車両保険の金額の設定はいくらが目安?免責金額のおすすめ設定についても詳しく解説

目次:
車両保険の金額設定の目安は車の購入価格や、グレードから設定。中古車の場合は最大限に設定しましょう。免責金額のおすすめは年数が経過している車は「5万-10万」、新車の場合は「0-10万」。その理由について詳しく解説。車両保険料のシミュレーションまで紹介します。
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車両保険の保険金額はどう決まる?
車両保険の補償額(保険金額)は、契約者が自由に決めることはできません。 保険会社が車の価値をもとに「補償額の範囲」を設定し、その中から上限金額を選ぶ仕組みです。
保険会社が車両保険の金額範囲を決める
車種・型式・初度登録年月などの情報をもとに、保険会社は各社の「自動車保険車両標準価格表」を参照し、 保険金額の範囲を決定します。
この価格表は、車の市場価値・装備・グレードなどに基づいており、保険会社ごとに若干異なる場合があります。 また、新車であれば販売価格が基準となりますが、中古車は時間の経過とともに価値が下がるため、補償額も減少します。
保険金額の算出項目🚙:
- 車種(車名)
- 型式
- 年式(初度登録年月)
- 使用目的
- 装備・オプション
提示された保険金額が希望より低い場合は?
車両保険金額の設定範囲は「自動車保険車両標準価格表」に基づいて決めています。 車名・型式・用途・初度登録年月などから自動的に算出されます。
原則、表示された範囲内でのみ保険金額を設定することが可能です。
上限を超える金額で設定したい場合
お客さまサポートセンターへの電話相談が必要です。
下限を下回る金額では設定できません。
出典:SOMPOダイレクト│おとなの自動車保険
契約者が設定できること
保険会社が提示する補償額の範囲内で、契約者は以下の内容を設定できます。
- 車両保険で契約者が設定できること
- 保険金額の上限: 通常5万円単位で選択可能
- 免責金額(自己負担額): 一般的に5万円または10万円(例:1回目は5万円、2回目以降は10万円)
- 保険のタイプ:
・フルカバー型(補償が広いが保険料は高め)
・エコノミー型(補償が限定されるが保険料は安め)
車両保険の金額設定の目安は?
前段で、車両保険の金額は保険会社が設定する範囲内から決めていくとしましたが、保険会社の範囲は意外と広く インターネットで自分が車両保険金額を決めるときにどうすれば良いのか悩みますよね。以下で車両保険設定の目安を紹介します。
- 車の購入価格から設定
- グレードから設定する
- 古い車の場合は最大額で
車の購入価格から設定
新車、中古車問わず、車の購入と同時に車両保険を設定する場合は車の注文書を参考に設定するようにしましょう。車両本体+オプションの総額を車両保険金額とすると良いでしょう。(例:車両300万円、オプション30万円なら合計の330万円)
もし合計金額が保険会社の設定金額を上回ったら、、、
コールセンターなどで交渉しましょう。保険の契約時に注文書を添付することで認められるケースがあります。
グレードから設定
保険会社を乗り換えたりする場合、車両保険の金額設定に悩むこともあるでしょう。その場合は乗っている車の型式を入力するとグレード名が出る保険会社があります。自分の車のグレードを選択し、その範囲内で金額を設定しましょう。
古い車の場合は最大額で
譲り受けた車、10年以上前の車の車両保険は、購入金額に関係なく保険会社が定める最大額で車両保険の設定をすることをお勧めします。車の修理費用は車両保険金額が上限となるため、大きな事故に遭った場合に保険での修理が困難になることを防ぐ効果があります。
車両保険料を安くする3つの方法
自動車保険に限らず、損害保険は予算の許す限り万一に備えて最大限の補償内容で加入するのがベストです。ただ、予算に限りがある場合は以下の点を参考にしてみましょう。
- エコノミー型車両保険を選択する
- 免責金額(自己負担額)を高く設定する
- 保険金額を低めに設定する
エコノミー型車両保険を選択する
車両保険には、一般型とエコノミー型の2種類があり、エコノミー型の方が保険料が安くなります。以下の表のように、自損事故が対象外になりますが、それ以外はエコノミー型でもカバーされます。
事故の内容/保険の種類 | 一般 | エコノミー |
---|---|---|
相手のいない事故 (自損事故) | ⚪︎ | × |
当て逃げ | ⚪︎ | ⚪︎ |
水没 | ⚪︎ | ⚪︎ |
盗難 | ⚪︎ | ⚪︎ |
