iPhone値上げはいつ?トランプ関税によるiPhone価格変動とベストな購入タイミングを予想(8月7日更新)

今秋発表の新型iPhone17の値上げはほぼ決定
2025年5月12日、Wall Street Journalの報告によると、米アップルが今秋発表の新型iPhoneの値上げを検討していることが分かりました。値上げの理由はスペックやデザインの向上と報じています。
2025年7月30日には、アメリカの大手投資銀行Jefferies(ジェフリーズ)のアナリスト、エジソン・リー氏の投資家向けメモが公開され、iPhone 17シリーズに50ドルほどの値上げが予想されています。
ここでは部品コストの上昇や中国関税の影響を相殺するための値上げとしています。やはりiPhoneの値上げで気になるのがトランプ関税の影響です。
「iPhoneの値上げはいつから開始されるの?」「トランプ関税でiPhoneはどれくらい値上げしちゃうの?」といった疑問に答えるべく、今回のiPhoneを巡る米国の相互関税の状況を整理してお伝えします。
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迷走するトランプ関税とiPhoneの値上げへの影響
アップルがiPhone米国内製造のために1,000億ドルの追加投資、トランプ大統領は半導体に「100%関税」を発表(2025年8月7日更新)
2025年8月6日、アップルのティム・クックCEOは、アップル製品の主要部品を米国内で製造するための設備を整えるため、1,000億ドル(約14兆7500億円)規模の追加投資計画を発表しました。
この発表はホワイトハウスの大統領執務室でトランプ大統領同席で行われました。
その後トランプ大統領は、米国に輸入される半導体に対して約100%の関税を課すことを表明。ただし、生産拠点を米国内に移す企業は対象から除外すると述べました。高い関税を回避する模範例としてアップルを挙げた形です。
トランプ大統領はアップルに対し、「iPhoneを米国内で製造しない場合は25%の関税を課す可能性がある」と圧力をかけていましたが、今の段階ではiPhoneへの追加課税(トランプ関税)が回避されたと言えます。
しかし、方針が二転三転してきたトランプ関税のため、まだ今後の行く先には注意が必要です。
関税は免れたものの、米国製造ならiPhoneの値上げは必至

