コスパ最強ノートPC「Chromebook」8つのデメリットとは?解決策とおすすめ機種を紹介

Chromebook(クロームブック)は、GoogleのChrome OSを搭載したノートパソコン。WindowsやMacより価格が安いため初心者向けパソコンにおすすめです。
Chromebookは、WindowsやMacとは違って、何をするにもインターネット接続が必須。また、他のノートパソコンと比べるとパフォーマンスもやや低めなのがデメリット。ただ、本体価格も3万円~5万円ほどと安く、気軽に使えるのがメリットです。
レポート、動画視聴がメインだという大学生や、たまにパソコンを使うから持っておきたい方にぴったりだと思います。
Chromebookでできること・できないことをよく知ったうえで購入を検討してみてくださいね。
- この記事で分かること
- ChromebookはChromeOS搭載のノートパソコン(Google系列)
- Chromebookは、インターネット接続が無いとあまり何もできないのがデメリット
- モバイルWi-Fiを持ち歩く、スマホのデザリングで解決できる
- Chromebookがおすすめの人は、大学生や子供やご年配の方などライトユーザー
- 初めてのChromebook機種には、手ごろなASUSがおすすめ
Chromebook(クロームブック)とは?
Chromebook(クロームブック)は、Googleが開発したChrome OS*を搭載したノートパソコンの総称です。中身とアイデアはGoogleが開発し、DELLやASUSなど各社ノートパソコンメーカーから発売されています。ちなみに、どの会社で買ってもChromebookです。
Chromebookは、WindowsやMacパソコンに比べて機能がいたってシンプルな代わりに安さを実現しています。
*かんたん解説:OSとは?
OS(オペレーティングシステム)とは、ユーザーがパソコンを快適に使用するための基本的なソフトウェアのことです。OSが入っていないパソコンはただの箱同然で使えません。一般に販売されているパソコンには必ず何らかのOSが入っています。
ChromeOSについて
GoogleのウェブブラウザChrome(クローム)を元に設計されたChromeOSは、軽量かつシンプルな構造になっています。そのおかげで、起動は高速かつ動作も非常にスムーズです。
また、低スペックのマシンでも快適に動作するため、大半のChromeOS搭載パソコンは低価格で購入することができます。
なお、ChromebookはGoogle Playストア上のアプリをインストール可能です。
Windows | macOS | Chrome OS | |
---|---|---|---|
開発元 | Microsoft(マイクロソフト) | Apple(アップル) | Google(グーグル) |
特徴 | 多機能でカスタマイズ可 | スタイリッシュ&高性能 | シンプルで直観的 |
価格帯 | 低価格~高価格まで | 高価格帯 | 低価格帯 |
パフォーマンス | デバイスによる | 高スペック | 低スペック |
互換性 | 幅広い互換性 | Apple製品と連携 | Googleサービス間の連携 |
アプリ | Microsoftアプリ他 | Web・Androidアプリ | Appleアプリ |
セキュリティ | ウイルス対策が必要 | ウイルス対策は不要 | ウイルス対策は不要 |
バッテリー寿命 | デバイスによる | 比較的長い | 長時間使用可能 |
【要チェック】Chromebookの8つのデメリット
Chromebookは安いものの、他のパソコンとの違いをよく知らずに購入すると失敗してしまうかもしれません。
まずは、Chromebookのデメリットを一つずつチェックしましょう。(ここでのデメリットとはWindowsパソコンと比べた場合のデメリットです)
これらのデメリットの解決策も後述するので、Chromebookは“買い”か総合的に判断してくださいね。
- インターネット接続がないと機能が制限される
- WindowsやmacOSとの互換性がない
- パフォーマンスに限界がある
- ストレージ容量が少ない
- 対応できない外部デバイスや周辺機器がある
- 一部のサービスは特定地域で利用不可
- ハードウェアのカスタマイズが難しい
- 特定のセキュリティソフトをインストールできない
デメリット①インターネット接続がないと機能が制限される
Chromebookは、基本的にインターネット接続を前提としているノートパソコンです。そのため、オフラインでは使いづらくなってしまいます。
