等級引継ぎの裏ワザ!別居や子供の車買い替えで使える自動車保険のテクニック

自動車保険の契約は、同居の親族であれば引継ぎが可能です。例えば親から子への引継ぎをすれば子の保険料が大幅に安くなるので経済的です。ですがこれは同居に限った話なのですが、一定条件を満たすと別居状態であっても等級を引継げる可能性があります。
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目次:
少しでも安く契約するための自動車保険の等級引継ぎの裏ワザとは
自動車保険は契約者本人しか等級が適用されないと思われがちです。ですが、以下のような状況であれば、等級を引継げるので保険料が安くなります。
自動車保険の等級は、1等級から20等級まであり、数字が大きいほど保険料が安くなります。新規で契約した場合は6等級(条件を満たせば7等級)からスタートとなります。しかし、家族の等級を引き継ぐことで、新規でも20等級から新規契約するということができるのです。
- 等級引継ぎで自動車保険を安く契約
- 子供が新たに車を買った
- 免許返納などで車を乗らなくなった
- 昔解約した自動車保険の中断証明書が手元にある
子供が新たに車を買った
同居の子供が免許を取得してマイカーを買ったとき、自動車保険を新規契約すると保険料が高くなる傾向がありますが、親が契約している等級の高い自動車保険を引き継ぐことで保険料を安くすることができます。
免許返納などで車を乗らなくなった
父母や祖父母が高齢のため免許を返納し、同時に乗っていた車の自動車保険の解約を検討している場合、長期間契約して等級の進んだ自動車保険を引き継ぐことで保険料を安くできます。
昔解約した自動車保険の中断証明書が手元にある
転勤などで車が不要になり、自動車保険を解約していると中断証明書が保険会社から発行されます。中断証明書の有効期間内であれば、契約した時の等級を引き継求ことができるので、新規で自動車保険を契約するよりも保険料を抑えることができます。
等級引き継ぎのメリット
両親や祖父母から自動車保険の等級を引き継ぐと、以下のようなメリットを受けられます。
- 等級を引き継ぐタイミング
- 継続割引の恩恵を受けられる
- 10代・20代の高額保険料を安くできる
- 保険会社を変えても引き継げる
継続割引の恩恵を受けられる
通常、自動車保険を契約した時の等級は6等級(セカンドカー割引の条件を満たすと7等級)なので保険料は割高です。長い期間無事故で保険を使っていない等級の高い自動車保険は継続割引の対象となっているので新規契約よりも数万円安く保険を契約できます。
10代・20代の高額保険料を安くできる
免許を取ったばかりの若い世代は、交通事故のリスクが高いとみなされるため、30代40代の契約と比べると保険料が割高になります。高い等級の保険を引き継ぐことで割引を受けられるため負担を軽くすることができるのです。
保険会社を変えても引き継げる
等級引き継ぎの最大のメリットは、契約する保険会社が変わっても等級が引き継げることです。等級を引き継ぐときの契約や契約更新のタイミングなど、複数の保険会社から見積もりを取って比較し、保険料の安い保険会社と契約することができます。
親子間で等級を引き継ぐ時の保険料シミュレーション
父親が子供に等級を引き継いだ場合、年間でどれくらい保険料が安くなるのでしょうか?
下記の例では、トータルで約7.4万円も安くなる結果になりました。等級引継ぎで保険料を大きく節約できることが分かります。
※下記は三井ダイレクト損保の自動車保険料(シンプルプラン)の概算です。実際の見積もり金額とは異なる場合があります。
契約条件の内容
父親 | 子ども |
---|---|
年齢:50歳 運転免許証:ゴールド 運転者年齢条件:35歳以上補償 事故有係数適用期間:0年 運転者限定:本人・配偶者限定 使用目的:日常・レジャー 年間走行距離:10,000km以内 | 年齢:20歳 運転免許証:グリーン 運転者年齢条件:全年齢補償 事故有係数適用期間:0年 運転者限定:本人限定 使用目的:日常・レジャー 年間走行距離:10,000km以内 |
保険料シミュレーション:等級引継ぎの有無による違い
父親 | 子ども | |
自動車 | トヨタ プリウス (型式:ZVW51、初年度登録2022年10月) | トヨタ 86 (型式:ZN6、初年度登録:2015年10月) |
等級 | 20等級 | 7S等級 |
年間保険料(一括払い) | 25,920円 | 173,760円 |
2人の合計金額 | 199,680円 | |
☟等級を引き継いだ場合 | ||
等級 | 7S等級 | 20等級 |
年間保険料(一括払い) | 47,420円 | 77,830円 |
2人の合計金額 | 125,250円\74,430円もお得/ |
親子(家族)間で等級を引き継ぐためのテクニック
前段で、若い人は親などから等級を引き継ぐことで保険料を安くなることがわかったかと思います。ここで、等級引き継ぎにおける基礎知識とテクニックをご紹介します。
- 基本知識とテクニック
- 等級を引き継げる人の条件
- 車を手放すときは”中断証明”を忘れずに
- 夫婦なら別居でも認められるケースも
- 運転者の免許の色と等級で保険契約をシャッフルする
等級を引き継げる人の条件
契約者(記名被保険者)との関係 | 同居 | 別居 |
---|---|---|
配偶者(事実婚含む) | ◯ | ◯ |
