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2026年9月検針分(8月使用分)が今回の補助でいちばん安い月。10月検針分からは値上がりに転じます

電気代が急に高い=値上げとは限らない

「電気代が急に高くなった」「値上げなんて聞いていないのにおかしい」と感じたことはありませんか?実は、大手電力会社が料金プランの単価そのものを改定していない月でも、請求額だけが上がるケースは珍しくありません。

主な理由は次の4つです。

  • 電気の使用量が増えている:空気清浄機・加湿器・エアコンなど、季節家電の使用が増えると、単価が変わらなくても請求額は上がる。
  • 政府の補助金が縮小・終了している:「電気・ガス料金負担軽減支援事業」による値引き単価が減る、または期間が終了すると、その分がそのまま請求額に上乗せされる。
  • 市場連動型プランを利用している:楽天でんき・Looopでんきなど、電力市場価格に連動するプランは、需給が逼迫する時間帯に単価が跳ね上がることがある。
  • 検針日数がズレている:検針期間が前月より数日長いだけでも、使用量・請求額は増える。

これらは電力会社による恣意的な「値上げ」ではなく、制度や使い方の変化によるものです。ただし、再エネ賦課金のように、実際に単価そのものが年度更新で値上がりする項目もあるため、両方を切り分けて確認することが大切です。

  • 使用量(kWh):前月・前年同月と比べて増えていないか
  • 燃料費調整単価:検針票の1kWhあたりの単価が前月より高くなっていないか
  • 再エネ賦課金:年度更新のタイミングで単価が変わっていないか
  • 補助金の記載:割引項目(電気・ガス料金負担軽減支援事業など)が消えていないか
  • 検針期間:日数が前月より長くなっていないか

2026年9月・10月の電気料金は値上がりする?値下がりする?

大手電力会社の規制料金プランにおける2026年9月検針分(8月使用分)の電気料金は、政府の補助金1kWhあたり4.5円へ引き上げられたことで、大手8社が値下がりしました。ただし燃料価格そのものが上昇しているため下げ幅は小さく、日本経済新聞の集計(標準的な家庭のモデル)では96~260円の値下がりにとどまり、北海道電力は燃料高を補助の増額で補いきれず値上がりに転じています(▶出典:日本経済新聞

安いのはこの9月検針分までです。続く10月検針分(9月使用分)は補助が3.5円/kWhへ縮小し、大手電力10社すべてが値上がりに転じます。上げ幅は各社の平均的な使用量で252~509円、最も大きいのは中部電力の509円です。(▶出典:日本経済新聞

値上がりの要因は2つあります。1つは補助の縮小。もう1つは燃料費で、ホルムズ海峡の事実上の封鎖をきっかけに原油・石炭・LNGの輸入価格がそろって上昇し、なかでもLNGは7月時点で5月比1割の上昇となりました。補助が1円縮んだだけで10社が値上がりに転じたのは、この燃料高が重なっているためです。

補助は9月使用分で終了。値引きゼロの請求は11月に届きます

今回の補助は2026年9月使用分(10月検針分)で終了し、10月以降の継続は2026年8月末時点で決まっていません。補助が切れれば、値引き分がそのまま請求額に戻ります。10月に届く検針票にはまだ値引きが入っており、ゼロになるのは11月に届く検針票(10月使用分)からです。ここは混同しやすいので、補助金終了で請求がいつ・いくら上がるのかを解説した記事もあわせてご確認ください。

大手電力会社が提供する「従量電灯」「低圧電力」などの電気料金プラン。料金を決めるのに国の認可が必要とされる。

これらのプランは、電気料金に含まれている燃料費調整額に上限を設けている。そのため、燃料価格が急激に高くなった場合でも、燃料費調整額は一定までしか値上がりせず、電気料金の急激な値上がりを防げる。

一方、規制料金プラン以外の電気料金プランは自由料金プランと呼ばれ、国の認可なしに電力会社が自由に料金を設定できる。これらのプランでは燃料費調整額に上限がないため、燃料価格が高くなれば、その分だけ電気料金も高くなる。ただし、通常時は自由料金プランの方が規制料金プランよりも電気料金が安い傾向にある。

補助が4か月ぶりに再開した8月検針分(7月使用分)に、10社の料金がどれだけ動いたのかを当サイトで試算した結果が下の表です。1ヶ月に450kWhを使うファミリー世帯*で平均約1,354円の値下がりとなり、下げ幅が最も大きいのは関西電力の1,575円、最も小さいのは沖縄電力の1,161円でした。補助の有無で1か月の請求がどれだけ変わるかの目安としてご覧ください。

