超薄型スマホブームの終焉 |「あんなに話題だったのに…」iPhone Airが生産終了?Galaxy Edgeが消えた本当の理由

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超薄型スマホブームの終焉 |「あんなに話題だったのに…」iPhone Airが減産、Galaxy Edgeが消えた本当の理由

iPhone Airが中国で遂に発売、即完売も販売予想を下回る結果に

iPhone 17の発売が大成功を収めた中国市場。同時に発売された超薄型iPhone Airも、当初の発売スケジュールでは中国もローンチ対象国に含まれていました。しかし、iPhone AirのeSIMのみ対応という仕様と中国国内でのeSIM規制の関係で、正式な販売開始は大幅に遅れていました。 

そしてついに2025年10月17日、中国でのiPhone Air予約が始まり、開始直後に多くの実店舗で在庫が不足したとの報道が相次ぎました。 オンラインでも11月以降の発送が相次ぎ、品薄状態になっています。 

そのような盛り上がりにもかかわらず、みずほ証券によると、AppleはiPhone Airの生産を100万台削減する可能性があると報じています。 

また、Nikkei Asiaによると、AppleはiPhone Airを「生産終了」レベルまで生産受注を引き下げるとも言われています。

つまり、iPhone Airの初動売れ行きは中国で一定のインパクトを見せたものの、「長期的な需要期待」には疑問符が付いた、という状況と言えるでしょう。

同じく初動で爆発的な売れ行きを見せたiPhone 17シリーズは、生産見通しを引き上げ(従来8,800万台 → 9,400万台)て増産する噂もある中、何がこの差を産んでしまったのでしょう。

関連記事:iPhone AirとiPhone 17Proの違いは何?iPhone Airのスペック・サイズ・価格を総まとめ

iPhone Airの不振などを受けSamsungはGalaxy Edgeシリーズを中止

この超薄型スマホ戦略で苦戦しているのはiPhoneだけではありません。

Samsungもまた、Galaxy S25 Edge(極薄設計モデル)で市場からの反応が芳しくなかったため、続くS26 Edge の計画を断念した、あるいは撤退を決めたという報道が出ています。

S25 Edge の販売台数は2025年8月時点で約1.31百万台とされ、同世代の通常モデル(S25、S25 Plus、S25 Ultra)と比べて著しく低調な数字です。 そのため、Samsungは次期モデルをスリム志向で展開するよりも、従来型のラインナップに軸足を戻す方針へとシフトしているようです。

この流れは、スマホ市場における「極薄化トレンド」の限界を示す一つのシグナルと見ることもできます。

スタイリッシュで先端的なデザインの超薄型スマホ。なぜ市場にウケなかったのか、分析していきます。

iPhone Airに見る「超薄型スマホ」がウケない本当の理由

超薄型スマホを叶える上で、ある種の「技術トレードオフ」は避けられません
つまり、薄くてスタイリッシュなデザインを再現するために、一部の機能性を必要最低限まで落とす必要があります。しかし、そこへは相当の開発費が掛かるため、いわゆる廉価版モデルとしての発売もできないのが現状です。

iPhone Airの事例をもとに、詳しく説明していきます。

バッテリー持ちが下位モデルのiPhone 17以下

価格ラインアップとして、iPhone AirはiPhone 17の上位モデル(iPhone 16シリーズのiPhone 16 Plusの代替モデル)という位置づけで販売されました。

ところが、バッテリー持ちはiPhone 17以下となっています。薄くし過ぎた結果、下位モデルよりもバッテリー持ちが悪い設計となっています。

iPhone 17/ Air/ 17 proビデオ再生時間比較
iPhone 17
(定価:129,800円)
iPhone Air
(定価:159,800円)
iPhone 17 Pro
(定価:定価:179,800円)
最大30時間最大27時間最大33時間

AppleはiPhone Airを外付けのバッテリー「Magsafe」と一緒に利用することを勧めていますが、スマートに持ち歩けるはずの超薄型スマホの意義が感じづらく、不評のようです。

カメラがメインカメラしかない

iPhone Airの最も残念なポイントとして、カメラがメインカメラしかないという点が挙げられます。今回の17シリーズで注目された48MPでの超広角レンズや望遠レンズは、iPhone Airには設置されていません。

iPhoneユーザーが最も重視すると言われているカメラより、薄さを優先したということになります。

iPhone 16eなどの廉価版モデルではなく、上位モデルとしてのカメラのグレードダウンは残念ながら、凶と出たといえるでしょう。

価格構造が中途半端で比較しづらい 

日本市場においtiPhone Airは159,800円という価格設定で、iPhone 17(標準モデル)の129,800円より3万円高く、 iPhone 17 Proの179,800円より2万円安くなっています。

「スペックが低いのに薄いだけでiPhone 17より3万円も高いの?」「少し足すだけでProが買えるのでは…」 という市場の疑問に答えられない、薄さの価値の見えづらさが課題です。

誰も本気で「極薄」を求めていない  

スマホ選びで重視される要素(バッテリー寿命、カメラ性能、信頼性など)がデザインを上回る傾向が、近年顕著になっているという指摘もあります。Samsungの極薄機が同様に苦戦したことが、この潮流の転換を示す事例ともされています。

2025年8月にゲオホールディングスが実施した調査によると、「価格(68.4%)」に次いで「機能性(51.6%)」、「メーカーの信頼性・安全性(37.6%)」、「デザイン・サイズ感(37.3%)」という結果となっています。つまり、薄さよりも機能性や価格がまずは重視される傾向にあるといえるでしょう。

これらを総合すると、iPhone Airはデザインや話題性という点では魅力的ですが、日常使いにおける機能性や、購入を決定する価格において、ユーザーの期待値を超えられなかったのかもしれません。

iPhone Airは折りたたみiPhone開発への布石にしか過ぎない・・・?

ここまで述べてきたように、iPhone Air の販売状況とGalaxyのEdgeの生産中止は、「超薄型スマホの失敗」を表しているようにも思います。

しかし、2025年9月にBloombergのマーク・ガーマン記者によって報じられた内容によると、2026年発売予定の折り畳みiPhoneはiPhone Airを2つ重ねたようなデザインになると言われています。

長年カメラやバッテリーを追求してきたアップルが、今回あえて、薄さというデザインをとことん重視したiPhone Airをリリースしたのは、折り畳みiPhoneへの布石にすぎないのかもしれません。

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