いたずら | ⚪︎ | ⚪︎ |
地震が原因となる損害(火災、津波など) | × | × |
2023年まではエコノミー型の車両保険だと当て逃げなどは対象外でしたが、2024年より補償範囲が広くなりましたので、自損事故は補償されないと割り切って保険料を安くすることができます。
免責金額(自己負担額)を高く設定する
車両保険には、修理費用の一部を自己負担とする”免責金額”を設定することで保険料を抑えることができます。免責金額は保険会社によって差がありますが”0万円〜20万円”の範囲で設定できます。
補償範囲は一般条件で万全の状態にしておきつつ、免責金額を設定することで保険料を抑えられます。
保険金額を低めに設定する
節約効果は数百円程度ですが、車両保険金額の設定を下げることで保険料を安くできます。保険会社が定める車両保険金額の範囲内で変更可能なので、シミュレーションしながら確認してみると良いでしょう。
車両保険の免責金額とは
自己負担金額を設定することで保険料を下げられる免責金額は、万一の時に備えながらも保険料を抑えることができるテクニックのひとつです。
例えば・・・車両保険の免責金額を5万円としたとき、事故などで修理費が30万円かかった場合。
保険会社から25万円が支払われます。差額の5万円は自腹で払うことになるため、実質的な修理費は5万円となります。
免責金額よりも修理費が安くなった場合は車両保険が支払われない点に注意が必要です。
免責金額の設定方法は2種類
免責金額の設定方法は2種類あり、1年間に2回以上車両保険を使った場合に自己負担がどうなるのか決まっていきます。
- 定額方式
- 増額方式
\ 免責を細かく設定できるのは /
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定額方式
免責金額は1年間に何回保険を使っても変わらない方式です。例えば免責金額5万円で契約した場合、1回目も2回目も事故負担額は5万円となります。
増額方式
定額方式のように免責金額が増えない一方で、段階的に増えていくのが増額方式です。「0−10万円」「5−10万円」というように1回目の事故よりも2回目以降の免責金額が増えていきます。
免責金額のおすすめの設定方法
免責金額は増額方式の方が保険料が抑えられます。とはいっても闇雲に免責金額を設定するのはNGです。以下を参考に設定するようにしましょう。
- 年数が経過している車は「5-10万円」
- 新しい車は「0−10万円」
- 運転に自信がないなら定額方式で
年数が経過している車は「5−10万円」
古い車だけどできるだけ保険料を抑えたい、それなら1回目5万円、2回目10万円の免責金額がおすすめ。大きな事故に遭ったとしても初回5万円で修理費が賄えたり、次の車の軍資金にすることができます。
新しい車は「0−10万円」
新車を含む新しめの車は車両金額が高いので保険料が高くなりがちですが、初年度登録から49ヶ月目までは新車割引で保険料が抑えられます。それであれば免責金額を初回なしにして2回目以降の免責を設定する方が万一の時に安心です。
運転に自信がないなら定額方式で
免許取りたて、ペーパードライバーで車をぶつける可能性が高い人の場合、免責金額が増えるリスクを負うくらいなら車両保険を一般条件にして免責を定額5万円などにしておいた方が安心です。万一ぶつけても5万円で修理できる、と思っていた方が精神的にゆとりがモテるはずです。
免責金額設定の注意点
- 大きい事故でないと恩恵を受けられない
- 少額の修理では自腹した方がよくなる
- 翌年度の保険料シミュレーションも忘れずに
大きい事故でないと恩恵を受けられない
免責金額を10万円など高額に設定していた場合、バンパーをこすって交換、フロントガラスに飛び石がぶつかって交換、となった場合に保険を使えなくなる(=全額自腹で修理することになる)可能性がでてきます。
少額の修理では自腹した方がよくなる
免責金額が5万円で設定し、車の修理費が7万円だった場合、保険会社から支払われる保険料が2万円だけとなってしまい、保険を使った翌年以降の保険料の方が支払われる保険料よりも高額になってしまうかもしれません。そうなると保険を使わずに全額自腹で修理することになってしまいます。
翌年度の保険料シミュレーションも忘れずに
上の2つの例のように、免責金額の設定と事故の状況によっては保険を使わない方がいいケースもあります。車両保険を使って3等級ダウンしてしまうと、事故前の等級に戻るまでの3年間のトータル支出が増加するためです。
保険を使う前に、保険会社と使うかどうかの打ち合わせを行いますので、その際に増額のシミュレーションをしてもらうと良いでしょう。
