Pixel 9aは4月16日発売が決定!今さら聞けないGoogle Pixelの強みと弱点を総まとめ

ついにGoogle Pixel 9aの日本の発売日が決定、2025年4月16日と発表されました。2025年4月9日から予約を受け付けます。
新型登場で改めて注目が集まっているGoogle Pixelですが、Google Pixelと他のAndroidスマホの違いは知っていますか?今さら聞けないGoogleが作っているからこそのメリットと、余り知られていないデメリットについてまとめます。
そもそも、GoogleとAndroidの関係とは?
Androidは、Googleが開発したスマートフォンやタブレット向けのオペレーティングシステム(OS)です。元々はAndroid Inc.という会社が開発していましたが、2005年にGoogleが買収後、現在まで開発を主導しています。
Androidの基本的な部分はオープンソースのため、SONYやSamsung、Xiaomiなどの様々なメーカーが独自のAndroidスマホを開発できる仕組みです。しかしながら、Androidのアップデートや、Googleのサービスやアプリのエコシステムを管理するのはGoogleです。
つまり、GoogleがAndroidを管理しつつも、世界中のメーカーが自由に使える形で提供しているということになります。
Googleが作るPixelはシンプルさとセキュリティの強さが特徴
このように、Androidを一元管理しているGoogleが開発するスマートフォンがPixelです。
他のメーカーは、Androidの基本形をアレンジしながら独自のデザインを追加することで、自社のスマホを差別化しています。
PixelはGoogleが直接開発しているため、カスタマイズをほとんど加えず、Android本来のシンプルさが特徴です。一方で、Googleの強みであるAI機能やセキュリティ機能は惜しみなく詰め込まれています。
では、メリットとも言えるPixelの独自性を具体的に説明します。
最新のAndroidアップデートを最速で受け取れる
Google直轄のPixelは、新しいAndroidのアップデートをリリースと同時に受け取れます。OSアップデートとセキュリティアップデートの両方を最速で受け取れるので、スマホの安全性を重視する方には嬉しいポイントです。
他のAndroidスマホは、メーカーのカスタマイズやキャリアの承認を経るために、アップデートが遅れることがあります。
長期間のOS・セキュリティアップデート保証
OS・セキュリティアップデートに関連して、Pixelはその保証期間も長く設定されています。
一般的なAndroidスマホのアップデート保証期間が2~3年に設定されているのに対し、2022年発売のPixel 7は5年、2023年発売のPixel 8以降からは7年のアップデート保証期間が設けられています。
長期間にわたり最新のOS・セキュリティ機能を受け取ることができるので、一台のスマホを長く安心して使うことができます。
AIの精度が高く、Tensorチップで処理がスムーズ
Pixelの大きな特徴の一つであるAI機能は、様々な面でスマホの使い勝手を向上させています。
スマホ選びで重視されやすいカメラ性能もその一つです。Pixelのカメラのハードウェアのスペックは他のフラッグシップとは見劣りする場合もありますが、Pixelはそれを補って余りあるほどのAI画像処理技術を備えています。「消しゴムマジック」や「ベストテイク」といったAIによる編集機能も使えます。
カメラ性能の他、リアルタイムの翻訳機能や自動文字起こしといった機能も、Pixelでは特に精度が高くスムーズに利用することができます。
この精度が高いAI処理は、Google独自のTensorチップによるもので、このチップは特にAI処理に特化した設計になっています。
最近は他社のスマホでも類似したAI機能が搭載されていますが、PixelはGoogleのAI技術がそのまま活かされているので、他社スマホのAI機能よりも精度が高く、実用的になっています。
Titan M2チップによる強固なセキュリティ
PixelにはTensorチップの他、「Titan M2」という独立したセキュリティチップが搭載されています。
このセキュリティチップは以下の機能を果たし、Pixel端末のセキュリティを強固にしています。
- 起動時にOSが改ざんされていないか確認
- 指紋認証や顔認証のデータを安全に保管し、不正アクセスを防ぐ
- パスワード・暗号化キーを安全に管理し、ログイン情報や支払いデータを強固に保護
- Google Playのアプリを検証し、悪意のあるアプリがインストールされないようにチェック
今や大切な情報はスマホに全て入っている時代なので、セキュリティの確かさはPixelの大きなメリットと言えます。
メーカー独自のアプリがプリインストールされていない
Pixelはメーカー独自のアプリがプリインストールされていないことも、地味ながらもメリットとして挙げられます。
SIMフリー端末であればGoogleのアプリしか入っていないので、余計にストレージを圧迫することがありません。なお、キャリア端末の場合はキャリアのアプリがプリインストールされている場合があります。
型落ちでもアップデートのおかげで楽しく使える
筆者はPixel 7(256GB)を型落ちになったタイミングの2023年に購入、現在も愛用中です。
チップの性能の関係で制限はあるものの、Googleサービスのアップデートと連携して、気が付くとPixel 7で使える機能が増えています。
メッセージアプリでGeminiと会話できるようになっていたり、自分で撮影した写真を切り抜いたスタンプを作れるようになっていたりと、新しい発見があるので型落ちでも古さを感じません。
