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世界一電気代の高い国は?日本の順位も発表

更新日
世界一電気代の高い国は?日本の順位も発表

世界の主要10か国をメインに電気料金を比べてみましょう。ランキング形式で世界における日本の電気料金のレベルも知ることができます。毎月の電気料金が気になるなら、電力会社を見直しましょう。

主要国のうち電気代が世界一高いのはどこ?

電気代の国際比較を行っている電力中央研究所のデータによると、世界の主要10か国のうち最も家庭用電気料金が高かったのはデンマークでした。デンマークでは1kWhあたりの電気料金が36円~37円程度となっており、世界でも最も家庭用電気料金が高い部類に入ります。デンマークに次いで電気代が高いのは、ドイツ、イタリア、スペインとヨーロッパ西部の国々が続きました。

※電気料金は2016年の為替レート(1ドル=108.8円換算)

一般財団法人電力中央研究所は1995年から2016年まで世界の産業用・家庭用電気料金の比較を行っており、2018年1月に発表された2016年度のデータが最新の情報となります。調査対象となっている国は、アジアに位置する日本・韓国を含め、ヨーロッパからはデンマーク・イタリア・ドイツ・フランス・スペイン・イギリス、北アメリカからは米国・カナダの全10か国です。比較対象となっている国々はいずれも経済規模がある程度大きな国ですが、これら主要国の中ではデンマークが最も家庭で使われる電気代が高いという結果になりました。

多くの国では家庭で用いられる電気料金とは別に産業用の電気料金が設定されています。産業用に限定して各国の電気料金を比較すると、最も高いのはイタリアという結果になりました。

※電気料金は2016年の為替レート(1ドル=108.8円換算)

家庭用電気料金では最も高額だったデンマークは、産業用では逆に電気代が安いカテゴリに入り、家庭用と産業用では各国の設定金額に差があることも分かります。また、産業用電気料金では、デンマークに次いで日本が2番目に電気料金が高いということも比較データから読み取ることができます。電力中央研究所の調査対象となっている10か国について2016年時点の家庭用・産業用に分けて電気代が高い順にランキングにまとめました。

家庭用電気料金ランキング
順位国名1kWhあたりの料金
1位デンマーク36~37円
2位ドイツ35~36円
3位イタリア約30円
4位スペイン28~29円
5位日本23~24円
6位イギリス22~23円
7位フランス約20円
8位アメリカ13~14円
(アメリカは州によって料金が異なるため平均値)
9位韓国12~13円
10位カナダ11~12円
産業用電気料金ランキング
順位国名1kWhあたりの料金
1位イタリア20~21円
2位日本17~18円
3位ドイツ15~16円
4位イギリス13~14円
5位スペイン約13円
6位フランス11~12円
7位韓国約11円
8位デンマーク約9円
9位カナダ約8円
10位アメリカ約7円
(アメリカは州によって料金が異なるため平均値)

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小さい国まで含めると世界で一番電気代が高いのは?

これらの調査結果は経済規模の大きな国々を比較したランキングでしたが、さらに範囲を広げて世界で比較すると、もっと電気代が高い国もあります。独立行政法人国際協力機構(JICA)が行った調査によると、ソロモン諸島の電気料金は平均で1kWhあたり65セント(2017年時点)となっており、2016年のデータに合わせて日本円に換算(1ドル=108.8円換算)すると1kWhあたり約70円にもなります。

ソロモン諸島は小さな島が900以上集まってできている国であり、エネルギー資源に乏しいため発電のほとんどを輸入燃料によるディーゼル発電で賄っています。そのため、為替レートや燃料の高騰などによって発電コストが変動しやすく、電気料金も高く設定されているのです。ソロモン諸島の電気料金単価は日本の約2.5倍ほどにもなり、世界に目を向けると日本とは全く異なった環境で電気を利用している人々がいることを垣間見ることができます。

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電気代が国によって違うのはなぜ?

世界有数の電気が高い国であるソロモン諸島の状況からも分かるように、電気料金はその国のエネルギー資源量や発電方法によって差が生じます。では、主要10か国のうち電気が高いデンマーク・ドイツ・イタリア・スペインなどはなぜ電気料金が高いのでしょうか?

ヨーロッパ諸国でもとりわけ電気代が高いデンマークとドイツは、どちらも再生可能エネルギー促進に力を入れています。ドイツでは2022年末までにすべての原子力発電所を停止し、脱原発を目標に掲げています。デンマークやドイツでは国が再生可能エネルギーによってつくられた電気の買い取りを積極的に行っており、さらに環境を守るための環境税も上乗せされるため電気代が高くなっているのです。

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スペインやイタリアでは火力発電を主な発電方法として採用しているため、発電のための燃料の価格高騰を受けて年々電気料金も上昇しています。また、デンマークやドイツを含めたヨーロッパの国々では自国のエネルギー資源が乏しく、発電のための燃料を輸入に頼らざるを得ないという状況も関係しています。逆に同じヨーロッパでもフランスは積極的に原子力発電を稼働させており、化石燃料の価格変動を受けにくいことから電気料金を安く抑えることができています。

電気料金が安い国については、カナダは豊富な水資源を利用して水力発電によって主に電気を賄っています。また、アメリカやイギリスでは火力発電を主軸としているものの、自国のエネルギー資源を用いて電気料金を安く抑えることができています。

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日本で毎月の電気料金を安くするには?

主要10か国の中では日本は産業用では2番目に電気代が高く、家庭用では中位に位置していることが分かりました。国レベルで比較してしまうと電気料金が安いとは言えない日本ですが、電力会社を切り替えることで毎月の電気料金を今より安くすることは可能です。

2000年代からすでに電力会社を選べるようになっていたヨーロッパ諸国に続いて日本でも電力自由化がすでに始まっています。以前は地域によって電力会社が決められていた電力市場に新電力が参入することで価格競争が促進され、様々な電気料金プランが登場するようになっています。

電気代が世界一高い国:まとめ

世界の電気料金についてポイントをQ&A形式でまとめました。

Q1:世界で最も電気料金が高いのはどこ? A1:主要国で比較すると、デンマークやドイツが最も電気料金の高いグループに入ります。さらに世界全体で見るとソロモン諸島では1kWhあたりの電気料金が約70円ほどと日本の約2.5倍ほどになる国もあります。

Q2:国によって電気代が高くなるのはなぜ? A2:採用している発電方法や自国のエネルギー資源量によって電気代に差が生じます。例えば、電気代の高さが世界有数のデンマークやドイツでは再生可能エネルギーを積極的に用いており、国の買取制度が設けられているため電気代が高く設定されています。また、環境に配慮して環境税を導入していることも電気代が高くなる理由の1つです。エネルギー資源が乏しく、化石燃料を輸入して発電しているソロモン諸島では燃料の高騰が電気代の上昇に直結してしまいます。

Q3:電気代が安い国はどんな工夫をしている? A3:化石燃料に頼らない発電方法を利用したり、自国の利点を活かした発電を行っています。例えば水資源が豊富なカナダでは水力発電の割合を増やして電気料金を安くすることに成功しています。

Q4:日本での電気代節約のポイントは? A4:電力会社を賢く選ぶことです。電気をたくさん使う方向けの電気料金プラン、電気をあまり使わない方でもお得になる電気料金プランなどがあります。