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原料費調整額は毎月変動しており、原料価格が上がればプラスに、下がればマイナスになって都市ガス料金の調整を行います。

【早見表】2026年9月分の原料費調整単価

大手都市ガス3社の最新の原料費調整単価は以下のとおりです。実際のガス料金に適用されるのは、政府の「電気・ガス料金負担軽減支援事業」による値引きを反映した「値引き後」の単価です。

2026年9月分の原料費調整単価(1㎥あたり・税込)

ガス会社 値引き前 政府の値引き 値引き後
東京ガス
関東・東京地区等
33.59円 -18.00円 15.59円
大阪ガス
関西・一般料金
27.71円 -18.00円 9.62円
東邦ガス
中部・一般料金
10.24円 -18.00円 -7.76円

※各社の月次発表(原料費調整制度に基づくガス料金)にもとづく1㎥あたり・税込の単価。東京ガスは1㎥=45MJ基準のため、大阪ガス・東邦ガスと数値の大きさが異なります。マイナスの単価は、その分がガス料金から差し引かれます。

同じエリアであれば、自由化後に参入した新ガス会社も大手と同じ単価を採用しているのが一般的です。▷ガス会社によって原料費調整額が変わるケース

都市ガスの原料費調整額とは?

原料費調整制度は、都市ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)の価格変動をガス料金に速やかに反映させるための制度です。

日本では都市ガスの原料となるLNGやLPGの大部分を海外からの輸入に頼っています。これらの原料購入にかかるコストが為替レートや国際原油取引価格の影響を受けて常に変動するためです。

原料費調整額のしくみ

ガス会社は原料コストに応じて毎月、ガス使用1㎥あたりの原料費調整単価を設定します。この単価はコストが安ければマイナスに、高ければプラスになって、私たちが毎月支払っているガス料金に原料コストの変動を反映させています。

ひと月あたりのガス料金 = 基本料金 +(基準単位料金 ± 原料費調整単価) × ガス使用量

原料費調整額の目的

原料費調整額は都市ガスを供給する事業者と都市ガスを使用する消費者の両方を保護するために設けられています。

もし原料費調整制度がなくてガス料金が一律で設定されていた場合、原料コストの高騰が起こると事業者の経営がひっ迫しやすいため、事業破綻のリスクが高まるでしょう。また、このようなリスクを避けるため、事業者はガス料金を高めに設定するようになるでしょう。事業者・消費者の双方にとって不利益ですね。

原料費調整額が設定されていることによって、事業者は基準となる料金設定を頻繁に変更することなく、小幅な値動きを原料費調整額によって調整できるメリットがあります。
そして、消費者はコストの変動がコンスタントに反映された、いわば適正な価格でガスを利用することができます。

原料費調整額はどうやって計算される?

原料費調整単価は、原料(LNG・LPG)の貿易統計価格に基づいて計算されます。

まず、原料の3ヶ月間の貿易統計価格から、「平均原料価格」を算定します。次に、この平均原料価格と、各都市ガス会社の定める「基準平均原料価格」の差額に基づいて単価が決定されます。

原料費調整単価は「平均原料価格」が「基準平均原料価格」よりも高ければプラスに、安ければマイナスになります。

こうして算出された単価は、算定期間の最終月から3か月後のガス料金に反映されます。

原料費調整制度
引用元:東京ガスWebサイト「原料費調整制度」

東京ガス(東京地区等)の2026年9月検針分の例をみてみましょう。

東京ガスの基準平均原料価格は57,250円です(2026年9月時点)。

2026年9月分の原料費調整額に反映されるのは、2026年4~6月の貿易統計価格です。当期間の貿易統計価格から計算された平均原料価格は94,950円でした。

平均原料価格が基準平均原料価格よりも高いためプラス調整となり、原料費調整単価は33.59円*となります。

東京ガスの原料費調整単価(2026年9月検針分)

基準平均原料価格 57,250円
平均原料価格
(2026年4~6月の貿易統計価格に基づく)
94,950円
原料費調整単価 33.59円*

*政府の「電気・ガス料金負担軽減支援事業」による値引き(-18円)を含まない金額。値引き反映後は15.59円

原料費調整額はどのガス会社でも同じなの?

原料費調整額は、それぞれのガス会社が自由に設定できます。
ですが、実際は供給エリアごと*に同じ計算方法が用いられていることがほとんどです。
*東京ガスエリア(関東)・大阪ガスエリア(関西)・東邦ガスエリア(中部)など

というのも、都市ガス自由化後に参入した新ガス会社の多くが、そのエリアにある大手都市ガス会社と同じ方法で原料費調整額を計算しているためです。
これは毎月金額が変わる原料費調整額がガス会社ごとにバラバラだと消費者がガス料金を比較しづらい、という観点によります。

つまり、基本的には同じエリア内であれば原料費調整額はどの都市ガス会社でも同額、ということになります。
ただし、原料価格が高騰するとこの状況が変わります。これには、各ガス会社の原料費調整額に対する上限設定の有無が関わっています。

次で詳しく確認しましょう。

原料費調整額の上限とは?

原料費調整額の上限は、正確に言うと単価の計算に使われる「平均原料価格」に対して設けられています。

原料費の高騰によって平均原料価格が上限を超えた場合、上限額に基づいて原料費調整単価を計算する、というしくみです。

例えば東京ガスでは上限が156,200円と定められています。この場合、仮に平均原料価格が200,000円だったとしても、原料費調整単価の計算には上限値の156,200円が用いられる、というわけです。

つまり、原料価格が高騰を続けても、原料費調整単価の高騰は一定額でストップする、ということになります。

原料費調整額の上限
引用元:東京ガスWebサイト「原料費調整制度」

このように、原料費調整額の上限はガス料金の急激な価格上昇を避ける役割を果たしています。

原料費調整額に上限を設けているガス会社は?

