プロパンガスから都市ガスに切り替える方法と費用【いくらかかるかも解説】
プロパンガス(LPガス)から都市ガスに切り替えたい場合、前提として以下の2つの条件が満たされていることが必要不可欠です。
上記を満たす場合は、ガス導管を自宅まで通すための引き込み工事の費用がかかることや、都市ガスに対応したガス機器を設置する必要があることも理解しておきましょう。
もし、条件が揃わない場合は、プロパンガス(LPガス)から都市ガスへの切り替えはできません。しかし、プロパンガスのままでもガス代を安くできる方法があります。
本記事では、プロパンガスから都市ガスにしたいと考えている方へ、プロパンガスから都市ガスに切り替えるために必要な条件や手順、かかる費用について詳しく解説しています。
また、都市ガスに切り替えられなくても、今よりも安いプロパンガスにする方法も併せてご紹介。
- 記事のポイントまとめ💡
- プロパンガスから都市ガスへ切り替え可能なのは「ガス導管があるエリア」
- 都市ガスの使用には「ガス導管の引き込み工事費」がかかる
- 「都市ガス対応のガス機器」の設置も必要
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プロパンガス(LPガス)から都市ガスへ変更するために必要な条件
「プロパンガス(LPガス)から都市ガスに切り替えたい」と思っても、都市ガスはどこでも供給可能というわけではありません。
また、賃貸物件・集合住宅にお住まいの場合は、ご自身の意思だけでガスの変更ができないため、注意が必要です。
プロパンガスの契約や会社変更などの決定権があるのは、建物の所有者である大家さんや管理会社となるので、プロパンガスを変更したい場合、まずは所有者の承諾を得る必要があります。
一方、戸建て(持ち家)にお住まいで以下の条件を満たしている方は、プロパンガスから都市ガスに切り替えられる可能性が高いです。
ガス導管が通っているエリア
プロパンガス(LPガス)と都市ガスの違いのひとつに、ガスの供給方法が挙げられます。
| プロパンガス | 都市ガス | |
|---|---|---|
| 原料 | 液化石油ガス(LPG) | 液化天然ガス(LNG) |
| 供給方法 | ガスボンベ等を契約者宅へ配送して供給 | 地下のガス導管を通じて供給 |
| 供給エリア | 全国 | 人口密度の高い都市部のみ |
| 工事費用 | 約10万~20万円* (*新設の場合のみ) |
約7万~15万円 |
プロパンガスは液化したガスをガスボンベに充填し、各家庭まで配達することによって供給を行います。
一方で、都市ガスの供給方法は電気や水道の供給方法と似ており、地下に敷設された都市ガス用のガス導管を通じて各家庭に供給されています。
つまり、都市ガスの使用には、近くにガス導管が通っていることが必要不可欠というわけです。
都市ガスの供給にはガス導管の敷設工事が必要です。しかし、この工事費用は非常に高額なため、費用回収が見込める人口密度の高い都市部にしか供給できないのが現状です。
これが「都市ガス」と呼ばれる理由で、供給エリアは国土面積のわずか6%弱ほどです。
そのため、「プロパンガスから都市ガスに切り替えたい」と思ったら、まずは居住エリアで都市ガスの供給があるか(=ガス導管が通っているか)を調べる必要があります。
都市ガスの供給エリアを確認するには、資源エネルギー庁の「登録ガス小売事業者のガス供給エリア一覧」や、都市ガス会社の公式サイトなどで確認するとよいでしょう。
ガス導管の引き込み工事が可能
お住まいの地域でガス導管が通っていれば、原則として都市ガスの供給が可能です。
公道の地下を通っているガス導管を自分の家までつなげる工事を行うことで、都市ガスの供給を開始することができます。
しかし、ガス導管の引き込み工事をするにあたり、建物の立地によっては、まれに近隣住民の許可が必要なこともあります。
都市ガス導管の引き込み工事で近隣住民の許可を取る必要があるのは、家の周囲が他の住宅に囲まれているなど、公道に出るために近隣住民が所有する私道を通らなければならない場合です。
近隣住民の許可が必要な場合は、道の所有者の許可なしで勝手に工事を始めることができません。
そのため、公道から家までのルートに近隣住民の私道が含まれている方は、所有者の許可を得られるかどうかも都市ガスを使用するための条件となります。
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プロパンガス(LPガス)から都市ガスに切り替える手順
プロパンガス(LPガス)から都市ガスへの切り替えは、以下の手順で行われます。
【STEP1】都市ガス会社を選ぶ
