RE100とは? 参加している日本の企業は?

RE100とは? 参加している日本の企業は?
RE100とは? 参加している日本の企業は?

再生可能エネルギー(再エネ)を、積極的に活用しようという企業の国際的なネットワーク「RE100」が注目されています。世界中から有名企業260社以上が参加し、日本からも多くの企業も参加しています。「RE100」とはどんな団体で、メンバーになるにはどんな条件があるのでしょうか。日本から参加している企業や参加企業が急増する背景についても説明します。

RE100とは?

世界の電力消費量の半分は、産業部門が占めるといわれています。産業部門とは商品の製造や運送、販売などの企業の事業活動を指します。世界で消費される電力は、主に石油、石炭などの化石燃料を燃やす火力発電でつくられているのが現状です。各企業が電源を太陽光や風力などによる再生可能エネルギー(再エネ)に代えれば、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減に大きな効果があります。

RE100は、企業が自社の事業で使う電力を100%再エネでまかなうことをめざす国際的なイニシアチブ(取り組み)です。再エネによる発電では温室効果ガスが出ないので、これまで使っていた火力発電由来の電気を再エネに変えるだけで温暖化防止に貢献できることになります。電力消費量を減らす必要はないのです。RE100の参加企業は共通の削減目標をめざし、再エネで発電した電気を電力会社から購入したり、自社で再エネ発電を導入したりと個々に取り組むことになります。

RE100は「Renewable Energy 100%」(再生可能エネルギー100%)の頭文字をとった略称です。温室効果ガス排出ゼロの社会や経済の実現をめざすイギリスの国際NPO「The Climate Group(気候グループ)」の呼びかけで2014年に始まりました。世界数千社の環境影響を評価・管理する、同じイギリスの国際NPO「CDP」の技術支援を受け、共同で運営しています。

RE100の参加企業は、今ではアメリカやヨーロッパにとどまらず、日本を含むアジア・太平洋地域などに広がっています。業種も自動車や電化製品、食料品などのメーカーのほか、小売業、情報技術(IT)産業など様々です。

参加の条件

RE100には世界中のどんな企業でも参加できるわけではありません。その条件とは何でしょうか。

RE100の参加条件は次の4つです。

  1. 国際的に、または各国内で認知・信頼されるブランドであること
  2. 主要な多国籍企業であること(アメリカの雑誌「フォーチュン」が毎年発表する世界のトップ企業「フォーチュン1000」と同等)
  3. 年間消費電力量が100ギガワット時以上(日本企業は50ギガワット時以上)
  4. RE100の目的に役立つ、国際的、地域的な影響力があること

このうちのどれか1つ以上にあてはまる必要があり、中でも年間消費電力量が最も重視されます。本社だけでなく、50%以上の株式をもつ子会社も含めてグループ全体が対象になります。発電や発電関連事業が主な収入源だったり、化石燃料を推進したりする企業は参加できないことになっています。

参加企業はIT大手のグーグル、アップル(いずれもアメリカ)のほか、BMW(ドイツ)、ゼネラル・モーターズ(アメリカ)、スターバックス(アメリカ)、イケア(オランダ)などの有名企業ばかりです。メンバー企業の総売上額は計4兆5000億ドルを超えるといわれています。

各企業は自社の事業活動で消費する電力に占める再エネ比率を、遅くとも2050年までに100%にすることを公約し、そのための戦略や工程表を公表します。その進捗状況をチェックするため、毎年、グループ全体の消費電力量や再エネ購入量、再エネ発電量の実績などを報告しなければなりません。さらに年会費が1万5000ドルかかります。

RE100自体が「世界で最も影響力のある企業」による取り組みを強調し、有名企業が結集することで、脱炭素社会の実現へ各国政府や投資家の行動を促すのが狙いです。こうした条件から、日本の中小企業が参加するのは現実的には難しいといえます。

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日本の参加企業

日本企業では2017年4月に精密機器メーカーのリコーが初めて参加しました。その後、参加企業が相次ぎ、今ではソニーやイオン、味の素など42社(2020年11月現在)に上っています。金融や製造業、小売業、飲食業など幅広い業種から参加しています。

