電力メーターの正しい見方は? - スマートメーターの確認方法も解説
電力メーターは、kWh(キロワットアワー)という単位を使用して、電気の使用量をカウントしています。
そして、月々の電気料金は、この電力メーターの数字を基に算定されます。
本記事では、様々な電力メーターの見方や仕組みを写真を用いてわかりやすく解説!
- この記事でわかること
- 電力メーターの正しい見方
- 電力メーターの種類(旧型)と仕組み
- スマートメーターの見方
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電力メーターの見方
電力メーターは、電気の使用量(キロワットアワー:kWh)をカウントするために、各契約者の自宅やオフィスなどに設置されています。
従来型の電力メーターでは、毎月、検針日に電力会社の担当者が電力メーターに表示された数字を確認し、検針票を発行します。
この検針票の電気使用量(kWh)に従って、私たちは電気料金を支払っています。
電力メーターには、これまでに電気の使用量(kWh)を積算した数字が表示されています。
毎月検針のたびに数字がゼロにリセットされるわけではありません。
そのため、月々の電気使用量(kWh:キロワットアワー)を算定するために、現在表示されている数字から、前回の検針時に表示されていた数字を引くことで、1ヵ月の電気使用量を算出しています。
なお、検針の際は、電力メーター小数点以下の数字は切り捨てられます。
- 電力メーターの見方:ポイント
- 電力メーターの数字は「積算」された電気使用量(kWh)。
- 現在の表示値から前回の表示値を引くことで、その月の電気使用量(kWh)がわかる。
- 電力会社の係員が検針日に数字を確認し検針票を発行する。
電力メーターの種類と仕組み
現在、電力メーターは、ご家庭によって従来型の電力メーターと新型の電力メーター「スマートメーター」とが混在しています。
- 旧型:アナログ式誘導型電力量計
- 旧型:電子式電力量計
- 新型:スマートメーター
ただし、従来型の電力メーターは順次「スマートメーター」への切り替えが進められているため、2024年内にはすべての世帯が「スマートメーター」に切り替わる予定となっています。
アナログ式誘導型電力量計
従来型の電力メーター「アナログ式誘導型電力量計」は、ケースが透明で中身が確認できます。
中には「アラゴの円盤」というものが設置されており、電気を使用すると回る仕組みです。
円盤の回転はたくさん電気を使用するほど早くなり、電気の使用量(kWh(キロワットアワー))は、この回転数を基に測定されます。
アナログ式誘導型電力量計のパネルには「○○rev/kWh」という表示がありますが、これは1kWhの電気の使用量に対する円盤の回転数を示しています。
機器が故障してデータが突如消えたり、電源が切れて表示できない等のトラブルの心配がないのが、この電力メーターの長所です。
なお、この円盤を勝手にいじって回転数をコントロールするなど、電力メーターのカウントを阻害する行為は「犯罪行為」ですので、絶対にやめましょう。
電子式電力量計
従来型の電力メーター「電子式電力量計」は、計器に内蔵された電子回路によって電気の使用量(kWh)を計測するタイプの電力メーターです。
電子式電力量計では、電気の使用量が自動的に6桁の数字でデジタル表示されます。
「スマートメーター」も電気の使用量が自動的にデジタル表示されますが、スマートメーターと異なり、電子式電力量計には電気の使用量を電力会社に送信する機能はありません。
この電子式電力量計は、時間帯別の電力量を把握する必要があるオール電化住宅で多く利用されています。
「アナログ式誘導型電力量計」と比べると、回転駆動する部品がないため小型で、かつ計測精度が高く、寿命も長いというメリットがあります。
その一方で、機器本体にカウンターがないことから、電力メーター本体が故障した場合は数値の読み取りが不可能になるといったデメリットもあります。
* 東京ガスのガスと電気(基本プラン・ずっとも電気3) の使用場所および契約者が同じであり、ガス料金と電気料金を合算してお支払いできる方が対象です。
新型の電力メーター「スマートメーター」
2014年に施行された「エネルギーの使用の合理化等に関する法律の改正」により、日本では、これまで電気の使用量の算定に使われてきた従来型の「アナログ式誘導型電力量計」と「電子式電力量計」から、新型の電力メーター「スマートメーター」への無料交換が全国で進められてきました。
2021年3月時点で、このスマートメーター普及率は約85%*に達し、東京電力エリアでの普及率は100%となっています。
東京電力エリア以外の地域でも、2024年内にすべての世帯で電力メーターがスマートメーターに交換される予定です。
スマートメーターとは?