2017年の都市ガス自由化以来、契約者は自由に都市ガス会社を選ぶことができます。
居住エリアで供給している都市ガス会社が複数ある場合には、各ガス会社から見積もりをもらい、しっかり料金比較してから選びましょう。
【STEP2】自宅訪問&最終見積もり作成
都市ガス会社に連絡し、現地調査のために自宅に来てもらいます。ガス導管の引き込み工事費用などを含め、都市ガス供給にかかる費用の具体的な見積もりを出してもらいましょう。
もし、不明な点などがあれば積極的に質問し、契約内容をよく理解するようにしてください。
【STEP3】内容確認&契約
最終見積もりの料金や契約内容をよく確認し、納得したうえで契約を結びます。
【STEP4】ガス導管引き込み工事の調整
ガス導管引き込み工事の段取りや日程を調整します。この時、道路管理者への許可を申請するなどの手続きもあるため、工事開始までに約1~2ヶ月かかります。
【STEP5】プロパンガスの解約手続き
現在契約中のプロパンガス(LPガス)会社に解約申し込みを行います。
使用中のLPガス設備(ガスボンベ・ガスメーターなど)は、都市ガスの工事日に撤去してもらうように調整しましょう。
【STEP6】ガス導管の引き込み工事・供給開始
新旧それぞれのガス会社によって、都市ガス導管の引き込み工事と、LPガス設備の撤去が行われます。工事終了後、都市ガスの開栓・点火テストを行ったら都市ガスの使用開始となります。
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プロパンガス(LPガス)から都市ガスへの切り替え費用はいくら?
都市ガスはプロパンガス(LPガス)と比べてガス料金が安いと言われていますが、プロパンガスから都市ガスへ切り替える際の費用を考慮しても安くなるのでしょうか?
プロパンガスから都市ガスに切り替えるにあたり、実際にどんな費用がどのくらいかかるのか調べました。
- 都市ガス変更時にかかる費用
- 都市ガス導管の引き込み費用【約7~15万円】
- 都市ガス機器の設置費用【約4~20万円】
- プロパンガス会社への解約違約金【最大で約15万円】
都市ガス導管の引き込み費用
都市ガスの供給には、公道に通っているガス導管を自宅まで引き込むための工事が必要で、この工事費用は、平均で約7~15万円とされています。
ガス導管の引き込み工事費用は、ガス導管が通っている公道から都市ガスの供給場所までの距離によって決められており、ガス導管を1m引き込むにあたり、約1万円の費用がかかります。
そのため、ガス導管から自宅までの距離が遠ければ遠いほど、工事費用は高額になります。詳細な金額は、都市ガス会社に連絡して、実際に訪問見積もりを出してもらいましょう。
なお、ガス導管引き込み工事にかかる出張費として、業者によって2,000円~1万円ほど別途請求されることも考慮に入れておきましょう。
都市ガス機器の設置費用
プロパンガス(LPガス)と都市ガスは原料や熱量が違うため、プロパンガスから都市ガスに切り替えると、今まで使っていた給湯器やガスコンロなどのガス機器が使えなくなる点に注意が必要です。
| プロパンガス | 都市ガス | |
|---|---|---|
| 原料 | 液化石油ガス(LPG) | 液化天然ガス(LNG) |
| 主成分 | プロパン・ブタン | メタン |
| 重さ | 空気より重い | 空気より軽い |
| 発熱量 | 大きい:24,000Kcal/㎥ | 小さい:10,750Kcal/㎥ |
プロパンガスで使用していたガス機器を都市ガス仕様にするためには、以下の2つの方法があります。
- LPガス機器の部品を取り換えて都市ガスに対応させる
- 都市ガス対応のガス機器を購入する
現在使用中のガス機器のメーカーが、都市ガス仕様に変更するための部品を扱っていれば、①の方法で引き続き利用することが可能です。
その場合、新しく契約する都市ガス会社が仕様変更を行ってくれます。
LPガス機器を都市ガス仕様にするための部品交換作業は、一般に、ガスコンロに約1万円、給湯器に約3万円ほどかかることが多いです。
一方、部品の販売終了などで現在のガス機器を都市ガス仕様に変更できない場合は②となり、新しく都市ガスに対応したガス機器の購入・設置が必要です。
都市ガス対応のガス機器の値段については、各ガス会社の仕入れ価格によっても大きく異なるため一概には言えないものの、一般に10~20万円程度かかることが予想されます。
上記のように、ガス機器の変更方法によっても初期費用は大きく変わるため、見積もりの際は、ガス機器の変更費用についてもしっかりガス会社に確認しましょう。
プロパンガス会社への解約違約金
あなたは、現在契約中のプロパンガス会社と「無償貸与契約」を結んではいませんか?
