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車両保険とは?

車両保険の解説
車両保険の解説

自分の車両ダメージを補償してくれる車両保険。どんな事故で使えるの?保険料はどれくらい上がる?等級への影響は?車両保険の加入決定に参考となる情報を解説していきます。

車両保険とは

自動車保険の基本補償のうち自分の車にかける保険ことを「車両保険」と呼びます。

 
基本リスク 保険名称
相手のケガ・死亡 対人賠償責任保険
相手の車両・モノへの弁償 対物賠償責任保険
自分のケガ・死亡への補償 人身傷害保険
搭乗者傷害保険
自分の車両・モノへの補償 車両保険 

また日本損害保険協会は車両保険をこのように定義しています。 車両保険とは?
被保険自動車が、偶然な事故によって損害を受けた場合に保険金を支払う保険です。
「被保険自動車」とは?「偶然な事故」とは?「保険金」とは?ひとつひとつ確認していきましょう。

保険の対象になる自動車と人

車両保険の対象になる自動車は、自動車保険契約の際に明記した「契約車両」です。車両保険ではこの契約車両のことを「被保険自動車」と呼びます。 また、車両保険によって保険金を受け取れることができるのは「被保険自動車の所有者(車両所有者)」となります。

自動車保険3つの名義
  1. 車両所有者...
    保険契約車両の所有者。自動車検査証(車検証)に記載されている人で車検証の名義人。
  2. 契約者...
    保険会社と保険契約を結んだ人。保険料を支払う人で保険証の宛名になる。
  3. 記名被保険者...
    契約した車両を主に使う人1名。保険料は記名被保険者の免許の色、年齢、等級から算出。

ローンやリースの車両所有者は誰?

車両保険で保険金を受け取れることができるのが「車両所有者」となると、ローン会社やリース会社が車両名義になっている場合はどうなるのか気になりますよね。 そこで保険料大手の東京海上のQ&A項目を確認してみました。 Q【自動車保険】「車両所有者」は、誰を設定すればよいですか?
A車両所有者には「ご契約のお車の所有権を有する方」を設定してください。 「ご契約のお車の所有権を有する方」とは、下記のいずれかの方をいいます。

・自動車検査証等の「所有者の氏名又は名称」欄に記載されている方
・所有権留保条項付売買契約や1年以上を期間とする貸借契約のお車の場合は、「買主」または「借主」の方

※所有権留保条項付売買契約や貸借契約のお車の場合は、車両保険金のお支払いの際、実際の車両所有者である売主や貸主からの保険金請求が必要です。
引用:東京海上公式サイト よくある質問
「所有権留保条項付売買契約」とは、ローンで車を買った人は購入代金を完済するまで、車の所有権は保留状態となるということです。完済までの所有権はカーディーラーが持つことになります。
この東京海上の回答をわかりやすく書き直すと、車両所有者の名義は「ローンで車を買った人」、 「リース会社から借りている人」。つまり車を使用している人を「車両所有者」として記載することができるということです。 しかし事故にあって保険金の支払いを求める場合には、売主であるカーディーラーや、貸主であるリース会社から保険金の請求をする必要があるということです。

自動車がローン返済中・リース車の場合 車両所有者や車両保険金支払いの対応について、ホームページなどで明記していない保険会社もあります。 不明な場合は契約の前に必ず保険会社に問い合わせをしてみてください。 なお、リースについては、解約違約金を補償するリースカー保険という商品もあります。

保険の対象となる事故

保険支払いの対象になる「偶然な事故」とは予想できない突発的な事故のことを指します。具体的にどのような場合を指すのか表にまとめました。 また、車両保険の保険の対象となる事故には「一般型」「エコノミー型」と呼ばれる2種類があります。 「エコノミー型」はその名の通り保険料を押さえる目的で、単独事故を保険対象から外したものです。

車両保険の対象となる主な事故
      一般型     エコノミー型
電柱・ガードレール・自転車に衝突
当て逃げ
車庫入れ失敗
転覆・墜落
車との衝突
火災・爆発
飛来物・落下中の物と衝突
盗難
台風・洪水・高潮
地震・噴火・津波
「当て逃げ」など保険会社によってはエコノミー条件では補償されることもあります。詳しくは各社の条件をご確認ください

地震などの大規模災害は対象外 一般型でもエコノミー型でも地震・噴火・津波の大規模災害は車両保険ではカバーされません。ただしこれらのリスクを定額で補償してくれる「特約」を付帯することができます。

さらに保険の対象でもこんな時は保険金は支払われません...