子ども | ◯ | × |
本人の親族(6親等以内) | ◯ | × |
配偶者の親族(3親等以内) | ◯ | × |
等級を引き継げるのはあくまで記名被保険者(自動車保険保険の対象者)と同居している親族です。親子や親族であっても、別居しているなら等級引継ぎはできません。
ただし、配偶者であれば別居していても等級を引き継ぐことができるほか、別居している配偶者と同居している親族にも引継ぎが可能です。
※親族とは6親等内の血族または3親等内の姻族を指します。


車を手放すときは”中断証明”を忘れずに
転勤や引っ越しなどで車を手放したとき自動車保険も一緒に解約しますが、その時に中断証明書を保険会社にもらっておきましょう。中断証明書は解約時点の等級を解約日の翌日から10年間維持できます。中断証明書は本人だけでなく配偶者や同居の親族にも引き継ぐことができます。
夫婦なら別居でも認められる
等級引き継ぎは原則的に同居しか認められませんが、配偶者であれば別居でも等級の引き継ぎが可能です。単身赴任や介護などで別居していても、配偶者(事実婚含む)なら等級を引き継いで契約可能です。
運転者の免許の色と等級で保険契約をシャッフルする
高度なテクニックが必要となりますが、家族で3台以上の車を持っていてそれぞれが保険を契約している場合は、等級や免許の色によって保険契約をシャッフルしたほうがトータルの保険料を抑えることができます。以下に等級シャッフルの一例をご紹介します。
既存契約の等級 | → | 等級シャッフルの例 | |
父(ゴールド免許) | 15等級 | 7等級 | |
母(ブルー免許) | 20等級 | 15等級 | |
子(グリーン免許) | 7等級 | 20等級 |
※契約内容、対象の車種によってはこの限りではありません。最適なシャッフル方法は保険会社にお問い合わせください。
別居だと等級の引き継ぎができない
等級の引き継ぎは、配偶者間を除いて同居が必須条件となります。子どもが進学や就職で実家を離れる場合は、引っ越し前に等級引き継ぎの手続き(契約)を必ず行いましょう。
別居でも等級を引き継げる裏ワザがある
配偶者間を除けば、等級の引き継ぎには契約者と同居が必須条件となります。ですが、別居状態でも等級が引き継ぎ可能な裏ワザ(抜け道)があります。
- 等級引継ぎの裏ワザ
- 公的書類は必要ない
- 同居していることを証明する
- 保険契約をそのままに、記名被保険者のみを変更する
公的書類は必要ない
自動車保険の等級引き継ぎの手続きには、原則的には同居を証明する公的書類(住民票など)は必要ありません。 手続き上では同居であることを申し出ることで等級の引継ぎを行うことができます。
同居していることを証明する
両親の介護などで一時的に同居し、その親の自動車保険の等級を引き継ぎたい場合、住民票上では同居していませんが、同居していることを証明する書類(自分名義の車の車検証上の使用の本拠が両親の家になっているなど)を添付することで認められるケースがあります。引継ぎ可能かは保険会社に確認しましょう。
保険契約をそのままに、記名被保険者のみを変更する
特定の条件下において、記名被保険者の変更をすることで等級の引き継ぎが可能です。
(例)書類上は別居しているが、実態は同居していて、契約者の車をメインで使っている場合など
引き継ぎ可能かは保険会社に確認しましょう。
等級引継ぎの注意点
ご両親などから自動車保険の等級を引継ぐ場合の注意点は以下の通りです。
等級引継ぎの注意点
低い等級の場合は引き継がないほうが良い
同居の事実を用意しておく
等級を引き継げない場合もある
自動車保険乗り換えは契約満期日の翌日から7日以内に
一部の共済では等級が引き継げない場合がある
低い等級の場合は引き継がないほうが良い
自動車保険の等級は、1等級から20等級まであり、数字が大きいほど保険料が安くなります。新規で契約した場合は6等級(条件を満たせば7等級)からスタートとなりますが、引継ぎ予定の契約の等級が10等級未満かつ事故有係数がある契約の場合は引継がない方が初期コストを抑えることができます。詳細なシミュレーションは保険会社に相談しましょう。
同居の事実を用意しておく
等級引継ぎは、現契約の親族と同居が必須条件です(配偶者は別居でも引継ぎ可)。何らかの事情で書類上の住所が異なっている場合、同居しているという事実を保険契約時に添付する必要が出てきますので、用意しておきましょう。
等級を引き継げない場合もある
保険料の滞納が続いたなどを理由に保険会社から契約を解除された場合、等級の引継ぎができません。よくあるケースとして、保険料引き落とし先の口座残高不足やクレジットカードの利用限度額いっぱいだった場合などです。滞納に気付いて期日までに入金できれば問題ありませんが、何回も繰り返してしまうと救済されない場合があります。
自動車保険乗り換えは契約満期日の翌日から7日以内に
全ての保険会社に共通している注意点として。引継ぎ元の保険の契約満期日や解約日の翌日から8日以上経過すると等級の引継ぎができなくなります。もし8日以上先に契約するといった場合は中断証明書を発行してもらいましょう。
一部の共済では等級が引き継げない場合がある
教職員共済や自治労共済など、一部の共済は等級引継ぎができない場合もあります。共済の自動車保険に乗り換えを検討しているなら、まずは等級引継ぎが問題なく行えるかを問い合わせましょう。
等級引継ぎ以外で保険料を安くする方法はある?