プロパンガス会社がガス機器やガス管の設置にかかる初期費用を負担する代わりに、契約者に一定期間(10~15年程度)のガス利用を義務付ける契約のこと。
契約者は初期費用を毎月のガス代に少しずつ上乗せする形で返済していくが、中途解約する場合は初期費用の残額を違約金としてガス会社に支払う義務がある。
もし、プロパンガスの契約時に取り付けたガス機器(給湯器・コンロ等)の料金や、ガス管の設置料金を自分で支払っていない場合は、プロパンガスの契約と同時に「無償貸与契約」も結んでいる可能性が高いです。
そのため、都市ガスからプロパンガスへの切り替え前に、必ず「無償貸与契約」の状況を確認してください。
まず「無償貸与契約」の有無をチェックし、締結している場合は①残りの契約期間と②返済すべき初期費用(=違約金)がいくらかを調べましょう。
違約金の金額は、契約期間や残存期間により異なるため、必ず契約書をよく確認してください。
プロパンガス(LPガス)のままガス料金を安くする方法🔥
ここまでプロパンガス(LPガス)から都市ガスへの切り替え方法や費用について説明してきましたが、都市ガスを導入するための費用が高いことに驚いている方も多いのではないでしょうか。
中には、「月々のガス代が安くなるのはうれしいけど、そのために高額な費用を払うのは難しい」と躊躇する方もいるでしょう。
都市ガスへの切り替えに高額な費用をつぎ込みたくない場合は、プロパンガスの会社変更(契約切り替え)でガス料金を削減する方法があります。
というのも、プロパンガスは自由料金制で、ガス会社ごとに料金が異なり、価格差も大きいため、今よりも安いガス料金を提供しているプロパンガス会社を見つけられる可能性が大きいのです。
また、プロパンガスの会社変更の際も、大規模な工事やガス機器の変更が不要なため、プロパンガスから都市ガスに変更するよりも切り替えコストをぐっと安く抑えることができます。
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通常、ガス料金の安いプロパンガス会社・販売店を見つけるには、居住エリアで契約可能なプロパンガス会社をリストアップして、複数のガス会社のサービスや料金を比較する必要があります。
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プロパンガス(LPガス)から都市ガスへの変更【よくある質問】
プロパンガスから都市ガスへの切り替えに関するQ&A
プロパンガスから都市ガスに切り替えられる?
プロパンガス(LPガス)から都市ガスに切り替えたいと思っても、誰でも切り替えが可能なわけではありません。
少なくとも、以下の2つの条件が満たされていることが必要不可欠です。
プロパンガスを都市ガスに切り替えるにはどうすればいい?
プロパンガス(LPガス)から都市ガスへ切り替えるための手順は、以下の6ステップです。
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プロパンガスから都市ガスに変更するにはいくらかかる?
プロパンガス(LPガス)から都市ガスに切り替える際、以下の3つの費用がかかります。
- 都市ガス導管の引き込み費用【約7~15万円】
- 都市ガス機器の設置費用【約4~20万円】
- プロパンガス会社への解約違約金【最大で約15万円】