RE100に参加している日本企業一覧(2020年11月時点)

クリックして表を開く
株式会社リコー 積水ハウス株式会社
アスクル株式会社 大和ハウス工業株式会社
ワタミ株式会社 イオン株式会社
城南信用金庫 株式会社丸井グループ
富士通株式会社 株式会社エンビプロ・ホールディングス
ソニー株式会社 芙蓉総合リース株式会社
生活協同組合コープさっぽろ 戸田建設株式会社
コニカミノルタ株式会社 大東建託株式会社
株式会社野村総合研究所 東急不動産株式会社
富士フイルムホールディングス株式会社 アセットマネジメントOne株式会社
第一生命保険株式会社 パナソニック株式会社
旭化成ホームズ株式会社 株式会社髙島屋
株式会社フジクラ 東急株式会社
ヒューリック株式会社 株式会社LIXILグループ
楽天株式会社 株式会社 安藤・間
三菱地所株式会社 三井不動産株式会社
住友林業株式会社 小野薬品工業株式会社
日本ユニシス株式会社 株式会社アドバンテスト
味の素株式会社 積水化学工業株式会社
株式会社アシックス J.フロント リテイリング株式会社
アサヒグループホールディングス株式会社 キリンホールディングス株式会社

このうち、ソニーはヨーロッパの事業所ですでに再エネ比率100%を達成しているといいます。しかし、消費電力の多い日本を中心にグループ全体ではまだ約5%にとどまっています。今後は世界中の事業所に太陽光発電を導入したり、電力会社から水力や地熱発電の電気だけを購入したりして、2040年にはグループ全体で100%を達成するとしています。

広がりの背景

様々な条件や毎年の報告を科されながら、RE100に参加する企業が急増しているのはなぜでしょうか。参加企業にはどんなメリットがあるのでしょうか。

株式会社博報堂の2019年11月の調査によると、消費者の7~8割が「環境・社会に配慮した商品」を購入したいと答えるなど、環境問題に対する消費者の意識は年々高まっています。国際的な取り組みであるRE100への参加をアピールできれば、こうした消費者の意識にこたえ、企業イメージや商品の魅力を高めることにつながります。

また、投資家や株主の間では最近、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の3点を重視するESG投資が注目されています。RE100に参加することは環境問題や社会に貢献する企業姿勢を示し、投資家の評価を高めることになるのです。特にグローバルに事業を展開する企業にとってRE100の一員になることは、消費者や投資家を引きつける大きなメリットがあるといえます。国際的な取引で信用を高める効果も期待でき、参加企業はますます増えていくと予想されます。

まとめ:R100とは?

RE100は、温室効果ガスの削減をめざす企業でつくる国際的なイニシアチブ(取り組み)です。国際的に知られ、信頼されているブランドであることが参加条件で、グーグル、BMW、スターバックスなどのほか、日本からもソニーなど40社が参加しています。参加企業は遅くとも2050年までに自社の事業で消費する電力を100%再エネでまかなうことを公約し、戦略的に取り組むことになります。

RE100は「世界で最も影響力のある企業」が温室効果ガスの排出削減に取り組むことで、脱炭素社会の実現に向けて各国政府や投資家の行動を促すのが狙いです。参加企業はRE100に参加することで、環境問題などに意識が高い消費者や投資家に対し、企業や商品の魅力をより高めることができます。グローバルに事業を展開する企業にとっては、国際的な取引で信用を高める効果も期待できます。参加によるメリットは大きく、参加企業はますます増えていくと思われます。

世界の電力消費量の半分を占めるといわれる産業部門で再エネの利用が活発化することで、地球規模での温室効果ガスの削減に一定の効果を与えることが期待されています。さらに、こうした大企業の取り組みをきっかけに社会全体の意識が高まったり、再エネ発電のコストダウンが進んで普及が加速したりするなどの波及効果もあるでしょう。

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