災害時におけるネット通信確保の方法|停電時もWiFiは使えるの?
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2026年3月11日で、東日本大震災から丸15年が経ちました。今も被災地の復興はまだ道の途中、それに加えて日本各地で地震や台風、豪雨といった自然災害が頻発しています。
「災害が発生したとき、スマホの電波が繋がらなかったらどうすればいいの」、「家族や友人と連絡を取りたいけれど、通信障害が起きていたらどうしよう」、こうした不安を感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、災害時に役立つさまざまな通信手段と、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら詳しく解説します。いざという時の備えにお役立てください。
①緊急解放される公衆Wi-Fi「00000JAPAN」を利用する
災害時には、携帯電話の基地局が被災してモバイル通信が不安定になることがあります。そうした非常時に活用できるのが災害用統一SSID「00000JAPAN(ファイブゼロ・ジャパン)」です。
この公衆Wi-Fiサービスは、被災地での通信手段を確保することを目的として、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなどの主要通信キャリアが災害時に無料解放します。
利用可能な場所は、普段から公衆Wi-Fiのあるアクセスポイントや、避難所などに臨時設置されるアクセスポイントなどです。
メリット
00000JAPAN(ファイブゼロ・ジャパン)のメリットは3つあります。
誰でも無料で使える
00000JAPANは、大手キャリアや格安SIMなどに関係なく、誰でも無料で利用できる点が最大のメリットです。スマホの4G/5G通信がつながらなくても、00000JAPANならネット接続ができます。
使い方が簡単
00000JAPANの使い方はとても簡単。スマホのWi-Fi設定画面のネットワーク一覧から「00000JAPAN」を選んで接続するだけです。パスワード不要で誰でも接続できます。
スマホのデータを消費しない
いざという時にスマホのギガが足りなくても、公衆Wi-Fiの00000JAPANにつなげばデータ通信量を消費しないで済みます。
デメリット
いっぽうで次のようなデメリットもあります。
通信の安全性に注意が必要
誰でもパスワードなしで接続できる公衆Wi-Fiなので、悪意のあるアクセスや情報漏洩のリスクも考えられます。重要な個人情報の送受信は避けるようにしましょう。
提供エリアが限定的
00000JAPANは、全ての避難所や被災地域に設置されるとは限りません。特に地方や山間部では提供されない可能性もあります。
通信速度が遅くなることもある
多くの人が同時に利用することで回線が混雑し、通信速度が遅くなったり途切れたりすることもあります。
00000JAPANはあくまで緊急時の通信手段。安否確認や情報収集など、重要度の高い利用にとどめることによって、より多くの人が使えるように心がけるのが大事といえます。
停電時は基本使えない
00000JAPANは停電時には使えません。停電が起きると、Wi-Fiの機械(アクセスポイントやルーター)にも電気が届かなくなるため、基本的にはWi-Fiは使えなくなります。
ただし、市役所や公民館といった施設によっては、UPS(無停電電源装置)という停電時でも一時的に電気を供給できる機器を設置している場合がありますので、そういった場所ではインターネットが利用できる可能性があります。
②衛星インターネットを使用する(Starlink、Skylo など
「衛星インターネット」は、文字通り宇宙空間の衛星を利用して通信を行うサービスです。その特性上、地上の通信インフラが損傷しても影響を受けません。
また、地上設備の有無に左右されないため、離島や山間部、断線地帯でもネット接続が可能という特徴があります。
近年では「Starlink(スターリンク)」や「Skylo(スカイロ)」などのサービスが一般利用者にも提供され始めており、特に災害時のバックアップ通信として大きな期待が寄せられています。
Starlink(スターリンク)とは?
スターリンク(Starlink)は、SpaceX社が提供する衛星インターネットサービスです。地上約550kmの低軌道に数千機もの小型衛星を配置し、地上の専用アンテナと通信することで、高速かつ低遅延のインターネット接続を実現します。
Skylo(スカイロ)とは?