スマートメーター(Smart Meter)とは、電気の使用量をデジタルで計測する電力メーターです。
従来のアナログ式誘導型電力量計と異なり、電力メーター内に回転盤などはなく、デジタルで電気使用量(kWh)を測定し、そのデータをリアルタイムで遠隔地に送信できるのが特長です。
また、どの時間帯に、どのような目的で電気を使用しているか、また、どの季節のどの時間帯に電気をよく使うか・使わないかなどが可視化でき、節電しやすくなるのがメリットです。
上記のメリットによって電気料金プランの見直しがしやすい、省エネに寄与できる、検針業務が効率化されることから、スマートメーターへの切り替えが推進されてきました。
2024年内にスマートメーターの普及率は100%となる予定ですが、ご自宅の電力メーターがまだ旧型の場合は、電力会社の乗り換えの際、スマートメーターの取り付けが必須です。
その場合、スマートメーターの交換作業は無料で、新しい電力会社が契約申し込みと同時に、必要な手続きを代行してくれます。
1kWhあたりの電気代は電力会社によって違う!
1kWhあたりの電気料金単価は、お住まいの地域・電力会社によって異なります。電気代を安くしたいと思ったら、単価の安い電力会社に切り替えるのが最も効果的です。
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スマートメーターのメリット・デメリット
スマートメーターのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット |
デメリット |
スマートメーターのメリット
スマートメーターのメリットを詳しく解説します。
電力メーターの検針作業が不要
各家庭の電気の使用量は、スマートメーターを通して読み込まれ、各電力会社のサーバーにデータが送られます。
そのため、電力会社側でも電気の使用量が把握しやすく、担当者の訪問による検針作業も不要となることから、人件費等のコストや業務の負担軽減に役立ちます。
リアルタイムで電気使用量がわかる
従来型の電気メーターでは、1ヵ月に一度しか把握できなかった電気使用量が、30分単位で把握できます。
家庭での節電に効果的
オール電化住宅の場合は、HEMS(ヘムス)と連動させる電気使用量の「見える化」で、より簡単かつ効果的な節電対策が可能です(※スマートメーターに加え、別途システムの導入が必要)
エネルギーの効率化
現在、スマートメーターを介して家電を制御する技術の研究も進んでいます。
この技術により、ユーザー側が家電の電気使用量を抑制することで、エネルギーの効率化が期待できます。
データの有効利用が可能
スマートメーターのデータを蓄積し分析することで、各家庭の電気の使用パターンを詳しく把握することができます。これを他のサービスに転用して有効活用することが可能です。
例えば、高齢者の見守りサービスでは、毎月の電気使用量を確認することで、異常がないかどうかを推測できます。
スマートメーターのデメリット
次世代型の電力メーター「スマートメーター」には上記のようなメリットがある一方、懸念されている点もいくつかあります。
雇用削減につながる
従来型の電力メーターでは、検針員が実地で行う電気使用量(kWh)の確認作業が不要になるため、その分の雇用が削減される可能性があります。
プライバシーに関する危惧
個人情報である家庭の電気使用量データ詳細がスマートメーターを介して通信で送られることに対し、プライバシーに関する危惧の声も上がっています。
例えば、仮にデータが盗まれてしまった場合に、電気使用量の動きから自宅が留守かどうか等の生活状況を推測されてしまう可能性が指摘されています。
スマートメーターの見方
スマートメーターは、どこを見れば電気の使用量が確認できるのでしょうか?スマートメーターの見方について解説します。
スマートメーターの場合は、表示画面が10秒間隔で「矢印表示のない画面」と「矢印表示ありの画面」に切り替わります。
消費した電力量(kWh:キロワットアワー)を確認したい場合は「矢印なし」の画面を確認します。
「矢印表示ありの画面」は、太陽光などの発電設備を設置し電気を販売している方向けの表示で、電力会社が購入した電力量を示しています。そのため、「矢印表示ありの画面」が最初からないスマートメーターもあります。
* 東京ガスのガスと電気(基本プラン・ずっとも電気3) の使用場所および契約者が同じであり、ガス料金と電気料金を合算してお支払いできる方が対象です。