  • わざと起こした事故
  • 車の故障
  • タイヤの単独損害(火災・盗難を除く)
  • 法令で禁止されている改造に生じた損害
  • 付属品の単独損害
  • 無免許、酒気帯びなどの違法行為

保険金額と免責金額

保険の対象となる事故により、契約車両が損害を追った場合「保険金額」を限度として保険金が支払われます。ここでは保険金額・免責金額について解説します。

保険金額:どうやって決まる?

車両保険で支払われる保険金の限度額はどのように設定されるのでしょうか。車両保険の保険証に明記される「保険金額」は、 契約時点の「車の価値(時価)」になります。

「車の価値」の合計額 =「車両本体価格」+「車の付属品」+「消費税」

「契約時点の」車の価値ですので、この「車の価値の合計額」に車を購入してから自動車保険の契約まで「どれくらいの年月が経過したか」を考慮して保険金額を算出します。

自動車保険は「実損」をカバーするという考え方なので、新車から何年も経っている自動車は、時間が経った分だけ価値が下がっていきます。 時間経過によって下がった価値は保険会社が各社の基準から算出して、見積の際に契約者が設定できる金額を提示します。

  1. 保険金額の決めかた
  2. 自動車の「型式」や「初度登録年月」をオンライン見積で入力。
  3. 保険金額が保険会社から提示される。
  4. 提示された保険金額の範囲から必要な額を選ぶ

どれくらい保険金額が変わるのか、アクサダイレクトの車両保険で「ホンダJF1 NBOX」 の保険金額範囲を調べてみました。  新車の時点では190万円の保険金額>を設定できますが、10年近くたった場合は購入額の半額以下の金額までしか設定できませんでした。

  
HONDA/NBOX JF1 保険金額:経過年別比較
初年度登録年月 保険金額範囲
2022年4月登録 145万円-190万円
2018年4月登録 100万円-130万円
2012年4月登録 60万円-80万円
アクサダイレクト簡単見積 2022年8月1日時点

免責金額:いくらまで自分で負担できる?

免責金額とは、事故により保険金を請求する際に、自己負担する金額のことで、各保険会社ともにいくつかのパターンから選ぶことができます。 以下に免責金額のパターンをまとめました。免責金額を設定しない表の一番上が保険料が最も高く、下に向かって保険料が割引かれていきます。

  
車両保険:免責金額のパーターン例
1回目の事故 - 2回目の事故
0万円 - 0万円
0万円 - 10万円
5万円 - 5万円
5万円 - 10万円
10万円 - 10万円
車が全損した場合は免責金額は適用されず自己負担額は発生しません。

全損...車両保険金額の支払い
  ・車の修理費が保険金額以上になる
  ・車が修理できない
  ・盗難されて発見されない
 
分損...修理費から免責金額を引いた額を支払
  車の修理費が保険金額未満

なぜこんなに細かく免責金額が設定されているのでしょうか。後ほど保険料について説明しますが、車両保険は保険料にあたえる影響が大きく、かつ保険を使うと受け取る保険金の大小にかかわらず等級が下がります。 そのため、10万円程度の損害で車両保険を使った場合は、翌年から等級が下がりますのでその分の保険料のアップで相殺されてしまうことがあります。

車両保険はあくまでも自分の手持ち資金ではすぐにカバーできない損害に備えた保険と考えましょう。その反対に5万から10万円など「自分で負担できる」範囲の事故は そもそも保険の対象外とすることで保険料を抑えることができます。
たとえば「自分で負担できる」金額が10万円ということであれば、予期せぬ車の事故に備えて常に10万円を用意しておくだけでいいですよね。免責金額を車両保険に設定すれば、大きなリスクを恐れてむやみに備える必要がなくなります。

車両保険2つの保険料インパクト

「車両保険は保険料が高くなる。」という話は聞いたことがあると思いますが、一体どのようなインパクトがあるのでしょうか。ここでいう保険料のインパクトには2つタイプがあります。1つ目は「車両保険加入による保険料インパクト」。 2つ目は「等級降格による保険料インパクト」です。