一台のスマホを長く使いたい方には、Pixelの長期アップデート保証も魅力ですが、こういった機能面の追加もメリットになると思います。
Pixelの弱点はハードウェア
このようにメリットの多いPixelですが、Pixelの強みは主にソフトウェアに集中しています。
ハードウェアでは、Pixelにはいくつか弱点があります。
バッテリー持ちは競合スマホに比べるとやや短い
Pixelは同じ価格帯の他社スマホに比べると、バッテリー持ちがやや短くなります。
これは、GoogleのAI処理や機械学習が常にバックグラウンドで動作するため消費電力が多いこと、他社のフラッグシップモデルと比べるとバッテリー容量が小さいことが原因です。
また、省電力に最適化された他社の独自チップ(AppleのAシリーズやSamsungのExynos)と比べると、Tensorチップは電力効率がやや劣ります。
Tensorチップの発熱
Pixelで長時間カメラを使用したり、ゲームをプレイしたりすると、発熱が気になる場合があります。
原因は、搭載されているTensorチップがAI処理に特化しているため、電力効率はSnapdragonほど高くないからです。
例えばGoogle Pixel 8a(Googleストアで72,600円)と同じ価格帯のXiaomi POCO F7 Pro(Xiaomiサイトで69,980円)は、Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platformを搭載、IceLoopシステムで放熱効率を大幅に向上しています。
ゲーミングスマホとしては最適な一台ではない
高画質のゲームは映像処理に負荷がかかるため、映像処理を担うGPU性能が重要になります。また、本体に熱がこもりにくい点も重要になります。
AI処理に特化したTensorチップはGPU性能は控えめです。そのため、PixelはゲーミングスマホとしてはSnapdragonといったハイエンドクラスのチップを搭載するスマホに劣ります。
Pixel 8の値上げ以降、日本でのPixelのシェアは減少中
2023年は急成長も、2024年はシェア大幅減少
2024年の日本国内のスマホ出荷台数におけるGoogleのシェア率は8.7%で、1位のApple(52.2%)、2位のSHARP(11.6%)に次ぐ第3位でした。
一見好調そうですが、実は2023年比では18.2%減少と、Googleは日本でのシェアを2023年に急成長させ、その後その勢いは衰えているのが現状です。
Pixel 6、Pixel 7で「コスパの良いスマホ」というイメージが定着していたPixelでしたが、2023年10月発売のPixel 8が前モデルよりも3万円近く値上げしたことがユーザー離れのきっかけとなったのかもしれません。
値上げが続くGoogle Pixel、今後もユーザーを引き止められるか
2023年は、世界で日本が最もGoogle Pixelの出荷数が多かった年でした。この成長に貢献を果たしたのはPixel 7aで、当時のGoogleストアでの発売価格は62,700円。長らく人気を博したAppleの廉価モデルiPhone SE(第3世代)も2022年の発売価格は57,800円、その後62,800円に値上げとなりました。6万円台というのが、ミドルレンジスマホとしてのコスパを感じやすい目安なのかもしれません。
円安は今後も続くと見られ、Appleの最新廉価モデルiPhone 16eがほぼ10万円という価格であることから、Pixelの価格が「a」シリーズでも6万円台まで下がることは難しいでしょう。最新のPixel 9aも、結果的にPixel 8aよりも若干の値上げとなっています。
昨今のAndroidスマホは、本体価格が2万円程度の低価格モデルでもAI機能を搭載し、バッテリー性能やカメラ性能も上がっています。今後の値上がりを余儀なくされるPixelが、どのようにファンを増やしていくのか、今後の進化に期待です。
新型Google Pixel 9aは2025年4月16日発売、Googleストアで79,900円~
Pixelの中でも人気の高い、価格を抑えた「a」シリーズの新型「Google Pixel 9a」が2025年4月16日に発売となります。米国・カナダ・英国では4月10日、ヨーロッパは4月14日と、海外版よりは少し遅れての登場となりました。
Pixel 9aは最新のTensor G4を搭載。前作のPixel 8aからメインカメラの画素数は下がりますが、バッテリー持ちがアップ、画面サイズは8aの6.1インチから6.3インチへサイズアップして明るさも向上しています。また、Geminiがデフォルトのアシスタントとして搭載されており、カメラの編集機能では、新たに「一緒に写る」が使えます。Pixel 9aのデザインは、Pixelで特徴的であったカメラバーがなくなり、カメラ部分がフラットになっています。
一番気になる価格は、Googleストアで79,900円(128GB)、94,900円(256GB)です。Pixel 8a(発売価格72,600円)から若干の値上げとなりました。ドコモ(86,570円~)・au(80,000円~)・ソフトバンク(79,920円~)からも購入可能です。

参考サイト一覧
- IDC 2024年第4四半期および2024年通年の国内携帯電話/スマートフォン市場実績値を発表(2025年3月7日)
- 9to5Google Google Pixel sales continue to rise, with Japan now being the biggest market(2023年7月7日)
- Googleストア
- Xiaomi JAPAN