ただ、最近の車はセンサーなど電子制御部品が多く使われているため修理費が高額になる傾向があります。ちょっと車をこすっただけでも多くの部品交換を要し、修理費が10万円を簡単に超えるケースもあるため、ケースバイケースと言えるでしょう。
免責金額と合わせてセットしたいおすすめの特約
🚙🚘車対車免ゼロ特約
🧑🔧🔧車両全損時修理諸費用特約
🚗✨車両新価特約
🚙🚘車対車免ゼロ特約
免責金額を設定している車両保険で、相手の車両がいる事故の場合に免責金額がゼロ円になる特約です。一般条件で免責金額を設定している場合はこの特約をセットすることで相手のいる事故で自己負担なく車両保険を使えます。
🧑🔧🔧車両全損時修理諸費用特約
車両保険金額が低い車に乗っている人におすすめの特約です。全損(修理費が車両保険金額を上回る)のときに車両保険金額+50万円(保険会社によって金額が変わるので要確認)を受け取れます。
🚗✨車両新価特約
購入した車が初年度登録から5年以内の場合にセットできる特約で、車両保険金額の50%以上の事故が発生した時に車両保険金額満額が支払われる特約です。通常、車両保険は毎年下がっていきますが、この特約がセットされている期間は新車相当額まで支払われるようになります。
例えば・・・車両保険金額450万円の車が225万円以上の損害を被った場合
新価特約なし:修理金額225万円が支払われる
新価特約あり:車両保険金額全額(450万円)が支払われ、保険金を使って買い替え可能に
車両保険料シミュレーション
ここでは、新車および中古車に車両保険をかける場合、保険料がいくらになるのかシミュレーションしてみました。 保険内容の設定を変えることで、どれくらい保険料が変わるのか分かりますよ。
※アクサダイレクト自動車保険の見積もり(2025年7月時点)
※自動車保険料ではなく車両保険料のみ記載
※記名被保険者は35歳、ゴールド免許、ノンフリート15等級、事故歴なし、事故有係数適用期間0年とする
※運転者限定特約は記名被保険者と配偶者に限定、年齢条件30歳以上とする。
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新車に車両保険を付けたら
新車を購入する際には、補償が充実した車両保険を契約したい人がほとんどでしょう。
補償内容を妥協せずに少しでも保険料を節約したいなら、免責金額を高めに設定するのがおすすめです。
🖩シミュレーション条件
車種:トヨタプリウス
型式:6AA-ZVW60
年式:2025年7月(新車)
年間予想最大走行距離:10,000km以上15,000km未満
主な使用目的:日常レジャー用
➤提示された保険金額:245~360万円
シミュレーション別保険料の変化まとめ
- 保険金額を100万円下げる・・・大きな影響なし
- 免責金額の設定・・・高く設定するほど保険料は割安に
- 保険種類を変更・・・エコノミー型で年1.7万円ほど割安に
- 免責かつエコノミー型へ・・・年3万円ほど割安に
シミュレーション 保険金額の設定を変えた場合
保険金額が100万円以上違っても、年間保険料の差額は7千円程度です。 車が全損した時のことを考えると、保険金額は高めに設定しておくほうがいいでしょう。
保険の設定金額 | 年間の保険料 |
---|---|
保険金額を360万円に設定 | 60,960円 |
保険金額を245万円に設定 | 54,000円 (差額-6,960円) |
※免責金額は1回目事故5万円、2回目以降事故10万円、保険種類は一般(フルカバー)型、新価特約あり
シミュレーション 免責金額を変えた場合
免責金額を高めに設定することで、年間保険料を大きく節約することができます。
免責金額 | 年間の保険料 |
---|---|
1回目0万円ー2回目以降10万円 | 70,500円 |
1回目5万円(車対車免ゼロ特約付)ー2回目以降10万円 | 59,990円 (差額-10,510円) |
1回目5万円ー2回目以降事故10万円 | 56,950円 (差額-13,550円) |
1回目事故10万円ー2回目以降事故10万円 | 52,200円 (差額-18,300円) |
※保険金額は320万円(新価特約あり)、保険種類はフルカバー型
シミュレーション 保険種類を変えた場合
車両保険の種類をエコノミー型にすると、年間保険料はかなり安くなります。 ただし、エコノミー型車両保険は自損事故が補償対象外になることを忘れないようにしましょう。
保険種類 | 年間の保険料 |
---|---|
