電気料金の燃料費調整額とは?

電気代の請求書の中にある「燃料費調整額」という欄を見て、「これって何だろう?」と思ったことはありませんか?この記事では、電気料金の一部である「燃料費調整額」について説明していきます。
電気料金の中に含まれる「燃料費調整額」とは?
燃料費調整額とは、原材料の価格変化に対応するために電気代に組み込まれている料金のことです。
日本では電力の原材料となる燃料の多くを輸入に頼っているため、世界情勢に応じて起こる原材料価格の変化にも耐えられるように「燃料費調整制度」が導入されました。これは、燃料価格の変動に応じて「燃料費調整額」を定めることで、原材料価格の変化を柔軟に電気料金に反映させる仕組みです。
燃料費調整額はどのように計算されるのか
基本的に、電気料金は以下の3つの要素で構成されています。
- 基本料金:電力使用量に関わらず支払う額
- 電力量料金:電力使用量に応じて変わる料金
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金:再生エネルギーの普及のために消費者が負担する費用
燃料調整費はこれらのうち「電力量料金」の中に含まれており、次のように計算されます。
燃料費調整額=燃料費調整単価 × 使用電力量(kWh)
燃料費調整単価(つまり、1kWh当たりにかかる燃料費調整額)は3か月の貿易統計価格に基づいて決定され、2か月後の電気料金に反映されることになっています。

東京電力エナジーパートナー公式HP「燃料費調整単価一覧表(低圧)(2021年7月ー2022年6月分)」をもとに作成
このように、燃料費調整単価(1kWhあたり)は燃料価格に応じてプラスあるいはマイナスに設定されます。
つまり、燃料費調整額は燃料価格が一定の基準より高くなると電気代に加算され、燃料価格が一定の基準より低くなると電気代から差し引かれることになります。
こうした燃料費調整額の変化は、日々の電気代にどれだけのインパクトをもたらすのでしょうか。
例えば、東京電力で契約している標準家庭(※)を想定して、2021年6月と2022年6月の燃料費調整額の変化を比べてみると、
※東京電力従量電灯B、40A契約、毎月300kWh使用を想定
【2021年6月分】-3.29円 × 300kWh=-987円
【2022年6月分】 2.97円 × 300kWh=+891円
となり、電気の使用量が全く変わらなかったとしても、燃料調整費だけで2000円程度もの差額が生じていることになります。

最近の燃料費調整額の傾向
このような燃料費調整単価は、各電力会社が自由に決められます。とはいえ、今までほとんどの新電力が、東京電力や関西電力などの大手電力会社の規制料金プラン(従量電灯)と同じに単価を設定していました。
規制料金プランでは、燃料費調整額の上限がある 大手電力会社の規制料金プラン(従量電灯)については、消費者保護の観点から、国によって燃料費調整単価に上限が設けられています。つまり、燃料価格がどれだけ高くなっても、消費者が支払う燃料費調整単価は一定の価格までしか値上がりしません。
しかし、現在はロシア・ウクライナ情勢によって燃料価格が著しく高騰。

東京くらしWEB「原油価格の推移」より引用
この状況を受けて、大手電力会社と同額の燃料費調整単価のままではサービス提供が困難となり、独自に燃料費の調整を行う新電力も増えてきました。
例えば、ONEでんきやNEXTでんきなど、株式会社グランデータ系列の新電力は、燃料費調整額に加えてさらに「追加調整」という独自のしくみを導入して、高騰した燃料費をまかなおうとしています。「追加調整」は、卸電力取引所で取引される電気価格の変動を、電気料金に反映させるために設定された料金の枠です。上記2社の他にも、「電源調達調整費」という名前で同様のしくみを設けている新電力(ハルエネでんき等)があります。
また上記のとおり、大手電力会社の規制料金プランでは燃料費調整額に上限が設けられていますが、新電力ではこの上限を最初から設けていない、または楽天でんきのように最近撤廃した、という会社が多くあります。この場合、燃料費が高くなれば高くなっただけ、燃料費調整単価も高くなります。
最近は燃料費が高騰しているため、燃料費調整額が上限を超えた地域も出てきています。上限を設けている場合といない場合の差額は以下のとおりです。
例:上限あり・なしの場合で燃料費調整額単価比較
クリックして見る
エリア | 上限ありの場合 (大手電力会社の従量電灯等) |
上限なしの場合 (新電力の自由料金プラン等) |
---|---|---|
北海道 | 3.66円 | 8.39円 |
東北 | 3.47円 | 9.46円 |
関東 | 5.10円 | 8.07円 |
中部 | 5.06円 | 6.76円 |
北陸 | 8.28円 | 8.28円 |
関西 | 2.24円 | 7.47円 |
中国 | 3.19円 | 11.56円 |
四国 | 2.55円 | 9.31円 |
九州 | 1.94円 | 5.87円 |
沖縄 | 3.98円 | 15.33円 |
こうした動きは、燃料費調整額に注意していないと、思った以上に電気代が高くなる可能性があることを意味しています。新電力への切り替えを検討中の方は、「燃料費調整額」がどのように設定されているのかを事前にしっかりチェックすることが大切です。
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電気料金を安くするにはどうしたらいい?
ここまでで見てきたとおり、燃料費高騰によって、電気代はどの電力会社でも高くなっています。 そんな中で電気代を節約したいと思ったら、どうすれば良いのでしょうか。現在もっとも契約者の多い、大手電力会社の規制料金プラン(従量電灯)を契約している場合を想定して考えてみましょう。
一番確実な方法は、燃料費調整額に上限を設けており、かつ、料金プランの単価が安く設定されている新電力を見つけることです。これらの会社なら、燃料費の変動にかかわらず、必ず従量電灯よりも電気代をお得にすることができます。
しかしながら、このように燃料費調整額に上限を設けている新電力はあまり多くないのが現状です。それと同時に、上限を超えない限りはこれら新電力の燃料費調整単価も大手と同額です。
新電力は基本的に大手電力会社よりも割安な料金プランを設定していますから、お住まいの地域の燃料費の動向、ご自身の電気使用量によっては、上限を設けていない新電力でも電気代がお得になる可能性があります。