原料費調整額に上限を設けているのは、都市ガス自由化前からガスの供給を行っている、いわゆる大手都市ガス会社です。
一方で、自由化後に参入した新ガス会社のほとんどは上限を設けていません。また、大手都市ガス会社でも、料金プランによって上限があるプランとないプランに分かれていることがあります。

そのため、原料価格が高騰した場合は、同じエリア内でも、上限があるガス会社(≒大手都市ガス会社)と上限がないガス会社(≒新ガス会社)の原料費調整額に差が出ることになります。

原料費調整額:上限有無の一例

エリア 事業者・プラン名 基準平均原料価格 上限額
関東 東京ガス(一般料金) 57,250円 156,200円
東京電力(とくとくガスプラン) 57,250円 上限なし
関西 大阪ガス(一般料金) 64,090円 177,860円
関西電力(なっトクプラン) 64,090円 上限なし
中部 東邦ガス(一般料金) 83,350円 133,360円
中部電力(カテエネガスプラン1) 83,350円 上限なし

上限があるなら規制料金プランの方がお得?

👉原料価格の動向によります。
なぜなら、基本的に自由料金プランの方が規制料金プランよりも安くなるように価格が設定されているためです。
原料費調整額が上限を超えていなければ、自由料金プランの方がガス料金が安くなる確率が高いといえます。

原料費調整額の推移

最近の原料費調整額はどのように推移してきたのでしょうか?大手都市ガス3社の推移を見てみましょう。

原料費調整単価の推移(大手都市ガス3社)

1㎥あたり・円(税込)/政府の値引きを反映した「値引き後」の単価

出典:各社の原料費調整制度に基づく月次発表をSelectraが集計(2026年9月分まで)

3社の線がほぼ平行に動いていることからも、原料費調整単価がエリアを問わず同じ要因で決まっていることがわかります。水準の差は各社の基準平均原料価格の違いによるもので、東京ガスは1㎥=45MJ基準のため、大阪ガス・東邦ガスと数値の大きさが異なります。

グラフを見ると、2024年7月と12月、2025年の5月・11月に単価が上がり、2026年2月・3月に下がっていることがわかりますね。直近では、2026年8月・9月検針分でも単価が大きく下がっています

これらの変動は、国からの電気・ガス料金への補助金措置によるものです。

国からの補助金とは?

2022年、ウクライナ侵攻の影響で燃料の取引価格が高騰し、電気・ガス料金が急激に値上がりしました。

これに対して政府は2023年1月以降、電気・ガス料金の値引きを開始。以来、以下の6つの補助金事業が展開されてきました。

単価が上下するタイミングは、この補助金が始まる時期・終わる時期と重なっています。補助金の値引きは原料費調整単価から差し引かれるかたちで反映されるため、補助が始まると単価が下がり、終わると元に戻るという動きになります。

政府による補助金事業
  1. 2023年1月~2024年5月使用分「電気・ガス価格激変緩和対策事業」
  2. 2024年8月~10月使用分「酷暑乗り切り緊急支援」
  3. 2025年1月~3月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」
  4. 2025年7月~9月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」
  5. 2026年1月~3月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」
  6. 2026年7月~9月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」

2026年の補助金はいつまで?

直近の2026年夏の支援では、都市ガスの値引き単価は7月・9月使用分が14円/㎥、8月使用分が18円/㎥でした。検針分でいうと、2026年8月・10月検針分が14円/㎥、9月検針分が18円/㎥の値引きにあたります。

値引きは2026年10月使用分からなくなります

この支援は2026年9月使用分(10月に届く検針票)が最後の値引きです。10月使用分——つまり11月に届く検針票からは値引きの行が消えるため、単価表そのものが変わらなくても、1㎥あたり14円分の負担が請求に戻ることになります。

補助終了のスケジュールと世帯別の影響額は、電気・ガス補助金が終了|「実質値上げ」は11月の請求からで詳しく解説しています。

ガス代を節約する方法は?

ここ数年は補助金によってガス料金が定期的に値下がりしていますが、あくまでも補助金は一時的な措置です。

長期的にガス料金の削減をしたいと思ったら、節ガスに加えて、ガス会社の切り替えが効果的です。

各エリアで、大手都市ガス会社よりも料金が安いガス料金プランを販売しているガス会社があります。ぜひ以下の記事を参考にご覧ください。

エリア別:おすすめ都市ガス会社の料金比較

都市ガスの原料費調整額に関するよくある質問

2026年9月分の原料費調整単価(1㎥あたり・税込、政府の値引き反映後)は、東京ガスが15.59円、大阪ガスが9.62円、東邦ガスが-7.76円です。マイナスの月は、その分がガス料金から差し引かれます。

▷3社の最新単価を早見表で見る

都市ガスの原料であるLNGやLPGの価格変動をガス料金に反映させる制度に基づいた料金です。

▷原料費調整額の目的を調べる

3か月間の原料価格の平均から変動額が算出され、算出期間の最終月から3か月後のガス料金において原料費調整額としてガス代に反映されます。

▷原料費調整額の計算方法を調べる

通常の場合であれば、同じエリアの大手都市ガス会社と新都市ガス会社の原料費調整額は同額です。しかし、原料価格が高騰すると、上限設定の有無によって原料費調整額に差が出る場合があります。

▷原料費調整額の違いについて詳しく見る

2022年、ウクライナ侵攻によって原料費調整額が高騰しました。それ以降、政府が数回ガス料金に対する補助金を出しており、定期的に料金が値下がりしています。

▷原料費調整額の推移について詳しく見る