一般車両保険(フルカバー型) | 56,950円 |
車対車+A(エコノミー型) | 39,260円 (差額-17,690円) |
※保険金額は320万円(新価特約あり)、免責金額は1回目事故5万円、2回目以降事故10万円
シミュレーション 最大保険料と最安保険料の違い
車両保険を最大限と最低限にしただけで、保険料が倍以上変わります。
条件 | 年間の保険料 |
---|---|
保険種類:一般車両保険(フルカバー型 保険金額:360万円 免責金額:1回目事故0万円、2回目以降事故10万円 | 72,680円 |
保険種類:車対車+A(エコノミー型) 保険金額:245万円 免責金額:1回目事故10万円、2回目以降事故10万円 | 35,510円 (差額-37,170円) |
中古車に車両保険を付けたら
中古車を購入して車両保険を付ける場合は、補償内容と保険料のバランスを見ながら設定するといいでしょう。
下記のシミュレーションでは、車両保険の補償額160万円でなるべく安く設定すると、 年間保険料は約2万2千円程度で済むという結果になりました。
🖩シミュレーション条件
車種:トヨタプリウス
型式:6AA-ZVW51
年式:2020年7月
年間予想最大走行距離:7,000km以上10,000km未満
主な使用目的:日常レジャー用
➤提示された保険金額:180~235万円
シミュレーション別保険料の変化まとめ
- 保険金額を100万円下げる・・・大きな影響なし
- 免責金額の設定・・・高く設定するほど保険料は割安に
- 保険種類を変更・・・エコノミー型で年1.7万円ほど割安に
- 免責かつエコノミー型へ・・・年3万円ほど割安に
シミュレーション 保険金額の設定を変えた場合
保険金額が55万円違うと、年間保険料には約1,800円の差が出ます。
保険の設定金額 | 年間の保険料 |
---|---|
保険金額を235万円に設定 | 51,640円 |
保険金額を180万円に設定 | 49,880円 (差額-1,760円) |
※免責金額は1回目事故5万円、2回目以降事故10万円、保険種類はフルカバー型
シミュレーション 免責金額を変えた場合
免責金額を高めに設定すると、年間保険料を大きく節約することができます。
免責金額 | 年間の保険料 |
---|---|
1回目0万円ー2回目以降10万円 | 63,720円 |
1回目5万円(車対車免ゼロ特約付)ー2回目以降10万円 | 53,510円 (差額-10,210円) |
1回目5万円ー2回目以降事故10万円 | 50,840円 (差額-12,880円) |
1回目事故10万円ー2回目以降事故10万円 | 46,710円 (差額-17,010円) |
※保険金額は210万円、保険種類は一般(フルカバー)型
シミュレーション 保険種類を変えた場合
保険種類をエコノミー型にすると車両保険代はかなり安くなりますが、自損事故が補償対象外になります。
保険種類 | 年間の保険料 |
---|---|
一般車両保険(フルカバー型) | 56,950円 |
車対車+A(エコノミー型) | 39,260円 (差額-17,690円) |
※保険金額は210万円、免責金額は1回目事故5万円、2回目以降事故10万円
シミュレーション 最大保険料と最安保険料の違い
車両保険を最大限と最低限にしただけで、3万円近くも保険料が変わります。
条件 | 年間の保険料 |
---|---|
保険種類:一般車両保険(フルカバー型) 保険金額:235万円 免責金額:1回目事故0万円、2回目以降事故10万円 | 64,780円 |
保険種類:車対車+A(エコノミー型) 保険金額:180万円 免責金額:1回目事故10万円、2回目以降事故10万円 | 35,170円 (差額-29,610円)
|
まとめ:車両保険を見直して保険料を安くしよう
いざという時に安心な車両保険ですが、補償内容と保険料のバランスを取ることが大事です。
初心者ドライバーや運転が苦手な人は、補償内容を充実させることを重視しましょう。特に車が新車なら、保険金額も高めに設定することをおすすめします。
いっぽう、熟練ドライバーは自損事故を起こす確率が低いと考えられます。 そこで、エコノミー型の車両保険にすることで保険料を節約するのもありです。ただ、万一の時に備えて一般型の車両保険にするのがベストなので、一般型にしつつ、保険料を抑えるために免責金額を設定するのも1つのテクニックといえます。
また、同じ車種・登録年月でも、保険会社ごとに車両保険額が多少異なるほか、特約などの内容も違う場合があります。 いくつかの保険会社で見積もりを取って比較してみましょう。