メルカリモバイルでギガ売買は難しい?節約にならない理由とは

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メルカリモバイルってどんな格安SIM?他社とはどう違う?

2025年3月4日、株式会社メルカリがMVNO事業として「メルカリモバイル」のサービス提供を開始し、格安SIM市場に本格参入を果たしました。

メルカリモバイルの特徴は、何と言っても「ギガ(データ通信量)を気軽に売り買いできる」こと。発表当初は大きな注目を集めていたものの、今では「ギガが売れない」「節約できない」など、利用者からの厳しい批判も少なくありません。

今回は「メルカリモバイル」をテーマに、ギガ売買の難しさやメルカリモバイルに乗り換えるメリットについてお伝えします。

メルカリモバイルってどんな格安SIM?他社とはどう違う?

格安SIMに仲間入りしたメルカリモバイル。そもそも格安SIMとは、docomo・au・ソフトバンクといった携帯電話会社のネットワークを借りて通話・インターネットのサービスを提供するサービスのことで、大手携帯キャリアよりも料金が安いというメリットがあります。

mineoやHISモバイルなど、すでに多くの格安SIMが存在していますが、メルカリモバイルは他社とはどう違うのでしょうか?まずはメルカリモバイルの特徴を確認しましょう。

メルカリモバイルの特徴1:アプリでギガを売買できる

メルカリモバイルの最も大きな特徴は、ギガを自由に売買できることです。

毎月のギガ(データ通信量)使用量が少ない方の中には、「毎月ギガが余ってしまう」という方も多いのではないでしょうか。一方、ギガ使用量が多い方の場合、「毎月ギガが足りないので月額料金が高くなってしまう」という方もいらっしゃるかもしれません。

このような悩みを解決するのがメルカリモバイル。フリマアプリを通じてギガをユーザー同士で売買することで、自分に合ったちょうどいい使い方ができます。

余ったギガは売り、足りないギガは買う。それがメルカリモバイルの最も大きな特徴です。

メルカリモバイルの特徴2:プランは2種類でわかりやすい

メルカリモバイルのプラン内容はたった2種類と、料金体系が実にわかりやすいのも特徴のひとつです。

  • メルカリモバイルで選べる2プラン
  • 2GBプラン 990円/月(税込)
  • 20GBプラン 2,390円/月(税込)

ギガ使用量が少ない方は2GBプラン、ギガ使用量が多い方は20GBプランを選びましょう。「ちょっと多いかも」「ちょっと少ないかも」はギガ売買サービスで解消できるようになっています。

メルカリモバイルの特徴3:docomo回線で5Gにも対応

格安SIMの場合、時間帯による通信速度制限があることも珍しくありません。平日昼間12時〜13時や夜間など、ユーザーの利用数が増える時間帯は通信速度に制限をかけ、ひとりでも多くのユーザーが利用できる工夫を行っているのです。

しかし、メルカリモバイルには速度制限がなく、時間を気にせずに利用することが可能です。通信速度もプランによって差異がありませんので、安い2GBプランでも快適に使用できます。

さらに、メルカリモバイルはdocomo回線を利用したMVNOですので、通信そのものが安定しています。5Gにも対応しているため、サクサク繋がるのもうれしいポイントです。

メルカリモバイルの問題点

日本初の「ギガ売買システム」を導入したメルカリモバイル。しかし、乗り換えや新規契約を安易におすすめできない問題点も多く見られます。メルカリモバイルの問題点を洗い出していきましょう。

メルカリモバイルの問題点1:出品したギガが売れない

とにかく問題なのが、出品したギガがなかなか売れないことです。

まず、メルカリモバイルを使用するきっかけとして、「余ったギガを売れば節約できるのでは?」というユーザーの思惑があります。そのため、現在のメルカリモバイルは売り手のほうが多い状況です。

ギガを売りたい人が多く、ギガを買いたい人は少ない「買い手市場」のため、ギガを売りに出してもなかなか売れません。売ることを念頭に20GBプランを契約しても、お金もギガも無駄になってしまうのが現状です。

「データが足りなくなれば買うんじゃないの?」「都度買い足すための2GBプランでは?」と思うかもしれませんが、ここに大きな落とし穴があります。

メルカリモバイルの問題点2:2GBプランの料金が高い

毎月少しだけ使う方向けの2GBプラン。ギガ売買サービスで買い足すことを見込んだ価格設定なのかもしれませんが、2GBで月額990円は格安SIMユーザーからすれば、正直高いのです。

