徹底解説:スマホ災害対策「地震や津波に備えて!」 | 災害時にスマホでできることと絶対に持っておきたい防災お役立ちアプリ5選

2025年7月30日、ロシア・カムチャッカ半島にてマグニチュード8.7の大型地震が発生し、北海道から和歌山にかけて広範囲に津波警報が発令されました。
夏休みシーズンに入り、海水浴や旅行を計画している方も多いかと思いますが、この時期は台風や大雨などもあり、自然災害の多い季節でもあります。
しっかりと災害対策をして、安全な夏を迎えることが重要です。
この記事では、そんな突然の災害に備えて「スマホでできること」や「事前に入れておきたい防災アプリ5選」を紹介します。
「まずは家族や友人と連絡を取りたい」
そもそも災害時にスマホは使えるのか?
災害が発生すると、通話やインターネットが一時的に繋がりにくくなることがあります。特に地震直後は多くの人が一斉に通信を行うため、回線が混雑し「電話が繋がらない」という事態も少なくありません。
総務省によると、東日本大震災では普段の約50倍~60倍の通話が集中した携帯事業者もあったそうです。
連絡手段は複数もっておこう
電話以外のコミュニケーションツールを普段から利用しておきましょう。
SNSやインターネット経由のメッセージアプリ(LINE、Messengerなど)は、通話回線よりも繋がりやすい傾向があります。
「インスタグラムなどSNSはちょっと苦手・・・」という方も、災害連絡時のお守りとして、アカウントだけでも作っておくことをおすすめします。
また、携帯各社が提供する災害用伝言サービスも利用することができます。
サービス名 | サービス概要 | 利用方法(登録・確認) | 登録件数・保存期間 | 利用可能な端末 | 利用料 |
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災害用伝言ダイヤル(171) | 電話回線を利用して音声メッセージを録音・再生できるサービス。被災地の固定電話番号宛に伝言を残すことができ、通話が混雑していても録音・確認が可能。 | 電話で「171」にダイヤル → 録音は「1」→ 市外局番付き電話番号を入力して伝言録音。確認は「2」→ 市外局番付き電話番号を入力して再生。 | 1伝言30秒以内、1番号あたり1〜10件。保存期間は48時間(体験利用時は6時間)。 | 加入電話、公衆電話、ISDN、携帯電話、PHS、IP電話(050番号除く)。 | 通話料のみ(公衆電話からは無料の場合もあり)。 |
災害用伝言板(携帯電話・PHS) | 携帯電話やPHSから文字による安否情報を登録・確認できるサービス。各携帯キャリアが提供し、災害時は自動的にポータルサイトで案内される。 | 被災地域内から携帯/PHSでアクセス → 「登録」を選択 → 状態選択・コメント入力(最大100文字)→ 登録完了。確認は番号入力でOK。 | 最大10件まで登録(古い伝言は上書き)。保存期間はサービス提供期間中(災害終了まで)。 | 携帯電話・PHS(被災地域内からのアクセスが必要)。 | 無料(パケット通信料を除く)。 |
災害用伝言板(web171) | インターネット経由で固定電話番号や携帯番号をキーにして文字伝言を登録・確認できるサービス。全国どこからでも利用可能で事前設定で通知機能も。 | web171(https://www.web171.jp)にアクセス → 電話番号入力 → 状態やメッセージを登録(または確認)。 | 最大20件まで登録可能。保存期間は伝言板提供期間中(最大6ヶ月程度)。 | スマートフォン、PC、タブレットなどインターネット接続端末。 | 無料(通信料は自己負担)。 |
もしもの時の「デュアルSIM」のススメ
最近のスマホでは、2つの通信回線を同時に使える「デュアルSIM対応機種」が増えています。
普段は1回線でも十分ですが、災害時には1つのキャリアが使えなくなった場合でも、他社の回線が生きていることがあります。
回線違いで複数SIMを持っておくことで、「auが繋がりにくいから、予備で入れていたソフトバンク回線を試してみよう」というような対応が可能です。
特にpovo、楽天モバイル、LINEMOといった、通信品質の高い格安プランをサブ回線として入れておくと、いざという時の通信手段を確保しやすくなります。
関連記事:【2022年最新版】デュアルsim最強の組み合わせはこれ!もう悩まないおすすめ4選
衛星通信サービスにも期待。KDDIで提供中
2024年からKDDIが提供を開始した衛星通信サービス「au Starlink Direct」にも注目です。
現在、UQモバイル、au、povoにてサービスの利用が可能になっています。
「空が見えれば繋がる」と謳っている通り、従来の基地局に依存しない通信手段として、災害時でも安定した連絡が可能になると期待されています。
山間部などのKDDI回線がない野外エリアに入ると、「au Starlink Direct」を利用できるようになる仕組みとなっています。
つまり、仮に災害時にKDDI回線がダウンしてしまっても、空が見える野外に出れば「au Starlink Direct」の衛星通信サービスに繋がり、スマホでの連絡が可能です。
対応機種が限られていたり、インターネット検索などはまだできませんが、災害時の安否確認としては十分期待できるサービスとなっています。
関連記事:UQモバイル・povoでも使える!「au Starlink Direct」徹底解説 | 対応端末やできること・注意点まとめ
災害時にスマホでできること
では、災害時にどのような場面でスマホが活躍するのが、以下にまとめてみました。
安否確認(SNS・メッセージアプリ・災害用伝言板)