デメリット④でも取り上げますが、Chromebookはクラウド使用がメインなので本体のデータ保存容量は少なめです。そのため、オフラインだとデータ閲覧すら難しくなります。
インターネットに接続していない状態では他にどんな機能が制限されるのか、下記をご覧ください。
オフラインでできないこと | オフラインでもできること |
---|---|
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|
デメリット②WindowsやmacOSとの互換性がない
Chromebookは、Windows用・macOS用のソフトウェアが動作しません。これは、ChromeOS以外のOSと互換性がないためです。
たとえば、OfficeソフトのWordやExcelをChromebookにインストールすることはできません。仕事や学校でそれらのソフトウェアが必須なのであれば、Chromebookは不向きといえます。
このように、Chromebookは特にプロフェッショナル向けのソフトウェアに非対応です。
デメリット③パフォーマンスに限界がある
Chromebookは主に低価格帯のノートパソコンなので、性能もそれほど高くありません。
そのため、高性能が求められる動画編集やグラフィック処理、重いオンラインゲームをするのは厳しいといえます。
クリエイティブな作業をするつもりなら、ハイエンドモデルのWindowsノートPCか、AppleのMacBookを選びましょう。
デメリット④ストレージ容量が少ない
Chromebookはクラウドストレージの利用が前提なので、大半の機種はストレージ容量が32GB~128GBと小さめです。
システムファイルだけで7~10GB程度を占めるため、たとえば32GBのストレージを持つChromebook機種だと、自分で使えるのは20~25GBになってしまいます。
音楽や動画など重いデータを、本体ストレージに大量に保存することはできないのを頭に入れておきましょう。
デメリット⑤対応できない外部デバイスや周辺機器がある
一部のデバイスや周辺機器はChromeOSに対応していない場合があります。
たとえば、一部のプリンターや古いUSBデバイスなどは、Chromebookと互換性がない可能性があります。
デメリット⑥一部のサービスは特定地域で利用不可
Chromebookを利用する際に、一部のサービスや機能が特定地域で利用できない場合があります。
Google Playストアで提供されるアプリやサービス、Googleのクラウドサービス(Google Drive、Google Docsなど)などが、一部の国や地域で使用不可になります。
たとえば中国やキューバはGoogleのサービスを制限しているため、Chromebookを持って行ってもほとんどの機能が使えません。
デメリット⑦ハードウェアのカスタマイズが難しい
Chromebook機種はコスト効率を重視しているので、ハードウェアが最低限の構成になっている場合が少なくありません。
そのため、メモリ増設やストレージ交換などのカスタマイズができない可能性があります。
デメリット⑧特定のセキュリティソフトをインストールできない
特定のセキュリティソフトを使用したくても、そのソフトがChromeOSに対応していないとインストールできません。
使い慣れたセキュリティソフトがあるとしても、Chromebookでは使えない可能性があるわけです。
Chromebookのデメリットの解決策
ここまでChromebookの8つのデメリットを取り上げましたが、それぞれの解決策を紹介します。
下記の表で解決策を一覧にしています。続く部分でひとつずつ解説しますね。
デメリット | 解決策 |
---|---|
インターネット接続がないと機能が制限される | テザリング・モバイルWi-Fiを使う |
WindowsやmacOSとの互換性がない | 代替アプリ・リモートデスクトップを使用する |
パフォーマンスに限界がある | 重い作業をしない |
ストレージ容量が少ない | microSD・外部ストレージを活用する |
対応できない外部デバイスや周辺機器がある | Googleが認定したデバイスを使用する |
一部のサービスは特定地域で利用不可 | VPNを利用する |
ハードウェアのカスタマイズが難しい | そもそもカスタマイズが必要ではない |
特定のセキュリティソフトをインストールできない | 独自のセキュリティ機能がある |
解決策①テザリング・モバイルWi-Fiを使う