*3~5人程度のご家庭。1ヶ月あたり450kWh使用、アンペア制のエリアは契約アンペア数50Aを想定

大手電力会社・ファミリー世帯の電気料金の推移(2026年8月検針分/補助再開時)

電力会社 2026年8月検針分 2026年7月検針分
北海道電力 18,175円
(−1,238円)
19,413円
東北電力 14,824円
(−1,355円)
16,179円
東京電力 15,019円
(−1,386円)
16,405円
中部電力 14,332円
(−1,282円)
15,614円
北陸電力 14,019円
(−1,404円)
15,423円
関西電力 12,856円
(−1,575円)
14,431円
中国電力 13,757円
(−1,345円)
15,102円
四国電力 14,304円
(−1,372円)
15,676円
九州電力 13,225円
(−1,426円)
14,651円
沖縄電力 15,587円
(−1,161円)
16,748円

【計算条件】
・目安は3~5人世帯。1ヶ月の電気使用量を450kWh、アンペア制のエリアは契約アンペア数を50Aと想定
・各エリアの従量電灯プランの基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の合計

※上の表は450kWh使用のファミリー世帯を想定した当サイトの試算のため、標準的な家庭を前提とした日本経済新聞の集計とは水準が異なります

ここまでの流れを検針月ごとに整理すると、次のようになります。補助が最も手厚い9月検針分を底に、10月・11月と2か月続けて上がっていく形です。

補助単価と料金の動き(検針月ベース)

検針分 補助単価 前月比の動き
8月検針分
(7月使用分)
3.5円/kWh 10社すべて値下がり(補助が4か月ぶりに再開)
9月検針分
(8月使用分)
4.5円/kWh 8社が96~260円の値下がり。北海道電力は値上がり
10月検針分
(9月使用分)
3.5円/kWh 10社すべて252~509円の値上がり
11月検針分
(10月使用分)
なし(0円) 値引きが消え、さらに上昇

※動きは日本経済新聞の集計(標準的な家庭のモデル)にもとづきます。11月検針分は補助が終了することによる負担増で、単価そのものの改定ではありません。

これまでの電気料金の推移

これまでの電気料金にどのような変動があったのかを見てみましょう。以下のグラフは、東京電力の過去2年ほどの電気料金の推移を表したものです。

電気料金の推移:ファミリー世帯(3‐5人暮らし)の場合

電気料金(円)

【計算条件】
・東京電力「従量電灯B」を契約の場合。目安は3‐5人世帯で、契約アンペア数50A・電気使用量月450kWhと想定
・基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の合計
・国の電気料金激変緩和措置による値引き単価(2023年2月~9月分は7.00円/kWh、10月~2024年5月分は3.50円/kWh、6月分は1.80円/kWh、9月~10月分は4.00円/kWh、11月分は2.5円/kWh、2025年2~3月分は2.5円/kWh、4月分は1.3円/kWh、2025年7・9月は2.0円/kWh、8月は2.4円/kWh、2026年1~2月は4.5円/kWh、3月は1.5円/kWh、7・9月は3.5円/kWh、8月は4.5円/kWh)を含む

2024年5月以降の大きな値上がりは、再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がりが主な原因です。
2024年度~2025年度にかけて、1.4円/kWh→3.98円/kWhの大幅な値上げが行われましたが、2026年5月からは、3.98円/kWh→4.18円/kWhと、更に負担が大きくなりました。

また、2024年8月以降の電気代の変動の主な原因は政府の電気料金に対する補助金に関連しており、単価の変更や制度の停止・再開が影響しています。

2024年からの電気料金の変動の大きな要因である以下の2つについて、詳しく確認しましょう。

  1. 再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がり
  2. 数回にわたる政府の補助金事業

電気料金変動要因①再エネ賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)とは、再生可能エネルギーの普及のために電気契約者が等しく負担する税金です。

再エネ賦課金は、電気の使用1kWhにつきいくら、という風に単価が定められています。これを決めるのは経済産業省で、毎年度単価が更新されます。新単価は毎年5月検針分から適用となっています。

2026年度は1kWhあたり4.18円に設定され、制度導入当初から見て最高値となっています。この単価は年度内は据え置きのため、10月・11月に新たに上がるものではありません

再エネ賦課金の推移:1kWhあたりの料金

再エネ賦課金単価(円)

