ソーシャルゲームのトレンドとその魅力とは?問題点についても詳しく解説

スマホを持つ人々にとって身近な存在になったソーシャルゲーム、略してソシャゲ。人気が高まる一方で、若年層によるゲーム内での課金が大きな社会問題にもなりました。
今回は改めてソーシャルゲームの概要や主な人気作品、ソーシャルゲームの問題点について解説していきます。
ソーシャルゲームとは何か
ソーシャルゲームとは、インターネットを介して複数のプレイヤーと交流しながら楽しむことができるゲームのこと。ゲームによっては基本はソロプレイ、一部機能のみ他のプレイヤーと交流・強力しながら遊ぶものもあります。
また、ソーシャルゲームはスマートフォンやパソコンからアクセス可能で、SNSと連動していることも少なくありません。ゲームでの自分の成果をすぐに発信でき、フォロワーとゲーム体験を共有することができます。
さらに、プレイヤー同士のコミュニケーションや協力が重要な要素となっていることも多く、現実・ネット問わず友だちと一緒に遊んだり、他のプレイヤーとの競争や協力を通じてゲームを進行したりと、ソーシャルゲームによってさまざまな遊び方が楽しめます。
ソーシャルゲームの主な特徴
ソーシャルゲームの主な特徴として、以下のような内容が挙げられます。
- ソーシャルゲームの特徴
- ソーシャル機能:チャット機能やランキング、フレンドリストなど、プレイヤー同士の交流を促進する機能
- 継続的なアップデート:定期的なイベントやアップデートがあり、飽きることなく楽しむことが可能
- 課金要素:基本プレイは無料で、ゲーム内アイテムや限定キャラ、追加コンテンツなどは課金して購入
- カジュアルプレイ:通勤時間・通学時間などの短い時間でも楽しめるように設計されていることが多く、忙しい日々の隙間時間にプレイ可能。
この中でも最も大きな特徴は間違いなく「課金要素」でしょう。
例えば、Nintendo SwitchやPlayStation5などのコンシューマーゲームには課金要素は少なく、ゲームソフトを買えばたっぷり遊ぶことができます。レアアイテムも強いキャラも課金ゼロで手に入れることが可能です。
一方、ソーシャルゲームは課金前提のゲームシステム。基本プレイ無料でも、課金をしなければ難易度の高いステージをクリアできない・強いキャラを手に入れることができないなどの大きな制約があり、コンシューマーゲームに比べて自由度が劣ります。
ただ、逆に言えばお金と時間さえかければ他プレイヤーより強くなれるということ。そのため、他プレイヤーとの差を付けたいユーザーが限度を超えた課金をしてしまうことは珍しくなく、たびたび社会問題にもなっているのです。
人気のソーシャルゲーム一覧
ここからは特に人気の高いソーシャルゲームをご紹介します。2025年4月現在、人気のソーシャルゲームは以下の通りです。
- Pokemon GO
- Pokemon TCG Pocket
- モンスターストライク
- パズル&ドラゴンズ
- Fate/Grand Order
- 原神
- 崩壊:スターレイル
- ゼンレスゾーンゼロ
- 鳴潮
- メメントモリ
- ちいかわぽけっと
近年は「中華ゲーム」の人気が熱い
ここ1~2年の間に、日本国内でも中華ゲーム人気が高まっています。中華ゲームとは中国で開発されたゲームの総称で、近年のヒット作は「崩壊:スターレイル」や「鳴潮」など、まるで家庭用ゲーム機でプレイしているかのような美麗グラフィックと没入感の高い濃密なストーリーが魅力です。
また、中華ゲームの人気はコラボ企画にも派生しており、大手コンビニや大手寿司チェーンとのコラボが行われるなど、中華ゲームの人気・認知度の高さがうかがえます。
日本のソーシャルゲームは原作ありき
2025年3月、日本で絶大な人気を誇る作品「ちいかわ」からソーシャルゲーム「ちいかわぽけっと」が配信され、大きな話題となりました。