Chromebookはオフラインだと翼をもがれた鳥になってしまいます。それなら、常にオンライン状態にしてあげればいいわけです。
そこで役立つのがスマホのテザリング機能、またはモバイルWi-Fiです。外出時にそれらを活用することで、どこでもインターネットに接続できます。
スマホのテザリング機能でChromebookをネット接続する
お手持ちのスマホのテザリング機能を使って、Chromebookをネット接続することができます。
この場合スマホのギガを消費するので、なるべく大容量のデータプランを契約しておくといいでしょう。
こちらも参照:
テザリングってなに?料金は? - 格安SIM選びで知っておきたい基礎知識
モバイルWi-FiでChromebookをネット接続する
モバイルWi-Fi(ポケット型Wi-Fi)を使って、Chromebookをネット接続することも可能です。
モバイルWi-Fiなら100GBが月3千円程度とお得なので、外出時にChromebookを使いたい人にはおすすめです。
関連記事:
本当に安いポケット型WiFiは?16社比較した最安ランキング
解決策②代替アプリ・リモートデスクトップを使用する
Chromebook独自のChromeOSは、WindowsやmacOSのソフトウェアと互換性がありません。この問題の解決策は2つあります。
ひとつ目は、代替アプリを使用するということです。非対応のソフトウェアに相似したアプリで代替できる可能性があります。
たとえばWordやExcelの代わりに、Googleアプリのドキュメントやスプレッドシートを利用することができます。
GoogleアプリはWordファイルやExcelファイルと互換性があるので、双方向にインポート・エクスポートが可能です。
ふたつ目の解決策は、リモートデスクトップを利用することです。この機能を使うと、他のパソコンをChromebook上で操作することができます。
そうすれば、WindowsやmacOSのソフトウェアもChromebook上で自由自在に使えますよ。「Chromeリモート デスクトップ」を使用するのがおすすめです。
解決策③重い作業をしない
Chromebookは低価格帯のノートパソコンなので、スペックはそれほど高くありません。
動画編集やグラフィック処理などの重い作業をしたければ、もっと高性能のノートパソコンを買うほうが得策です。
Chromebookは、日常的な使用や軽めの作業用と割り切って使いましょう。
解決策④microSD・外部ストレージを活用する
Chromebookはストレージ容量が小さめなので、大量のデータを本体にオフライン保存することはできません。
とはいえ、大半のChromebook機種にはmicroSDカードリーダーが付いています。microSDを挿入することでストレージ容量を増やすことができます。
たとえば、Chromebookのストレージが32GBでも、512GBのmicroSDを装着すると合計544GBの大容量になります。
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他にも、外部ストレージをChromebookにつなげる方法があります。
解決策⑤Googleが認定したデバイスを使用する
古いデバイスや周辺機器は別ですが、最近は「Works with Chromebook」認定デバイスが増えています。これはGoogleが認定したデバイスのことです。
多くの周辺機器メーカーがChromeOS対応の製品を提供しているので、不便を感じることはあまりないでしょう。
解決策⑥VPNを利用する
Googleのサービスや機能が使えない国や地域では、VPNを利用することでChromebookを問題なく使えるようになります。
VPNを使うと他国のサーバーに接続できるので、Googleが使える国のサーバーに接続すればいいわけです。
VPN接続するとセキュリティ効果も非常に高まるので、Chromebookを使うかどうかに関わらずおすすめですよ。
こちらも参照:
VPN接続とは?初心者向けに簡単に分かりやすく解説
解決策⑦そもそもカスタマイズが必要ではない
Chromebook機種はスペックのカスタマイズが難しいとはいえ、そもそもカスタマイズが必要ではありません。
ChromeOSは非常に軽いOSなので、低スペックのパソコンでも軽快に動作します。また、重い処理をするソフトウェアなどには対応していません。
もしノートパソコンをカスタマイズしたいなら、BTO注文ができるPCメーカーの直販サイトから購入するのがおすすめです。
解決策⑧独自のセキュリティ機能がある