上記の値上げに伴って、標準家庭*においては、2026年の再エネ賦課金の負担額は毎月1,254円と想定されています。

*1ヶ月あたりの電力使用量が300kWhの家庭

再エネ賦課金の推移:標準家庭における毎月の負担額

毎月の再エネ賦課金負担額(円)

電気料金変動要因②政府の補助金事業

2022年、ウクライナ侵攻の影響で燃料の取引価格が高騰し、電気料金が急激に値上がりしました。
これに対して政府は2023年1月以降、電気料金の値引きを開始。以来、以下の6つの補助金事業が展開されています。

政府による補助金事業
  1. 2023年1月~2024年5月使用分「電気・ガス価格激変緩和対策事業」
  2. 2024年8月~10月使用分「酷暑乗り切り緊急支援」
  3. 2025年1月~3月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」
  4. 2025年7月~9月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」
  5. 2026年1月~3月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」
  6. 【実施中/9月使用分で終了】2026年7月~9月使用分「電気・ガス料金負担軽減支援事業」

①電気・ガス価格激変緩和対策事業による値引き額

2023年1月~9月使用分
(2023年2~10月検針分)
7.00円引き /kWh
2023年10月~2024年4月使用分
(2023年11~2024年5月検針分)
3.50円引き /kWh
2024年5月使用分
(2024年6月検針分)
1.80円引き /kWh

②酷暑乗り切り緊急支援による値引き額

2024年8~9月使用分
(2024年9~10月検針分)
4.00円引き /kWh
2024年10月使用分
(2024年11月検針分)
2.50円引き /kWh

③電気・ガス料金負担軽減支援事業による値引き額

2025年1~2月使用分
(2025年2~3月検針分)
2.50円引き /kWh
2025年3月使用分
(2024年4月検針分)
1.30円引き /kWh

④電気・ガス料金負担軽減支援事業による値引き額

2025年7・9月使用分
(2025年8・10月検針分)
2.00円引き /kWh
2025年8月使用分
(2025年9月検針分)
2.40円引き /kWh

⑤電気・ガス料金負担軽減支援事業による値引き額

2026年1~2月使用分
(2026年2~3月検針分)
4.50円引き /kWh
2026年3月使用分
(2026年4月検針分)
1.50円引き /kWh

⑥電気・ガス料金負担軽減支援事業による値引き額

2026年7・9月使用分
(2026年8・10月検針分)
3.50円引き /kWh
2026年8月使用分
(2026年9月検針分)
4.50円引き /kWh
【2026年8月5日更新】最新の電気料金情報
  • 8月使用分は政府支援が最も大きい月。値引き単価は電気4.5円/kWh都市ガス18円/㎥で、9月は電気3.5円/kWh・都市ガス14円/㎥に縮小する。(▶出典:経済産業省
  • 補助の増額により、8月使用分(9月請求分)の電気代は大手電力10社中8社で前月より96~260円の値下がり。都市ガス大手4社の料金も45~62円安くなる。(▶出典:日本経済新聞
  • 10月以降の支援は未定。再エネ賦課金も5月使用分から4.18円/kWhに上がっているため、補助が切れる秋以降は電気代が再び上昇する見込み。(▶出典:経済産業省

昨夏に続き今年の夏も、2026年7月使用分~9月使用分の電気料金に対する補助金の適用が正式に発表されました。適用に申請は不要で、契約中の電力会社が請求額から自動で値引きします。ただしこの支援は9月使用分で終了し、2026年8月末時点で10月以降の継続は決まっていません。

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  • 政府による補助金が適用される際、その割引をシミュレーションに反映しています。一部の電力会社では適用外となる場合がございますのでご注意ください。
  • シミュレーションには、元々の定額割引が含まれていますが、特典ポイントや一部キャンペーンなどは計算に反映されていません。詳細はシミュレーター内の「特徴」説明や、各電力会社の公式サイトをご確認ください。
  • 燃料費調整単価、またそれに相当する電源調達調整単価などは、各電力会社の公表データに基づき毎月更新し、1年分の電気料金に反映しています。現在2026年9月の単価を基準として計算しています。
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よくある質問

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補助金による値引きが縮小・終了すると、電気料金の単価自体は変わらなくても、実質的な負担は増えます。このため「値上げ」と表現されることがありますが、正確には「補助による割引の縮小」です。
楽天でんきやLooopでんきなど、電力市場価格に連動するプランでは、電力需給が逼迫する時間帯に単価が大きく上昇することがあります。使用時間帯を分散させることで、影響を抑えられます。
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