格。 集合住宅プランでauひかり2728円より高いなら移籍しない
— (@giga_structure) September 25, 2022
これからネット回線の見直しする人は 楽天光かNURO光が最安値!NURO光が速度が速くて安くて、今はキャッシュバックしてるのと、工事費用実質0円でできるからオススメです✨ ⚠️注意点は、今使ってるネット回線の未払い額と解約金がかかること。キャッシュバックで元とれるけど、返ってくるのが半年後
— (@puu_sedorii) October 22, 2022
光回線の工事内容
光回線は最大で数万円もの工事費がかかりますが、一体どのような工事をしているのでしょうか?
ここでは、光回線の工事内容を解説します。
戸建て住宅の工事内容
戸建て住宅の工事内容は、以下の3ステップで行われます。
- 光ファイバーケーブルを家の外壁に引き込む
- 外壁から光ファイバーケーブルを通して部屋に光コンセントを設置する
- ONU(光回線終端装置)を設置する
①光ファイバーケーブルを家の外壁に引き込む
電柱と電柱で繋がれてる電線には、電気を送る配電用のケーブルと固定電話用の電話線、そして光ファイバーケーブルが通っています。
その光ファイバーケーブルを分岐させて、家の外壁まで引き伸ばし、壁に固定する作業を行います。
②外壁から光ファイバーケーブルを通して部屋に光コンセントを設置する
外壁に固定した光ファイバーケーブルを家の中に入れて、部屋の中にケーブルを通します。
エアコンのダクトや電話回線用の配管があれば、その穴からケーブルを通せますが、穴がない場合は新しくケーブルを通す穴を開けなければなりません。
その後、部屋の内側の壁にケーブルの差し込み口となる光コンセントを設置します。
③ONU(光回線終端装置)を設置する
部屋に引き込んだ光ファイバーケーブルをONU(光回線終端装置)に繋いだら、LANケーブルでパソコンに接続・ワイヤレスでスマホやパソコンと接続してインターネットを利用できるようになります。
集合住宅の工事内容
マンションやアパートといった集合住宅の工事内容は、戸建て同様以下の3ステップで行われます。
- 光ファイバーケーブルを家の外壁に引き込む
- 外壁から光ファイバーケーブルを通して部屋に光コンセントを設置する
- ONU(光回線終端装置)を設置する
①光ファイバーケーブルを家の外壁に引き込む
電線に通っている光ファイバーケーブルを電柱から分岐させて、家の外壁まで引き伸ばし、壁に固定する作業を行います。
②外壁から光ファイバーケーブルを通して部屋に光コンセントを設置する
外壁に固定したケーブルを家の中に入れる必要がありますが、ここで問題になるのが、壁に穴を開けるかどうかです。
すでにエアコン用の穴や電話線を引き込む際に開けた穴があれば、そこから光ファイバーケーブルを通せますが、そうでない場合、家の壁に穴を開けてケーブルを引き込まなければなりません。
賃貸住宅の場合、光回線開通のために穴を開けて良いか、大家や管理会社の許可を取る必要があります。
ケーブルを家の中に引き込んだ後、部屋の内側の壁にケーブルの差し込み口となる光コンセントを設置します。
③ONU(光回線終端装置)を設置する
部屋に引き込んだ光ファイバーケーブルをONU(光回線終端装置)に繋いだら、LANケーブルでパソコンに接続・ワイヤレスでスマホやパソコンと接続してインターネットを利用できるようになります。
集合住宅ならではのメリットとして、すでに光コンセントが設置されていることがある点です。
過去にその部屋に住んだ人が光回線の工事をしていた場合は、引き込み工事が不要になります。
光回線の工事費用を抑えたい時の対処法
光回線の工事費用を抑えたい場合は、以下2つの対処法が挙げられます。
少しでもお得に光回線を契約したい方は、ぜひ参考にしてください。
- 工事費無用か工事費実質無料のプランを選ぶ
- 光コンセントがある住宅なら派遣工事のお金はかからない
工事費無料か工事費実質無料のプランを選ぶ
主な光回線プラン | 工事費無料キャンペーン |
---|---|
GMOとくとくBB光 | 新規契約者は工事費実質無料 |
エキサイトMEC光 | 新規契約者は工事費無料 |
ドコモ光 | 新規契約者は工事費無料 |
ソフトバンク光 | 新規契約者は工事費実質無料 |
ビッグローブ光 | 新規契約者は工事費実質無料 |
So-net光プラス | 新規契約者は工事費実質無料 |
工事費無料または、工事費実質無料キャンペーンのある光回線プランに申し込めば、工事費用を抑えられます。
ただし、基本的には新規申込者に適用されるキャンペーンなので、過去に契約したことのあるプロバイダでは無料にならない可能性がある点に注意しましょう。
プラン名 | 工事費 | 条件 | 公式HP |
---|---|---|---|
エキサイトMEC光 縛りなし 安い | 無料 | なし | 公式サイト |
とくとくBB光 縛りなし 安い | 3年継続で実質無料 | 3年以内に解約した場合は残債を支払う | 公式サイト |
NURO光 SoftBankセット割 | 3年継続で実質無料 | 3年以内に解約した場合は残債を支払う | 公式サイト |
auひかり auセット割 | 3年継続で実質無料 | 3年以内に解約した場合は残債を支払う | 公式サイト |
ソフトバンク光 SoftBankセット割 | 2年継続で実質無料 | 2年以内に解約した場合は残債を支払う | 公式サイト |
ビッグローブ光 auセット割 | 3年継続で実質無料 | 3年以内に解約した場合は残債を支払う | 公式サイト |
@nifty | 20か月継続で実質無料 | 20か月以内に解約した場合は残債を支払う | 公式サイト |
光コンセントがある住宅なら派遣工事のお金はかからない
光回線の工事に高い金額がかかるのは、派遣工事があるからです。
派遣工事とは、電柱から光ファイバーケーブルを引き込んで、家の壁を通して光コンセントを設置する作業のことです。工事の担当者の方が来て作業を行います。立ち合いも必要です。
一方で、築数年以上の賃貸住宅など、過去に人が住んでいた物件であれば光回線の開通工事が行われているかもしれません。
その場合、ケーブルの引き込みや光コンセントが不要なので、派遣工事なしで済みます。
派遣工事なしの場合の工事費は、2,200円ほどで済みます。
✏️ただし、NURO光のような独自回線はこれに該当しません。必ず工事が必要になります。
- 「派遣工事」と「無派遣工事」とは?