1.車両保険に加入する場合

車両保険加入による保険料インパクトですので、車両保険に加入した場合としない場合で確認してみます。 保険料水準が近しい、代表的なダイレクト型保険会社3社(アクサダイレクト・セゾンおとなの保険・ソニー損保)から下記の条件で保険料の平均を算出してみました。

車両保険なし年間保険料 19,070円
車両保険あり年間保険料 41,223円

車両保険を一般型かつ免責金額を抑えて見積をすると保険料が約2倍になりました。しかし保険の対象事故をエコノミー型に狭めたり、免責金額を高めに設定することで1.5倍程度のアップに抑えることができました。 どちらにせよ、車両保険のあり・なしは自動車保険の保険料に大きな影響を与えていることがわかります。

車両保険の保険料
保険の対象事故 一般型 エコノミー型
免責金額 0万円-10万円 10万円-10万円 0万円-10万円 10万円-10万円
年間保険料 41,223円 37,740円 31,067円 28,213円
見積条件によって保険料は変わります。こちらの数値は参考として確認いただき、各個人の条件に合わせた保険料は一括見積などを取得してご確認ください。
見積もり条件

免許:ゴールド、事故歴:なし、等級:ノンフリート10等級、現契約の事故有係数適用期間:0年、現契約の事故有無:なし、居住地:東京都、使用目的:日常・レジャー、 年間予定走行距離:5,000Km未満、被保険者年齢:30歳、対人賠償:無制限、対物賠償:無制限、人身傷害:3000万円、車両保険金額:ホンダNBOX(2022年登録)200万円、ファミリーバイク特約:つけない、弁護士特約:つけない、 個人賠償特約:つけない

2.保険事故で等級が下がった場合

車両保険を使用すると等級が下がります。等級が下がる事故には以下の2種類あります。

  • 1等級ダウン事故
  • 火災、落書き、台風、落下中のモノとの衝突、盗難

  • 3等級ダウン事故
  • 当て逃げ、電柱など衝突、転落、車同士の衝突

車両保険に加入した年間保険料50,000円をベースにして「3等級ダウンした場合」と、「無事故の場合」で保険料のインパクトを確認してみます。

3等級ダウン  VS  無事故  その後3年の保険料比較
経過年数 3等級ダウン 無事故
事故発生 無事故10等級 無事故10等級
50,000円 50,000円
翌年 事故あり7等級 無事故11等級
72,727円 48,181円
2年目 事故あり8等級 無事故12等級
71,818円 47,272円
3年目 事故あり9等級 無事故13等級
70,909円 43,636円
事故後3年合計保険料 215,454円 141,816円
保険料等級シュミレーションの数値は、事故と等級以外の条件をすべて一定にした場合の保険料です。こちらは参考として確認いただき、各個人の条件に合わせた保険料は一括見積などを取得してご確認ください。

3等級下がると3年間合計で約8万円保険料アップ 3等級ダウンした場合は4年目でようやく「事故あり」の係数が取れて「無事故10等級」になります。4年目以降も 無事故だった場合と比較すると保険料インパクトは残り続けます。

それでも車両保険は必要か?

車両保険の保険料へのインパクトが大きいことがわかりました。それでも車両保険は必要なのでしょうか?
自動車の修理や買い替えにかかかる費用は保険料のインパクト以上に大きなものです。これらの費用が素早く手当されれば、事故にあった自動車もすぐに復活しますので特に車をよく使う方は車両保険があると安心です。

  • 飛び石でフロントガラスに小さなヒビが入った。フロントガラスの取替えが必要になって70万円。
  • 駐車中に当て逃げされてバンパー周りが破損。修理代61万円。
  • 急な大雨により地下駐車場が冠水して車両浸水。電源系統が修理できず300万円の車が全損。
  • 交差点で相手車両と衝突(相手の過失60%、自分の過失40%)。車の修理費60万円のうち相手からの賠償金は36万円(60万円のうち60%)修理代残高24万円。

車両保険の主な特約

車両保険の特約は受け取れる保険金額を手厚くしたり、保険金を受け取っても等級に影響しないような特約をつけることができます。ここでは主な車両保険の特約について説明していきます。

