ガス料金ってどうやって決まるの?

我々が普段利用している都市ガスですが、どのように料金は決定されているのでしょうか?またどのようにガス料金は計算するのでしょうか?チェックしていきましょう。
- 都市ガスの料金は総括原価方式という方法で決められています。
- 都市ガスの小売り自由化で、ガスの料金も自由に設定できるようになります。
ガス料金の構成要素
都市ガスを使用している一般家庭などのガス料金は、通常、基本料金に加えてガスの使用量に応じて従量料金を支払う二部料金制が適用されています。つまり、基本料金に従量料金を加えたものが最終的なガス料金となって、需要家に請求されることになります。
ガス料金の内訳
一般的なガス料金の内訳はしたがって、以下のようになります。
ガス料金の内訳 ガス料金 = 基本料金 + 従量料金(従量料金単価 × ガス使用量)(− 口座振替割引54円)
※ 口座振替割引のあるなしは契約しているガス会社によって異なります。
※ 1円未満を切り捨てます。
※ 内消費税等相当額は、ガス料金(税込み)× 消費税率 ×(1+消費税率)で算定します。
基本料金
基本料金とは、ガスを使用してもしなくても毎月支払わなくてはならない料金で、ガスメーター1台につき1カ月にいくらという形で毎月、ガス使用量に応じて定額が請求されます。基本料金の内訳は各家庭にガスを運んでいる供給管や、各家庭のガス使用量を計るガスメーターの維持費用などから成り立っています。
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従量料金
従量料金は毎月のガス使用量に従量料金単価を掛けて算出されます。ガス使用量は各家庭の人数や季節、使用しているガス機器によって決まりますが、従量料金単価は料金メニューやガスの使用量、居住地区、さらに原料費調整による調整額によって変動します。
東京ガスの一般契約料金で東京地区に在住の場合、料金は以下のようになります。
1カ月のガス使用量(単位=㎥) | 基本料金(円/件・月) | 従量料金単価(基準単位料金、単位=円) |
---|---|---|
0〜20まで | 745.20 | 142.66 |
20〜80まで | 1,036.80 | 128.08 |
80〜200まで | 1,209.60 | 125.92 |
200〜500まで | 1,857.60 | 122.68 |
500〜800まで | 6,177.60 | 114.04 |
800〜 | 12,225.60 | 106.48 |
従量料金単価はこのように、使用量が増えるほど高くなる基本料金と対照をなすように、使用量が増えるほど、単価は下がっていくように設定されています。
しかし、この従量料金単価は毎月変化します。原料費調整制度が適用されているからです。この制度は、都市ガスの原料となる液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPガス)などの購入価格の変動を適切な形で料金に反映させるために導入されている制度です
原料の貿易統計価格の3カ月平均値に基づいて、原則として毎月、料金単価が調整されます。もっとも、原料価格が大幅に上昇した時の需要家への影響緩和策として、自動的に調整される幅に一定の上限が設定されています。
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ガス料金の計算方法
それでは、具体的なガス料金の計算例を見ていきましょう。一般的な都市ガスの家庭用ガス料金は、下記の2つの要素を合算して計算され、毎月請求されています。
ガス料金 = 基本料金 + 従量料金 |
---|
|
ガス料金の総括原価方式と原料費調整制度ガス料金を計算するために必要な従量料金を左右するガス1m3あたりの単位料金は、総括原価方式と原料費調整制度に基づいて決定されています。
具体的なガス料金の計算例
東京ガスで1ヶ月のガス使用量が35m3だった場合(2015年12月10日現在):
|
1,036.80円 + 4,482.80円 = 5,519.60円(1円未満切り捨て) |
---|
ガス料金請求額合計 = 5,519円 |
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ガス機器のガス消費量の計算方法
家庭で使用しているガス機器のガス消費量を計算する方法も知っておくと、ガス料金の節約に役立てることができます。
- ガス機器のガス消費量を知る方法
- ガス機器に貼られているラベルをチェックして、そのガス消費量を確認する。
- ガスの消費量の記載方法には、kW(キロワット)もしくはkcal(キロカロリー)の2種類がある。
- それぞれの計算式に当てはめる。
ガス消費量kW(キロワット)の計算式ガス機器のガス消費量kW ÷ ガスの熱量(kW/m3)= m3/h ガス消費量kcal(キロカロリー)の計算式ガス機器のガス消費量kcal ÷ ガスの熱量(kcal/m3)= m3/h
都市ガスにはいくつか種類があり、ガス会社によって供給しているガスの種類が違います。さらに、ガスの種類によってガスの熱量が変化するので、契約しているガス会社ごとにチェックする必要があります。
具体的なガス消費量の計算例
- ガス機器:ガスファンヒーター
- ガス消費量:4.07kW(3,500kcal/h)
- ガスの熱量(東京ガスの場合)
- 12.5kW、10,750kcal
ガス消費量(kW)で計算した場合 → 4.07kW ÷ 12.5kW = 0.33m3/h
ガス消費量(kcal)で計算した場合 → 3,500kcal ÷ 10,750kcal = 0.33m3/h
つまり、このガスファンヒーターの1時間あたりのガス消費量は0.33m3ということがわかります。