メルカリモバイルを他社の格安SIMと比較してみましょう。

メルカリモバイルと他社の格安SIMを比較
格安SIM会社データ通信量/月価格/月
メルカリモバイル2GB税込990円
楽天モバイル3GBまで
※3GB超過後も利用可能、ただし料金は都度変更
税込1,078円
povo3GB ※利用可能日数30日間税込990円

このように、メルカリモバイルよりも「オトク」と感じるプランが多いです。

また、メルカリモバイルは基本使用料無料というわけでもありません。月額990円の2GBプラン、もしくは2,390円の20GBプランの契約は絶対です。そのため、ギガの買い足しに興味があっても、「似たような料金を払うなら他社でいい」という考えになってしまうわけです。

ギガを買って利用しようと考えるユーザーが少ないため、買い手市場が加速し、ギガがますます売れなくなってしまうのです。

メルカリモバイルの問題点3:余ったデータの繰り越しができない

さらに困った問題は、余ったギガはその月で消えてしまい、翌月以降への繰り越しが一切できないこと。そのため、いざギガを出品しても、その月に売れなければ消滅し、無駄になってしまいます。

「ギガが余るかどうかは月末にならないとわからない」という方は、短期間でギガを売らなければなりません。となると投げ売りになりがちで、利益を度外視しなくてはならないでしょう。

一方、買い手も買い手で、月末に大量のギガを買ってもその月に使わなければ無駄になるため、ギガをまとめ買いすることもありません。

そうなると売る側は月の初めにギガを出品する羽目になりますが、フリマアプリの設定上、古い出品は新しい出品の次に表示されるため、時間が経てば経つほど自分の出品がどんどん流れて行ってしまい、買う側の目につく機会が減ります。

買い手市場のメルカリモバイルでは売れる前にギガが破棄されてしまい、「今月のギガが消えてしまった……」「今月も節約できなかった……」となりがちなのです。

メルカリモバイルの問題点4:売買時の手数料が高い

メルカリモバイルではフリマアプリと同じく、ギガを出品する際には販売手数料が発生します。販売手数料は10%。つまり、200円で出品するなら20円の販売手数料が差し引かれるのですが、この手数料の高さが問題なのです。

ギガが売りにくい市場でどうしてもギガを売りたい場合、出品者はどうするでしょうか?「価格を安くする」もしくは「同じ値段でギガの量を増やす」のどちらかでしょう。

では、それでも売れない場合は?もちろん答えは「ギガの量を増やしたうえで値段を安くする」です。そうなると、1GBあたりの値段がどんどん下落して利益がでなくなってしまいます

売り手は「売れない→値段を下げざるを得ない→手数料を取られて利益が減る」という悪循環に陥り、メルカリモバイルのメリットがわからなくなってしまうかもしれません。

格安SIM利用者にとっては乗り換えるメリットが少ない

問題点でもお伝えしたように、格安SIMユーザーがメルカリモバイルに乗り換えるメリットは特にありません。

まず、基本使用料が高いため、金銭的なメリットがありません。たしかに20GB2,390円はお得かもしれませんが、データ通信量を求める方は速度もほしいもの。

ではメルカリモバイルの通信速度が速いかと問われれば、docomo回線とはいえMVNO事業者ですので、格安の楽天やahamo、UQモバイルなどには到底太刀打ちできない状況です。「安いけど遅い」なら「安いし速い」格安SIMを選ぶのが賢いユーザーですよね。

また、端末を販売していないため、乗り換えによる端末セット割引もありません。「オトクにスマホを手に入れたい」という層への訴求力にも欠けます。

もちろんギガの売買は画期的で魅力的なサービスですが、今の市場では結局売れないことを考えると、わざわざメルカリモバイルを選ぶ理由もないでしょう。

ほぼ0円の月額プランができれば、メルカリモバイルのメリットが増えそう

メリットの少ないメルカリモバイルですが、「ギガを自由に売買する」というサービスは画期的かつ唯一無二です。少しでも節約したい方に刺さるサービスであることには間違いなく、以下のような改善が行われれば格段に使い勝手がよくなるかもしれません。

  • 0GBもしくは1GBで利用できる格安プランの登場
  • ギガ売買に必要な手数料の減額
  • その月に出品したギガは月をまたいでも消失しない

他社格安SIMにどうしても劣ってしまうメルカリモバイル。これから大きく化ける可能性もゼロではありませんので、今後のサービス改善に期待しましょう。