Skylo(スカイロ)は、人工衛星を活用した非地上系ネットワーク(NTN)プロバイダーです。特徴的なのは、自社で衛星を保有せず、既存の衛星の帯域を借りてサービスを提供している点です。これにより、新たな衛星打ち上げコストを抑え、比較的低価格での衛星通信を実現しています。
メリット
衛星インターネットのメリットは3つあります。
インフラ損壊の影響を受けにくい
衛星インターネットの最大のメリットは、災害による地上の通信インフラの物理的損傷に強いことです。
地上回線が寸断されても、衛星からの電波を受信することでインターネットに接続できるため、災害時のバックアップ通信手段として非常に有効です。
インフラ損壊時に衛星インターネットが使用された事例
2024年の能登半島地震では、被災地にStarlink端末400台が緊急配備され、避難所におけるインターネット通信が確保されました。このおかげで被災者は、外部との連絡を取り合ったり必要な情報を収集したりすることが可能になり、復旧活動にも大きく貢献しました。
また、ウクライナ紛争においても、地上インフラが破壊された状況下でStarlinkが重要な通信手段として機能し、その有用性が世界的に認識されました。
山間部や離島でも利用可能
衛星インターネットは地理的な制約がないため、従来のインターネット回線が届きにくい場所でも高速な通信が期待できます。
山間部や離島など、インターネット通信設備の導入が難しかった地域でも、衛星インターネットを使用することで安定した高速通信が行えるようになります。
災害対策として導入する自治体が増加中
近年、地震や台風など災害時の通信遮断に備えて、避難所や防災拠点に衛星インターネットを導入する自治体が全国で増えつつあります。
衛星インターネットの導入により、災害時の行政と住民との連絡や、支援物資の調整、SNSやメールによる情報発信などが円滑に行えるようになり、「情報の孤立」を防ぐことが可能になります。今後はより多くの自治体での導入が期待されています。
たとえば、徳島県は2024年3月にStarlink端末を3セット導入し、大規模な通信障害時でも安定したインターネット接続を確保できる体制を整えました。(参考記事:毎日新聞)
デメリット
非常時に心強い衛星インターネットですが、デメリットもあります。
導入コストが高い
衛星インターネットの導入には端末や専用アンテナが必要になり、導入コストに40万円以上かかる場合があります。また、月額利用料もサポート費用と合わせて月々5万円を超える場合が少なくありません。(参考記事:KDDIビジネス「Starlink Business」)
天候の影響を受ける可能性
衛星インターネットは、悪天候時には通信速度が低下したり、一時的に接続が不安定になったりする可能性があります。雨や雪、雷などの影響を受けやすいという点は、地上回線とは異なる注意点です。
設置・運用できる事業者が少ない
衛星インターネットはまだまだ一般的とはいえない通信サービスなので、設置や運用ができる業者は限られています。そのため、一般家庭に導入するにはハードルが高いといえます。
③ローカル5Gを導入する
「ローカル5G」とは、特定の地域や施設に限定して展開される5Gネットワークのことです。自治体や企業が主体となって運用するサービスとなります。
従来のキャリアが提供する広域な5Gとは異なり、ローカル5Gは地域限定で柔軟なネットワーク構築が可能なため、災害時の通信手段としても注目されています。
近年では総務省の支援もあり、全国の市区町村でローカル5Gの導入事例が増えています。防災拠点や病院、学校などに導入することで、災害時の通信基盤の強化につながります。
メリット
ローカル5Gのメリットを見ていきましょう。
安定した高速通信が可能
ローカル5Gは、安定した高速大容量通信を可能にします。特定のエリアに限定して最適化されたネットワークを構築できるため、混雑の影響を受けにくく、安定した通信が期待できます。
キャリアの通信障害に左右されにくい
ローカル5Gは自営ネットワークなので、キャリアの通信障害に左右されにくく、災害時にも独立した通信手段として機能します。
災害時には大手キャリアのネットワークに通信障害が発生する可能性がありますが、ローカル5Gがあればその影響を受けずに済みます。
地域に特化した柔軟な運用ができる
ローカル5Gは、地域のニーズに合わせてカスタマイズできる柔軟性も魅力です。
たとえば、避難所に特化したネットワークを構築したり、ドローンによる被害状況把握のために高速通信を確保したりするなど、様々な用途に応用できます。
デメリット
ローカル5Gには次のようなデメリットがあります。
導入には高額なコストが必要
ローカル5Gの大きなデメリットは、導入コストが高額になることです。基地局や関連設備の設置、運用・保守などには、専門的な知識と費用が必要です。
そのため、現状では大規模な企業や自治体など、予算に余裕のある組織での導入が中心となっています。
一般家庭では利用が難しい
ローカル5Gは主に自治体や法人向けのサービスであり、一般個人が導入・利用することは現時点では現実的ではありません。
そもそもローカル5Gの運用・保守を行うには、専門部署の設置や人材育成が不可欠です。さらに電波干渉の問題や、他の通信手段との連携など技術的な検討事項も多く、導入には時間と労力がかかる点も、今後の課題となっています。
まとめ
今回は、災害時におけるネット通信確保の方法について、いくつかの有効な手段をご紹介しました。特に、緊急時に誰でも無料で利用できる「00000JAPAN」は、手軽に利用できる通信手段として覚えておきたいものです。
災害はいつ起こるか予測できないからこそ、今から準備しておいて、いざというときに家族や大切な人との連絡手段を確保しましょう。