ガス消費量を元にガス料金を計算してみる
上記のガスファンヒーターを1時間使用した場合のガス料金を計算してみましょう。
東京ガスの料金表Bを適用して単位料金が128.08円だった場合(2015年12月10日現在):
0.33m3 × 128.08円/m3 = 42.27円このガスファンヒーターを1時間使用した場合にかかるガス料金は42.27円であることがわかります。
なお、以下の場合にはガス料金が日割り計算されます。
- 「前回検針日の翌日から次の検針日」までの日数が24日以下の場合
- 「新たにガスのご使用を開始した日から次の検針日」までの日数が29日以下の場合
- 「ガス使用終了直前の検針日の翌日からガス使用終了日」までの日数が29日以下の場合
ガス料金の日割り計算法は以下の通りです。
ガス料金の日割り計算方法ガス料金 = 日割基本料金(基本料金 ÷ 30 × 使用日数) + 従量料金(従量料金単価 × ガス使用量)
※ ガス料金は1円未満を切り捨てます。
※ 日割基本料金は小数点第3位以下を切り捨てます。
※ 内消費税等相当額は、ガス料金(税込み)× 消費税率 ×(1+消費税率)で算定します。
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ガス料金の決定には「総括原価方式」が使用される
現在、公共料金として見なされているガス料金は「総括原価方式」によって算定されています。
総括原価方式とはつまり、ガスの安定供給のために必要な費用の総額=総原価によってガス料金が決まる方式で、ガス料金収入が総原価と同等となるようガス料金が設定されることが前提とされています。この場合の総原価とは何かというと、以下の様な費用で構成されています。
ガス料金の算定方法 総原価 =営業費(※1) + 事業報酬 - 控除収益(※2) =ガス料金収入
※1 原料費、修繕費、減価償却費、公租公課、人件費など。
※2 ガス事業に伴う電気料金以外の収入。
総括原価方式によるガス料金決定には、3つの原則、すなわち、①原価主義の原則(適正な原価に適正な利潤を加えたものであること)、②公正報酬の原則(設備投資等の資金調達コストとして、事業の報酬は公正なものでなければならないこと)、③ガスの使用者に対する公正の原則(ガス事業の公益性という特質上、料金は公平でなければならないこと)が反映されています。
このため、ガス会社にとってはコンスタントな利益が保証され、長期的投資が可能になる一方で、需要家にとっては過度の料金負担が避けられるといったメリットがあります。しかしその一方で、弊害もみられます。公正な報酬が保証されているため、経営効率化へのインセンティヴが働きにくく、競争力が生まれにくいデメリットがあります。加えて、都市ガス事業者は超大手と小規模事業者との規模の差、シェアの差が非常に大きいため、総原価にも大きな格差が生まれていることが指摘されます。
一般に、原料調達費用は、大規模事業者(LNG輸入事業者)に比べて、パイプラインからガス供給を行っている事業者の原単位(円/m3)の方が高く、サテライト調達や天然ガス以外の原料を使ってガス供給をしている小規模事業者は、パイプライン使用の事業者よりもさらに高額である傾向があります。このため、ガス料金の内々価格差が広がり、全国ベースでは料金格差が最大3.7倍 となっています。さらに、小規模事業者の方が赤字を出しやすいという厳しい実態も報告されています。
小売自由化で何が変わるか
2017年4月より、都市ガスの完全小売り自由化が始まりました。大手電力会社、新電力会社、LPガス事業者、ガソリンスタンドなどのエネルギー供給会社などが、新たに都市ガスの小売りに参入しました。新たに参入した新ガス会社は、各大手ガス会社の一般料金プランよりも安くなるプランを提供して話題を呼んでいます。
新ガス会社 | 特徴 | 地域 |
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東京電力![]() |
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東京ガスの 供給エリア |
東急パワーサプライ![]() |
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東京ガスの 供給エリア |
HTBエナジー![]() |
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東京ガスの 供給エリア |
中部電力![]() |
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東邦ガスの 供給エリア |
J:COM![]() |
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大阪ガスの 供給エリア |
また、多くの新ガス会社は電気の小売りにも参入しており、電気とガスのセットプランでよりお得になるプランを打ち出しています。大手ガス会社も電気の小売りに参入し、大手電力会社の従量電灯プランよりも安くなるプランを提供しております。
引っ越しなどの機会にガス料金を見直す際は、まずはその地域で利用できるガス会社の料金を比べてみましょう。地域によってはプロパンガス(LPガス)しか提供されてない場合があるので、注意が必要です。また、電気とガスのセットの場合は、極端にガスの使用量が多い場合を除いて電気料金の方が重要になります。なぜなら、電気料金の方が高額になる傾向にあるからです。この場合は電気料金が安くなるプランを選択した方が良いでしょう。
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