何といっても安否確認、連絡ツールとしての活用が一番重要となってきます。
LINEのようなメッセージアプリや災害用伝言版の利用はもちろんですが、利用者の多いXやインスタグラム、Facebook、TikTokなどといったSNSアカウントを持っておくことも重要です。
位置情報と一緒に「無事です」や「助けてください」などと投稿することで、多くの人に拡散されるので非常に便利です。
ただし、災害時は情報が錯綜しやすいので、不用意な投稿はなるべく控えましょう。
避難所や危険エリアの確認(Googleマップ・自治体の防災マップ)
地震や津波、台風などの災害時には、現在地付近の避難所や危険エリアを把握することが非常に重要です。
Googleマップを使えば、避難所の位置や通行止めになっている道路情報をリアルタイムで確認できます。また、事前に自治体が公開しているハザードマップ(防災マップ)アプリをインストールしておけば、土地の特性やリスクを把握しやすくなります。
通信環境が不安定な場合も考え、オフラインマップを事前にダウンロードしておくのがベストです。
リアルタイムの災害情報収集(Yahoo!防災速報・NHKニュースアプリ)
災害時には正確で迅速な情報収集が命を守るカギとなります。Yahoo!防災速報アプリやNHKニュース・防災アプリは、地震・津波・大雨などの警報をリアルタイムで通知してくれるので非常に便利です。
また、Twitter(X)のハッシュタグ検索を使えば、現地の最新状況をいち早く知ることができることもあります。ただし、SNSでは誤情報も流れやすいため、必ず信頼できる公式情報と照らし合わせることが大切です。
スマホライト・ラジオとしての活用
停電時にはスマホのライト機能が懐中電灯の代わりとして活躍します。
また、ラジオアプリ(radikoやNHKネットラジオ)を使えば、電波状況が悪くてもインターネット経由で音声情報を受け取ることができます。
ラジオは電池不要で長時間聞けるため、災害時には非常に心強い情報源となります。
緊急時のバッテリー管理(低電力モード・モバイルバッテリー活用)
長時間の停電が発生すると、スマホのバッテリー管理が非常に重要になってきます。まずはスマホの「低電力モード」や「機内モード」を活用し、不要な通信やアプリ動作を制限することでバッテリーの消耗を抑えましょう。
さらに、モバイルバッテリーやソーラーチャージャーを常備しておくことで、いざという時も安心です。普段からフル充電された状態をキープしておくことがポイントです。
- 災害時に便利な充電器一覧
- モバイルバッテリー(大容量):10,000mAh〜30,000mAhでスマホを3〜5回充電可能。普段使いにも最適。
- ソーラーパネル付きモバイルバッテリー:電源がない場所でも太陽光で充電可能。アウトドア・非常時に便利。
- 手回し式充電器:電源が一切なくても手動で発電できる。ラジオやライト機能付きもあり。
- 乾電池式充電器:単3電池などでスマホに充電できる。電池のストックを備えておけば安心。
- 車載用USB充電器:車のシガーソケットから充電可能。車中泊や移動中の非常電源として便利。
- ポータブル電源(大容量蓄電池):スマホだけでなく家電製品も使える大容量電源。停電時の強力な味方。
災害時に絶対入れておきたい!防災お役立ちアプリ5選
いざという時に備えて、スマホには災害情報や避難支援に役立つアプリを事前にインストールしておくことが重要です。ここでは災害時に本当に使える防災アプリ5選を厳選してご紹介します。
- Yahoo!防災速報
地震・津波・台風などあらゆる災害情報をリアルタイムで受信可能。地域ごとの細かい設定ができるため、自宅や職場、家族のいる地域の情報も一括で確認できます。プッシュ通知機能で緊急時もすぐに気付けます。 - NHKニュース・防災
信頼性の高いNHKが発信する災害速報やニュースをスマホで即確認。ライフラインの復旧状況や政府発表の公式情報もいち早くチェックできます。 - 特務機関NERV防災アプリ
視覚的に分かりやすいアラート画面が特徴の防災アプリ。地震や津波警報を直感的に把握できるインターフェースで、エヴァンゲリオン風デザインも話題です。音声読み上げ機能も搭載。 - Googleマップ(オフラインマップ活用)
避難所や通行止め道路の確認にはGoogleマップが必須。事前にオフラインマップをダウンロードしておくことで、圏外時でも現在地やルート案内が利用可能です。 - 防災ポータルアプリ(災害用キット)
各自治体が提供する避難所情報や災害マニュアルがまとめられたアプリ。緊急連絡先の登録機能や、安否確認メッセージのテンプレート機能など、実際の災害時にすぐ役立つ機能が充実しています。
これらのアプリは無料でダウンロードできるものがほとんどなので、日頃からスマホにインストールし、最新の状態にアップデートしておきましょう。
スマホの災害対策は万全に夏を迎えたい
地震や津波、台風といった自然災害は、いつどこで発生するか予測が難しいものです。しかし、スマホがあれば安否確認や避難経路の確認、最新情報の取得など、安全を守るための行動が可能になります。
ただし、災害時の混乱の中、「スマホが繋がらない」「必要なアプリが入っていない」という状態では、そんな重要なツールであるスマホも役に立たないかもしれません。
これからの季節、大雨や台風など災害が多い時期になります。
是非、この記事を読んだ今から防災対策を見直して、もしもの時に頼れるスマホを用意しましょう。
この記事を書きながら、改めて普段何気なく使っているスマホの可能性を再確認することができました。と同時に、筆者自身は全く災害対策できていなかったと反省しました‥・。ソーラーパネル付きモバイルバッテリーは価格も手頃なので、とりあえずひとつ買って持ち歩くところから始めたいと思います!