自動車保険の等級引継ぎができなかった場合に、保険料を抑えるための方法をご紹介します。
- 等級引継ぎで保険料を抑えるための方法
- 記名被保険者を変更する
- 車の使用条件を見直す
- 運転者限定を見直す
- 保険会社そのものを見直す
記名被保険者を変更する
夫婦二人で車を共有していて、契約上の記名被保険者はブルー免許のご主人だが実質的に車を使っているのがゴールド免許の奥様だった場合、記名被保険者を奥様に変えた方がゴールド免許割引が適用されるので保険料が安くなります。
車の使用条件を見直す
通勤通学使用から、日常・レジャー使用に変更すると車の使用頻度が少ないとみなされ保険料が安くなります。車の使用頻度が年間を通じて平均月15日以内であれば、使用条件を変更しても問題ありません。
運転者限定を見直す
子どもがたまに運転するので運転者限定を家族限定としている、あるいは対象者を絞っていない場合は範囲の見直しを検討しましょう。子供の運転頻度が少ないのなら、本人配偶者限定に変更して子供が乗る時だけ1日自動車保険を活用すればトータルの出費を抑えられます。
保険会社そのものを見直す
自動車保険の保険料は会社によって変わります。とくに代理店型からネット型(ダイレクト型)に変更すると、同じ補償内容なのに保険料を大幅に下げられる可能性があります。もちろんネット型からネット型への変更でも、コストダウンできる可能性がありますので、一括見積で比較してみると良いでしょう。
家族間で等級を引継ぐ具体的な流れ
同居親族の間で自動車保険の等級を引継ぐのは難しくありません。基本的に加入している保険会社のコールセンターに問い合わせれば親切丁寧に教えてくれます。以下では家族間で等級を引継ぐ場合の2つの例を挙げています。
ケース1:父親が自分の車を息子に譲って自分はもう車を持たない場合
ステップ :車両の名義を息子に変更する
ステップ :自動車保険の契約者名義を息子に変更する
ステップ :自動車保険の記名被保険者を息子名義に変更する
一番簡単な、車も保険も同居の家族に譲るケースでは、まず車の名義を変更することから始めます。名義変更が終わったら新しい車検証が手元にあるはずなので、その車検証の情報を元に保険の情報を変更しましょう。場合によっては車検証を保険会社に送る必要性も出てきますので、確認しておくと良いですね。
ケース2:息子が自動車を購入し父親から等級を引継ぐ場合
ステップ :父親が契約中の自動車保険の車両を息子の車両に変更する(車両入替)
ステップ :記名被保険者・契約者・車両所有者を息子名義に変更する
ステップ :父親の車は新たに自動車保険に加入する
等級の高い親の保険を子どもに引継ぐ場合、子どもの車の納車日が決まったら子ども名義へ切り替える手続きを行います。車検証のコピーやデータを車屋さんからもらい、車両入替と契約者、記名被保険者の変更手続きを行います。そして息子の保険契約が始まる日以降で父青や名義の新しい自動車保険を契約する手続きをします。
等級引継ぎのよくある質問集
契約途中で車を買い換えても等級は引き継げる?
はい、契約途中で車を買い換えると新しい車に等級を引き継げます。ただし、契約車両の変更手続きを行う必要があります。
事故をして等級が5等級以下に下がってしまった。保険会社を乗り換えて等級をリセットできる?
できません。各保険会社は日本損害保険協会を通して被保険者情報を共有しており、保険会社を変えても等級は引き継がれます。
実際は別居している子どもを同居しているように見せかけて等級引継ぎをするとバレる?
契約時に訪問調査などがあるわけではありませんが、もし事故を起こして保険を使う場合には必ず調査が入ります。その際に虚偽の申告をしていたことが明らかになると、保険金が支払われなかったり保険契約が解除されたりする可能性があります。
亡くなった父の自動車保険は引き継げるの?
中断証明書がある、同居していた、など確認事項はありますが、引継げる可能性があります。お父様が加入していた保険会社に問い合わせて確認してみましょう。
等級を引継いだら保険料は必ず安くなる?
保険料は加入している保険会社や等級によって変わります。場合によって高くなることもあり得ますので、シミュレーションをしてから加入することをお勧めします。また、弁護士費用や個人賠償責任など重複加入すると保険料が無駄になる特約もありますので、車以外の保険でこれらの特約に入っているか確認しましょう。

記事執筆
宇野 源一
大学卒業後、大手メーカー系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。2018年よりライターとしても活動。FP視点でのカーライフを提案することが得意。
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