このように、iPhoneはいわゆるトランプ関税は免れたものの、実際にiPhoneを米国製造した場合、労働コストの高さからiPhoneの値上げは不可避でしょう。
また、iPhoneの製造がすぐに移管されるわけもなく、当面は米国外での最終組み立てが行われ、部品の製造の移管も大半がこれからの投資です。
すぐに製造国が移らなくても、米国製造への投資で間接的にiPhoneのコストは増加します。
アップルは対中の追加関税を避けるために、米国で販売するiPhoneの製造を中国からインドへ移管していました。
しかし、トランプ大統領は2025年5月に「iPhoneを米国内で製造しない場合は25%の関税を課す可能性がある」と言及。さらに米国製造への圧力をかけました。
米国でのiPhone製造は未だに非現実的という見方が強く、今回の発表でアップルは米国投資の拡大をアピールし、iPhoneへの追加関税を回避してインドなどでの国外生産を続けたい狙いがある、という報道が複数あります。
2025年4月2日、トランプ大統領はすべての輸入品に対して一律10%、国別に最大46%の関税を課す「リベレーション・デー関税」通称「トランプ関税」を発表しました。この政策により、米国は貿易赤字を是正し、国内産業を保護することを目指しています。
特に中国に対しては、厳しい措置が取られており、米国は中国からの輸入品に対して最大で145%もの関税を課すと発表しました。
iPhoneの多くが中国製であることから、多くのiPhoneユーザーから「iPhone価格はどうなるのか?」と不安の声が上がっていました。そんな中、4月11日に「相互関税の対象からスマートフォンとコンピューターなどを除外する」とドランプ政権が表明しました。
ほっとしたのもつかの間、4月14日に今度はラトニック商務長官により「スマートフォンなどの電子機器について、相互関税とは別の関税を課す」との報告がされました。一時的な除外ではあるが、恒久的ではないということのようです。
今回のトランプ関税ですが、他国が30日間の関税延期となっている中、中国のみが異常に高い関税率で即時施行となりました。
2025年5月14日、アメリカと中国は、スイスで行われた貿易協議での合意を受けて、互いに課していた追加関税を115%引き下げました。引き下げた関税のうち、24%については撤廃ではなく90日間の停止となっていて、両国は今後協議を進めることになります。
(2025年7月29日追記)米中は2025年7月28日から29日、関税一時停止措置の延長に向け協議を再開しました。8月7日現在、まだ交渉が続いています。
2025年4月~7月のトランプ関税の動向を見る 隠す
現在流通しているiPhoneはほぼ中国製
BBCによると、現在流通しているiPhone10台中9台が中国で製造*されており、アップルCEOのティム・クックも「アップルにとって中国以上に重要なサプライチェーンはない」と明言しています。
昨今、インドやべトナムにも工場を持ち、中国への製造依存を緩和しつつあるアップルですが、完全に中国からの撤退は難しいことが予想されます。
また、今回の半導体への100%関税はスマホも対象に含まれる可能性が高く、たとえインドやベトナムに製造を移管しても、結局は関税措置を取られて製造コストは上がります。トランプ政権が「米国製造」にこだわる限り、アップルが関税措置から逃れることは難しいでしょう。
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【予想その①】中国製造の継続、米国製造でiPhoneはどれくらい値上げされるのか
定価 (※2025年8月7日時点アップル公式価格) | 【予想】 中国生産価格(43%増) | 【予想】 米国生産価格(3倍増) | |
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iPhone 16e | 99,800円 | 142,714円 | 299,400円 |
iPhone 16 128GB | 124,800円 | 178,464円 | 374,400円 |
※米ローゼンブラット証券や米ウェドブッシュ証券の試算などを元にセレクトラ作成
まず、iPhoneが中国で引き続き生産された場合の値上げ予想です。
ロイターの報告によると、米ローゼンブラット証券のアナリストチームが試算したところ、最新機種のiPhone 16は米国での最低価格は799ドルですが、アップルがコストを消費者にカバーさせる場合、43%上がって最高で1142ドルほどになるとの予想となっています*。
では、トランプ大統領が謳うように、国内雇用を活発化させるべく米国に生産拠点を移した場合のiPhone値上げ予想も見てみましょう。
米ウェドブッシュ証券のテクノロジー部門グローバル統括のダン・アイブス氏はCNNに対し、米国製iPhoneは、現在の価格である約1,000ドルの3倍超になる可能性があるとコメント*しました。現在、アジアで稼働している複雑なエコシステムを移管するということは、かなりのコストが掛かってくるということです。
同じく、カウンターポイントリサーチのネイルシャー氏は「iPhoneの30%以上の値上げが予想されるが、生産拠点国によるだろう」とコメントしています。
これらの見解を踏まえてセレクトラでは現在価格をベースにiPhone 16eと16 128GBにて価格検証を行いました。
iPhoneの廉価版モデルと言われるiPhone 16eが米国に生産拠点を移管すると、なんと30万円近くに価格が跳ね上がってしまいます。年々値上がりするiPhoneですが、これだとハイエンドモデルの中でもかなり高額な部類に入ってきてしまい、廉価版としての価値訴求が難しくなりそうです。
これらを踏まえると、iPhoneの生産拠点を米国に移すことはやはり非現実的といった印象です。
関連記事:【2025年8月最新】必見!iPhoneを最も安く買うおすすめの6つの方法
*引用記事一覧
【予想その②】iPhone値上げはいつ頃?ベストな購入タイミングは今この瞬間
8月6日にアップルがiPhoneの米国内製造に本格的に舵を切ることを発表した結果、トランプ関税は免れたと言えます。
しかし、次に浮上するのが避けられない製造コストの上昇です。
米国でiPhoneを製造する場合の人件費の増加は、アップルが吸収できるとは考え難く、製品価格に反映されるでしょう。
非現実的なコストが予想される米国内製造を避けるために、アップルがどのような戦略を出してくるのかに期待したいところです。
当面の追加関税はなくとも、2025年9月の新型iPhoneで値上げが行われる可能性は高いです。
新型iPhone 17の値上げが予想される一方、例年よりは型落ちとなる既存モデルの値段が下がらない可能性もあります。
すでにiPhoneの駆け込み需要は高まっており、値上げ前の在庫のある今この瞬間の購入が確実と言えるでしょう。
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iPhoneを購入するなら今!アンドロイドやGoogle Pixelへの乗り換えもあり
iPhoneを購入するタイミングについては、スマホ等への別関税が発動する前がベストでしょう。
一方で、iPhone値上がり後についてはアンドロイドスマホやGoogle Pixelなどへの乗り換えもおすすめです。
最近では、カメラ性能の高いアンドロイドスマホも多くあり、ハイエンドスマホはiPhoneと引けを取らない高性能モデルも多く発表されています。
2025年6月のセレクトラの独自調査では、4割超のiPhoneユーザーが「iPhoneが値上げならAndroidへの乗り換えを検討する」と回答しました。

とはいえ、iPhoneユーザーがアンドロイドスマホに乗り換えるのには、ハードルを感じる方も少なくないでしょう。そういった方は中古iPhoneの購入を検討してみるのもありかもしれません。
iPhoneがスマホシェア1位の日本において、今後のトランプ政権の動きは要注意となりそうです。