SpaceX社スターリンクの現在|技術開発が進むも、宇宙ゴミ増加に加担?

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SpaceX社スターリンクの現在|技術開発が進むも、宇宙ゴミの深刻化に加担?

SpaceX社が開発中の衛星インターネット、スターリンク。宇宙に打ち上げられた衛星を起点にインターネットに接続できるため、文字通り「世界中どこでも」ネットに繋がるというのがウリです。

日本では光通信のシェアが圧倒的に高く、あまり身近なインターネットではありませんが、2002年に新時代のインターネット接続サービスとして登場して以来、継続的に投資と開発が続けられています。

そんな中、通信用の衛星って、壊れたり古くなったりしたらどうなるの?こんなことを疑問に思う人は居ませんでしょうか?

結論、地球の大気圏に突入させて燃え尽きるか、宇宙で衛星軌道を離脱してサヨナラになるようです。

しかし、離脱した衛星はそのまま宇宙空間を漂うことになるとしたら、このまま宇宙ゴミが増え続けるのでは......?大気圏に突入してそのまま人にぶつかるのでは?新たな疑問や課題があるのも事実です。

世界中どこでもネットにつながるスターリンク

スターリンクは、イーロン・マスクが設立したアメリカの企業で、個人や企業向けに衛星インターネットを提供しています。家でも、車でも、船の上でも——文字通り、世界中どこにいてもインターネットに接続できるのが特徴です。

しかも、スターリンクは料金が結構お手頃です。1番安い個人利用のLITEプランで4,600/月。光回線の平均月額料金が5,287円なので、意外とお手頃な料金設定ではないでしょうか。

参考:本当に安い光回線ベスト10!24社を徹底比較したランキングで紹介

ネット回線や光回線というと、ケーブルで接続するイメージがあるかもしれませんが、スターリンクはアンテナで受信するのが特徴。空に向かって板状のアンテナを広げることで電波を受信します。

光回線は開通工事が必要ですが、それをスキップできるのもポイントです。

スターリンクの受信アンテナ

最近、スターリンクはインターネット接続の大幅な改善を計画しており、再び注目を集めています。高品質な衛星インターネットを実現するためには、高速なデータ転送が欠かせません。特に、データを運ぶ速さそのものに加えて、反応の速さ(レイテンシ)もネット通信では非常に重要です。

スターリンクはすでにこの分野で大きなアドバンテージを持っています。というのも、スターリンクの衛星は地球からわずか550km上空を周回しており、従来の静止衛星(約36,000km)と比べてはるかに低い軌道にあります。そのため、400Mbps以上のダウンロード速度を実現。

この技術により、スターリンクは他のインターネットプロバイダーを圧倒するユーザー体験を提供しているのです。

また、アンテナも年々小型化し、今ではバッグに入るほどの小さいアンテナが登場しています。僻地でも都会でも関係なく安定したネット回線が提供できるのは大きなメリットです。

スターリンク衛星がスペースデブリを深刻化?

スターリンクを運営するスペースXは、ここで立ち止まるつもりはありません。創設者のイーロン・マスクはすでに「さらに上を目指す」との意向を示しています。

しかし、スターリンクの優れたレイテンシを支えているのは、低い軌道に配置された衛星です。また、スターリンクが全世界をカバーするには、さらに多くの衛星を打ち上げる必要があります。

現に、これまでに打ち上げられたスターリンク衛星は2025年2月に発表された情報によれば計7946機。問題なのは、役目を終えて取り除かれるスターリンク衛星です。

スターリンク衛星の健康状態
スターリンク公式サイト2025年2月24日付:"STARLINK SATELLITE DEMISABILITY"より引用。なお画像内の青文字訳語はセレクトラによる。

最近では、衛星をコントロールしながらうまく軌道から外していく推進軌道離脱も実施されているようです。しかし、仮にそんな努力もむなしく制御できなくなった衛星はスペースデブリになってしまいます。

宇宙ステーションや他の衛星との衝突で事故が起こる可能性も出てきます。

また、スターリンク衛星を大気圏に突入させて燃やしてしまう方法もあるようです。そうすることで航空機や人への影響を極限まで減らす努力がされているようですが、「地球の元素組成が変わってしまうのでは?」という懸念の声もあがっています。

すでに、スターリンクは地球を周回する衛星の半分以上を所有しており、今後さらに増やすとなると宇宙空間の混雑が懸念されます。果たして、このまま増やし続けても問題はないのでしょうか?

今後もスターリンクは快適なインターネット体験を確保するための技術開発を進める一方、宇宙倫理やサステナビリティへの対応も求められています。