保険金額を手厚くしたい

車両新価特約
新車に大きな損害が生じた場合に、再び新車に買い替える費用を補償します。

車両全損時諸費用特約
車が全損となった場合に、廃車や買い替え時の諸費用を補償します。

車両超過修理費用保障特約
修理費用が保険金額を超えた場合、30万円から50万円程度(保険会社により異なる)まで補償します。

保険の対象となる事故の範囲を広げたい

地震・噴火・津波「車両全損時定額払」特約
地震・噴火またはこれらによる津波によって契約の車が全損となった場合に定額50万円が補償されます。

車載身の回り品特約
車の室内やトランクなどに積載された身の回り品に損害が生じた場合に、修理費などを補償します。

そのほかの補償

車両保険無過失事故特約
一方的に追突された場合などで、車両保険金を受け取っても等級が下がりません。

事故時レンタカー費用特約
車が修理などで使用できない場合に、レンタカー費用を補償します。

車両保険のメリットとデメリット

ここまで確認してきた内容を車両保険のメリットとデメリットに分けてまとめていきます。

 メリット

 デメリット

保険の対象事故や免責金額を設定できる 保険金額の範囲が決められている
車の復旧に必要な金額がすぐに手に入る 地震・津波などの大規模災害は対象外
盗難・いたずら被害をカバーできる 保険料が高くなる
異常気象による損害をカバーできる 保険を使うと等級が下がる

 保険の対象事故や免責金額を設定できる。
保険料のインパクトでみたように、車両保険は自分で負担できる費用を免責にし、自損事故を保険の対象から外すなどして保険料をおさえることができます。

 車の復旧に必要な金額がすぐに手に入る。
通勤・通学など毎日の生活に車が欠かせない方は事故で車が使えないと日常生活にも支障をきたします。買い換え代、修理代やレンタカー代などを車両保険でカバーできると安心です。

 盗難・いたずらの被害をカバーできる
盗難やいたずらはどこで被害にあうか予測不能です。特に人気車種の場合は盗難被害に合う確率も高いので車両保険に入るメリットがあります。

 異常気象による損害をカバーできる
ここ最近は毎年のように季節外れの大雨が降ったり、台風が何度も通過したりと異常気象のニュースを目にします。被害の多い地域で運転される方には補償対象にこれらのリスクも含まれるので安心です。

 保険金額の範囲が決められている
保険金額は車の購入価格と経過年数で決められてしまうので、長く乗っている愛車や中古車は、たとえ価値があっても保険会社の基準に沿ってに保険金額が設定されてしまいます。
 特 約  保険金額の不足分は「車両超過修理費用保障特約」「車両復旧特約」などで補填します

 地震・噴火・津波などの大規模災害は対象外
地震・噴火・津波など一回発生すると大規模な災害になるリスクには車両保険ではカバーできません。
 特 約  全損の場合の定額費用は「地震・噴火・津波 車両全損時定額払特約」で補填できます。

 保険料が高くなる
保険料のインパクトで見た通り、車両保険の保険料が自動車保険全体の保険料に与える影響は大きいのでとりあえず加入しておいたらいいという料金ではないので慎重に検討する必要があります。

 保険を使うと等級が下がる
車両保険から保険金を受け取ると、3等級ダウンもしくは1等級ダウンする可能性がありますので、保険の使用は慎重に検討する必要があります。
 特 約  一方的に衝突されるなど、自分に過失のない事故で車両保険を使用する場合には、「車両保険無過失事故特約」により等級ノーカウント事故とすることができます。

まとめ:車両保険はこんな方におすすめ

車両保険は「全損」や大きい損害にあった場合を想定して検討してみてください。 ある日突然車が使えなくなったら日常生活にダメージを受ける方。 新車を購入したばかりで大きな出費があったばかりの方などは車両保険への加入をおすすめします。

 車が生活必需品(車が使えなくなるダメージが大きい)
 新車もしくは車に愛着がある(全損による買い替えや盗難ダメージが大きい)
 自動車ローンを返済中(全損・修理ダメージが大きい*)
*ローンを組んだ状態で車両保険に加入する場合は、契約前に保険会社に名義などの詳細を確認するようにしてください。
 免許取りたてもしくは運転技術に不安がある。(事故にあう確率高い)
 災害の多い地域で生活している。(不測の事故にあう確率が高い)

逆に車の購入から年数が経過していて時価額が低く、車が使えなくなっても困らない方。車が全損ダメージを受けても手持ち資金で乗り切れる方などは、車両保険の必要性は低いため、保険料との兼ね合いで加入を検討してみてください。

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