Chromebookは特定のセキュリティソフトがインストールできない代わりに、独自の高いセキュリティ機能を備えています。
パソコンを立ち上げていると自動的にOSの更新が行われ、常に最新のセキュリティパッチが適用されます。
また「サンドボックス化」により、個々のWebページやアプリが隔離された環境で動作します。脅威のあるページを開いたとしても、パソコンやアプリに影響を与えることはありません。
さらに、ダウンロードしたデータやブラウザのキャッシュファイルは暗号化され、不正アクセスから保護されます。
Chromebookはこんな人におすすめ
ここまで、Chromebookのデメリットと解決策を考察してきました。意外と使えそうだと感じられたかもしれません。
実際、割り切った使い方をすればChromebookは使い勝手が良いマシンです。何より、一般的なノートパソコンに比べて数万円安いのは見逃せないポイントでしょう。
それらをふまえると、Chromebookがおすすめなのは次のような人です。
Chromebookがおすすめ①学生
Chromebookは学生が使うのに向いています。その理由は以下のとおりです。
- コストパフォーマンスが良く限られた予算でも買える
- 直観的で使いやすいインターフェース
- Googleアプリは学生にも使いやすい
- 本体が軽量なので通学や移動時もラクラク
- バッテリーが長持ちするので一日中使える
- オフラインでもドキュメント編集やメディア再生は可能
学生の方が自分で購入するのはもちろん、卒業祝いや進学祝いにChromebookをプレゼントするのもいいでしょう。
Chromebookがおすすめ②お子さん・年配の方
Chromebookはシンプルなつくりで直観的に操作できるため、小さなお子さんや年配の方でも簡単に使えます。
OSは自動更新されるほか設定もシンプルなので、これまでパソコンを使ったことがない人でも不安なく使い始められますよ。
Chromebookがおすすめ③リモートワーカー
リモートデスクトップやクラウドストレージを活用すれば、Chromebookをリモートワークに使うことも可能です。
軽快な動作とクラウド連携が得意なChromebookは、特に次のような分野のリモートワークに向いています。
- ライティングやブログ執筆
- オンライン授業
- リモート会議や打ち合わせ
- ソーシャルメディアの管理
- メールマーケティング
- クラウドベースのカスタマーサポート
- クラウドベースのプロジェクト管理
Chromebookがおすすめ④持ち運びが多い人
Chromebookには2in1タブレット型の機種も多く、軽量かつ薄型デザインなので持ち運びも楽々。
自宅よりも外出時に携帯して出先で使いたい人には、Chromebookは検討する価値があるでしょう。
Chromebookがおすすめ⑤サブマシンを買いたい人
メインマシンはWindows機またはMacBookで、サブマシン候補を探しているという人には、Chromebookが有力な選択肢になり得ます。
クラウド共有でメインマシンと連携することができるうえ、リモートデスクトップを利用してメインマシンを遠隔操作することもできます。
おすすめのChromebook機種
おすすめのChromebookモデルを形状別に3つ紹介します。利用スタイルに合った一台を見つけてくださいね。
セパレートタイプ | コンバーチブルタイプ | スタンダードタイプ | |
---|---|---|---|
モデル名 | ASUS Chromebook Detachable CM3 Amazonで見る→ | ASUS Chromebook Flip CX1 (CX1102) Amazonで見る→ | Acer Chromebook Plus 810H Amazonで見る→ |
本体価格* | 47,980円 | 49,800円 | ¥44,820 |
画面サイズ | 10.5インチ | 11.6インチ | 14インチ |
本体重量 | 約506g | 約1.32kg | 約1.43kg |
ストレージ容量 | 128GB | 32GB | 128GB |
RAMメモリ | 4GB | 8GB | 8GB |
CPU | MediaTek MT8183 | Celeron N4500 | Core i3 N305 |
バッテリー持続時間 | 12.3時間 | 10時間 | 11時間 |
USBポート数 | Type-C×1 | Type-C×2 Type-A×1 | Type-C×2 Type-A×2 |
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