ちいかわのコミックスは2024年11月時点で累計360万部突破、市場規模は100億円以上とも言われ、「ちいかわぽけっと」の事前登録者数は驚異の230万人。配信当初はセールスランキング10位以内と、期待以上の結果を残しています。
「ちいかわぽけっと」のように、日本で人気のソーシャルゲームはほとんどが漫画やアニメなどの原作ありき。サービス開始当初から原作ファンを取り込めるため、サービス継続の見通しが立てやすいからです。
また、人気イラストレーターや人気声優を起用するなど、さまざまなソーシャルゲームがユーザーにプレイしてもらう工夫を行っています。とにかく日本のソーシャルゲーム市場は競争が苛烈なのです。
これは、ソーシャルゲームの掛け持ちが難しいことにも起因します。
ソーシャルゲームの特徴でもご説明したように、ソーシャルゲームは隙間時間を利用したカジュアルプレイが基本。つまりユーザー側にソーシャルゲームを複数掛け持ちしてプレイするだけの時間がないということです。
忙しいユーザーを取り込むための努力の結果が、今の日本のソーシャルゲーム市場に繋がっているのです。
これから期待できるソーシャルゲームは?
これから期待できるタイトルとして「ペルソナ5:The Phantom X」が挙げられます。今後リリースされるソーシャルゲームの中でも、特にユーザーからの期待が高い作品のひとつです。
新・女神転生シリーズやペルソナシリーズの開発元であるアトラスが監修しているソーシャルゲームで、日本でのリリース日は2025年5月中旬予定。全世界で1,100万本売り上げたペルソナ5シリーズと同じ世界観でプレイできるのが魅力です。
個性的なキャラクターとスタイリッシュでお洒落なUI、家庭用ゲーム機のような美しいグラフィック、そしてシリーズでお馴染みの世相を汲んだストーリーに期待が高まります。
ソーシャルゲームの問題点
若年層を中心に人気を集めるソーシャルゲームですが、注意しなければならない問題点もいくつかあります。ソーシャルゲームの問題点は以下の通りです。
- 課金しなければ強いアイテム・キャラクターが手に入らない
- 明確な終わりがない
- ゲーム依存に繋がる
- サービスが終了したときに手元に何も残らない
ソーシャルゲームのメリットのひとつに「隙間時間で遊べる」ことがあります。通勤時間や通学時間、ちょっとした隙間時間にちょっと遊ぼう、手軽さが魅力です。その分、コンシューマーゲームほどの壮大なゲーム体験はなく、明確な終わりもありません。
また、課金しなければ強いアイテム・キャラクターが手に入らないことも多く、かつて何度も社会問題になりました。筆者の周りにも多額の課金を行う「重課金ユーザー」がいますが、車1台は余裕で買える金額を注ぎ込んでいます。本人がそれで幸せならいいのですが、「辞め時がわからなくて……」というケースも少なくないのです。
さらに、時間とお金を使えば使うほど、これまで費やした時間とお金を惜しんで抜け出せなくなる心理状態に陥るため、ゲーム依存にも繋がりかねません。
それだけではなく、ソーシャルゲームの運営において利益が見込めなくなった場合はサービスが終了します。どれだけお金と時間を費やしても、サービスが終了すれば頑張って手に入れたキャラクターもアイテムもすべて消えてしまうのです。
ソーシャルゲームの問題点を理解したうえで楽しむ、それが賢明なユーザーの遊び方でしょう。
ソーシャルゲームはこれからも増え続ける
スマホがある限り、ソーシャルゲームはこれからもリリースされ続けるでしょう。ただ日本のゲーム開発の勢いは以前に比べてかなり劣るため、「課金」という継続的な利益が見込めるソーシャルゲームにさらに注力していくことが考えられます。
とはいえ、パズドラのように何年も売れ続けるのはたった一握りのみ。今後もソーシャルゲームは過酷な競争の中で増え続けるでしょう。