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さいたまスーパーアリーナがGMOアリーナさいたまに?コロコロ変わって覚えられない?アリーナやホールの「ネーミングライツ(命名権)」を考える~歴代名称まとめ

作成日
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さいたまスーパーアリーナがGMOアリーナさいたまに?コロコロ変わって覚えられない?アリーナやホールの「ネーミングライツ(命名権)」を考える~歴代名称まとめ

3月30日に、さいたまスーパーアリーナの名称が「GMOアリーナさいたま」となることが発表されました。2032年3月31日までの6年契約で、1年目が5,000万円、2027年度以降は年額5億5,000万円となる模様です。

近年、全国のアリーナ、ホール、ドーム、スタジアムで急増している「ネーミングライツ(施設命名権)」。数年ごとのコンペでスポンサー企業が変わり、その度に名称がコロコロ変わるこのシステムに、一人の利用者として「物申したい」と思っている人はいませんか?

こんな会話、皆さんも一度は経験がないでしょうか。「ヤフードーム」だと思っていたら「PayPayドーム」になり、やっと慣れたと思ったら今は「みずほPayPayドーム福岡」とさらに長くなっていることも。

今回は、このネーミングライツのメリットとデメリットを徹底解剖し、これまで企業名に翻弄されてきた(?)全国の主要なドーム・アリーナ・ホールの歴代名称を大調査してみました。雑談の種にぜひご活用ください。

2026年から「GMOアリーナさいたま」を冠する我らが「たまアリ」|ネーミングライツとは?なぜ名前を売るのか

ネーミングライツとは、自治体などが所有する公共施設の「名前を付ける権利」を企業に販売し、その対価として資金を得る仕組みです。1990年代後半からアメリカのスポーツ施設を中心に広まり、日本では2003年の「東京スタジアム(現:味の素スタジアム)」が先駆けと言われています。

まずは、なぜこんなにも名前が変わるのか、メリットとデメリットを見ていきましょう。

導入メリット

  • 自治体・施設のメリット
    最大の理由はお金でしょう。老朽化した施設の維持・管理や改修には莫大な費用がかかります。命名権を売ることで、数千万円〜数億円の安定した財源を確保でき、私たちの税金負担を減らすことができます。
  • 企業のメリット
    一番のメリットは、その絶大な宣伝効果です。ニュースや新聞、テレビの中継で「〇〇アリーナで試合が行われます」、「ライブ会場はXXXスタジアム」と連呼されるため、企業名や商品名が自然と世間に浸透していくことが期待できます。

企業は単なる愛称付与のその先についても言及

GMOインターネットグループは、「......本ネーミングライツを単なる愛称付与にとどめず、No.1テクノロジーとホスピタリティを融合させ、『アリーナの進化』と『地域社会への貢献』を実現する取り組みと位置づけています。」としています。やはり社名を公共施設に大々的に冠するネーミングライツ獲得には責任が伴うもの。地域社会貢献と、アリーナでの活動促進も目指しているようです。

導入デメリット

  • 利用者の混乱
    スポンサー契約は「3年〜5年」程度の有期契約が多く、コンペで企業が変わるたびに名前が変わります。カーナビやGoogleマップで検索しても古い名前だと出てこないことがあり、遠方からの来場者が道に迷う原因になります。
  • 地元への愛着が失われてしまう
    「県民会館」「公会堂」といった長年親しまれてきた歴史ある名前が消え、企業名が入り名前が変わることで、地域住民の愛着が薄れてしまう懸念があります。
  • ブランドの定着しなさ
    「渋谷公会堂」のように、元々の名前がかなり定着している場合、企業名が入ったとしても誰もその名前で呼んでくれない(結局「渋公」と呼ばれる)という、デメリットがあります。

【全国版】歴代ネーミングライツ施設リスト(ドーム・アリーナ・ホール編)

日本全国には公民館レベルまで含めると数千の命名権施設が存在します。ここでは「知らないうちに名前がコロコロ変わっている有名な施設」や、「特に知名度の高い主要施設」をカテゴリー別に厳選して紹介してみますね。

ドーム編(プロ野球本拠地は変更の嵐)

最もネーミングライツが活発なのがプロ野球の本拠地です。数年ごとに親会社やスポンサーが変わり、ファンの頭を悩ませています。

  • 福岡ドーム(福岡県)【名称変更コロコロ度MAX】
    福岡ドーム → 福岡Yahoo! JAPANドーム(2005〜)→ 福岡ヤフオク!ドーム(2013〜)→ 福岡PayPayドーム(2020〜)→ みずほPayPayドーム福岡(2024〜)
    ※「ヤフー」「ヤフオク」「PayPay」「みずほ」とITから金融まで変化の歴史そのものですよね。
  • 西武ドーム(埼玉県)
    西武ドーム → インボイスSEIBUドーム(2005〜)→ グッドウィルドーム(2007〜)→ 西武ドーム(2008〜)→ 西武プリンスドーム(2015〜)→ メットライフドーム(2017〜)→ ベルーナドーム(2022〜)
    ※一時期、企業の不祥事で契約解除になり元の名前に戻るなどのゴタゴタもありました。
  • 大阪ドーム(大阪府)
    大阪ドーム → 京セラドーム大阪(2006〜)
    ※長く同じ企業が継続しているため、すっかり定着した成功例です。
  • ナゴヤドーム(愛知県)
    ナゴヤドーム → バンテリンドーム ナゴヤ(2021〜)
  • 札幌ドーム(北海道)
    札幌ドーム → 大和ハウス プレミストドーム(2024〜)
    ※日ハム移転後にネーミングライツを募集し、ついに名称変更。