- 派遣工事:宅内での工事(屋内配線工事など)が必要なもの。工事担当者が来て工事を行う。
- 無派遣工事:NTT局舎内での工事のみ。工事担当者が家に来ることはない。(ユーザー目線では工事不要となる)
関連記事:光コンセントとは? - 確認方法

光回線の工事に関する注意点
光回線の工事を行う場合、以下4つの点に注意が必要です。
- 工事費無料と実質無料は違う
- 賃貸は許可が必要な場合がある
- 工事ができない場合がある
- 途中解約は損する可能性がある
工事費無料と実質無料は違う
光回線の工事費がどれくらいか調べる際に、「工事費無料」と「実質無料」という2種類の表記があります。
似ているようで、実は全く異なる意味を持っているので注意が必要です。
まず「工事費無料」は、言葉の通り工事費が完全に無料になることを指します。いつ解約しても工事費はかかりません。
しかし、実質無料の光回線は、解約するタイミングによってお金を請求される可能性があります。
実質無料の光回線では、工事費は分割され月額料金に加算されて請求されます。そして月額料金から分割した工事費と同額のお金を割引して、工事費が実質無料になるのです。
3年契約なら36分割、2年契約なら24分割されて工事費を分割払いするため、契約期間満了の前に解約してしまうと、未払いの工事費を支払わなければなりません。
確実に工事費をタダにしたい場合は、「実質無料」という文言がないかチェックするのが重要です。
賃貸は許可が必要な場合がある
光回線を利用するためには、家の外壁に穴を開けて、光ファイバーケーブルを取り込まなくてはなりません。
エアコンのダクトや固定電話用の穴があれば、それらを利用してケーブルを通せます。しかし、ケーブルを通せる穴がない場合、新しく穴を開けなければなりません。
賃貸物件の場合、勝手に穴を開けるわけにはいかないので、大家や管理人の許可を取る必要があります。
工事ができない場合がある
工事ができれば光回線を導入できますが、以下のような場合はそもそも光回線工事ができません。
- そもそも光回線の提供エリア外
- 物理的にケーブルを引き込めない
- 国の許可が降りない
- 配線に問題がある
- ポートが空いていない
そもそも光回線の提供エリア外
フレッツ光と、フレッツ光の回線を用いる光コラボプランの提供エリアは全国をカバーしています。しかし、独自回線は一部エリアで利用できません。
例えば、auひかりは北海道・関東・九州エリアにしか対応していません。東海・関西エリアでは利用できないので注意が必要です。
物理的にケーブルを引き込めない
賃貸物件に穴を開けられなかった、最寄りの電柱から家まで距離が離れていてケーブルを引き込めないなど、物理的にケーブルを引き込めない場合があります。
新築物件であれば回線の引き込みを考慮した造りになっていることが多いですが、古い住居や地方では物理的に不可能な場合があるので注意しましょう。
国の許可が降りない
電柱から家に光ファイバーを引き込む際、河川や国道をまたいでしまうと国の許可が必要になります。
プロバイダが許可を取るため、自分では国の許可を得られません。
配線に問題がある
古い物件では配線に問題があり、工事ができない場合があります。
工事ができたとしても、工事の担当者1人だけでは判断ができず、管理会社や大家を交えて話し合い、それから着工することになるため、非常に時間がかかります。
ポートが空いていない
集合住宅に住んでいる場合、ポートが空いていないと工事ができません。
ポートに空きがないと光ファイバーケーブルを挿せないので、光回線を利用できなくなってしまいます。
途中解約は損する可能性がある
「実質無料」の見出しでも触れましたが、契約期間満了の前に解約すると損する可能性があります。
光回線を解約すると、工事費の残債と解約違約金の2種類の請求が発生します。
それらのお金を支払いたくない場合は、「工事費無料」「縛りなしプラン(解約違約金なし)」といった文言のあるプランを選びましょう。
【まとめ】光コンセントがついている確認し、ついていない場合は工事費無料の光回線プランを選ぼう
光回線はフレッツ光回線、光コラボプラン、独自回線の3種類があり、それぞれ工事費が異なります。
キャンペーン適用の有無によって差異はありますが、1万円〜4万円前後と捉えておきましょう。
少しでも工事費をお得にしたい場合は、工事費無料か工事費実質無料のプランを選ぶ、すでに光回線の工事が完了している物件に住むのがおすすめです。
フレッツ光と光コラボプランであれば、光コンセントがついている物件で派遣工事が不要になる場合があります。
✏️NURO光のような独自回線の場合は、必ず工事が必要です。
派遣工事がなくなれば、工事担当者が出張することのない無派遣工事となり、工事費を安く抑えられます。
また、工事費無料の光回線と契約したい場合、「実質無料」のプロバイダでは契約期間満了の前に解約すると、工事費の残債を請求されるので注意しましょう。