音楽ホール・公会堂編

コンサートでお馴染みの市民ホールや県民会館。「〇〇文化学園」「〇〇工業」などの企業名になり、「どんなジャンルの音楽をやる場所なの?」と戸惑う声も。

  • 岩手県民会館(岩手県)
    岩手県民会館 → トーサイクラシックホール岩手(2024〜)
    ※中古車販売等を行う「トーサイ」が命名権を取得。お堅い県民会館が一気にクラシックな響きになりました。
  • 渋谷公会堂(東京都)【絶対「渋公」と呼ばれる】
    渋谷公会堂 → 渋谷C.C.Lemonホール(2006〜)→ 渋谷公会堂(2011〜)→ LINE CUBE SHIBUYA(2019〜)
    ※建て替えを経てLINEの名を冠しましたが、アーティストもファンも未だに「渋公」と呼んでいます。私も渋公派です。
  • 京都会館(京都府)
    京都会館 →ロームシアター京都(2016〜)
  • 大阪厚生年金会館(大阪府)
    大阪厚生年金会館 → オリックス劇場(2012〜)
    ※これは定着してきた感がありますよね。
  • 広島厚生年金会館(広島県)
    広島厚生年金会館 → ALSOKホール(2009〜)→ 広島文化学園HBGホール(2012〜)
    ※「HBG」はHiroshima Bunka Gakuenの略のようです。
  • 名古屋市民会館(愛知県)
    名古屋市民会館 → 中京大学文化市民会館(2007〜)→ 日本特殊陶業市民会館(2012〜)→ Niterra(ニテラ)日本特殊陶業市民会館(2023〜)
  • 新潟市民芸術文化会館(新潟県)
    ここはネーミングライツではなく愛称公募で「りゅーとぴあ」に変更されました。(・・・なんとなく、企業のお金が絡んでいないと思うと、覚えづらくてもまあ良いかという気持ちになりますね。私だけでしょうか。)

アリーナ・体育館編(Bリーグ開幕で価値が高騰中)

スポーツ大会やアリーナツアーで使われる県立・府立体育館。Bリーグの盛り上がりにより、命名権の争奪戦が起きています。

  • 大阪府立体育会館(大阪府)
    大阪府立体育会館 → BODYMAKER COLOSSEUM(2012〜)→ エディオンアリーナ大阪(2015〜)
    ※大相撲春場所の舞台。NHKの中継では企業名を出せないため、意地でも「大阪府立体育会館」とアナウンスされます。
  • 愛知県体育館(愛知県)
    愛知県体育館 → ドルフィンズアリーナ(2018〜)→ ※2025年夏の新アリーナ移転後は「IGアリーナ」へ。
  • 宮城県総合運動公園総合体育館(宮城県)
    宮城県総合運動公園総合体育館 → グランディ・21 → セキスイハイムスーパーアリーナ(2007〜)
    ※ジャニーズや坂道グループのライブのメッカ。「セキスイハイム」と言えばここですね。
  • 真駒内屋内競技場(北海道)
    真駒内屋内競技場 → 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(2007〜)
    「真駒内」と言ったら大体ココなので間違うことは無いですが、宮城県総合運動公園総合体育館とセキスイハイムかぶりなので少し紛らわしいです。
  • 滋賀県立体育館(滋賀県)
    滋賀県立体育館 → ウカルちゃんアリーナ(2017〜2024)
    ※学習塾のキャラクター名がそのままアリーナ名になり、Bリーグファンの間で「ウカルちゃん」として大いに愛されました(現在は契約満了)。

番外編:スタジアム(サッカー・陸上)

  • 東京スタジアム(東京都) → 味の素スタジアム(2003〜)
    ※日本のネーミングライツのパイオニア。「味スタ」として完全に定着した大成功例だと思います。
  • 大分総合競技場(大分県)【名称変更コロコロ度MAX・スタジアム部門】
    大分総合競技場(ビッグアイ)→ 九州石油ドーム(2006〜)→ 大分銀行ドーム(2010〜)→ 昭和電工ドーム大分(2019〜)→ レゾナックドーム大分(2023〜)
  • 千葉マリンスタジアム(千葉県)→ZOZOマリンスタジアム(2016年~)
  • 武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都)→京王アリーナTOKYO(2025年~)
    ※記憶に新しい、ラップスタア2025の決勝戦もこちらのアリーナでした。新名称を知らず、そんなアリーナあったっけ?とググってしまいました。
  • 国立競技場(東京都)→MUFGスタジアム(2026年~)

まとめ:落としどころは「企業名+元の施設名」?

施設を長く維持していくために、スポンサー企業の資金が不可欠であることは間違いありません。税金を投入し続けることの限界を考えれば、ネーミングライツは現代の理にかなったシステムです。

しかし、利用者の「覚えられない」「迷子になる」というデメリットを放置するわけにはいきません。

一つの解決策として提案したいのが、「企業名+伝統的な施設名」を必ずセットにするルールの徹底です。「味の素スタジアム」のように完全に新しい名前として10年以上の長期スパンで定着させる覚悟が企業側にない限り、「〇〇(企業名)岩手県民会館」や「〇〇(企業名)福岡ドーム」のように、元の名前を残す形を基本にしてほしいものです。

そうすれば、コンペで数年ごとにスポンサーが変わっても、私たちは「あぁ、県民会館のことね」とすぐに理解できます。

企業が変わるたびに地図アプリの検索結果に翻弄される日々。皆さんの地元にある「あの施設」、今はなんという企業の名前に変わっていますか?