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- 請求額は基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金の4つで構成される
- 請求書でまず見るべきは契約電力・最大需要電力・力率・使用電力量の4つの数字
- 燃料費調整額・再エネ賦課金・容量拠出金は需要家側で下げられない費用
- 高圧は自由料金のため、燃料費調整額に規制料金のような上限がありません
請求書(検針票)で最初に見る4つの数字
高圧電力の請求書には多くの項目が並びますが、電気代を検討するうえで押さえておくべき数字は限られています。
契約電力と最大需要電力
請求書にはその月の最大需要電力と、実際に基本料金の計算に使われた契約電力の両方が記載されています。この2つがずれている場合、過去11ヶ月のどこかで作ったピークが今の基本料金を決めているということです。
たとえば当月の最大需要電力が120kWなのに契約電力が180kWになっていれば、60kW分は過去のピークに対して払っている状態です。詳しい仕組みは契約電力(デマンド)の決め方で解説しています。
力率
月間の平均力率が記載されています。85%を下回っていれば基本料金が割増されているため、改善の余地があります。
使用電力量と負荷率
使用電力量(kWh)そのものに加えて、負荷率という指標を計算しておくと役に立ちます。負荷率とは、契約している電力に対してどれだけ平均的に電気を使えているかを表す割合です。
負荷率(%)= 使用電力量(kWh)÷(最大需要電力(kW)× 時間(h))× 100
1ヶ月を30日(720時間)として、最大需要電力150kW・月間使用量43,200kWhの施設なら、43,200 ÷(150 × 720)× 100 = 40%となります。
負荷率が重要なのは、電力会社が単価を提示するときに見ている指標のひとつだからです。同じ使用量でも、負荷率が高い(電気の使い方が平準化されている)施設のほうが電力会社にとって扱いやすく、有利な条件が出やすくなります。逆に負荷率が低い施設は、大きな設備を確保しておきながら実際にはあまり使っていないことになります。
請求額の4つの構成要素
高圧電力の請求額は、次の4つを合計して計算されます。
高圧電力の請求額の内訳
| 項目 | 計算式 | 需要家が下げられるか |
|---|---|---|
| ①基本料金 | 基本料金単価 × 契約電力 ×(1.85 − 力率) | できる(契約電力・力率) |
| ②電力量料金 | 電力量料金単価 × 使用量(kWh) | できる(使用量の削減) |
| ③燃料費調整額 | 燃料費調整単価 × 使用量(kWh) | できない |
| ④再エネ賦課金 | 再エネ賦課金単価 × 使用量(kWh) | できない |
①と②は単価が交渉の対象になり、契約電力・力率・使用量という需要家側の要素でも動きます。一方③と④は単価が外部で決まるため、使用量を減らす以外に手がありません。
高圧電力では①基本料金の比重が大きくなります。契約電力が大きいほど基本料金も比例して増え、電気をあまり使わなかった月も同額が請求されるためです。
需要家が下げられない上乗せ費用
電気代が上がったときに「電力会社を変えれば下がるのか」を判断するには、値上がりの原因が交渉可能な単価にあるのか、それとも制度で決まる上乗せにあるのかを見分ける必要があります。
燃料費調整額
燃料費調整額は、火力発電の燃料(原油・LNG・石炭)の価格変動を電気料金に反映させる仕組みです。
各月の3〜5か月前の3か月間の貿易統計価格から「平均燃料価格」を算定し、料金設定の前提となる「基準燃料価格」との差額を単価に換算します。平均燃料価格が基準を上回ればプラス調整(値上げ)、下回ればマイナス調整(値下げ)です。
数か月前の燃料価格が反映されるため、燃料価格が下がってもすぐには請求額に表れません。為替の影響も受け、円安は輸入燃料価格を押し上げるため調整単価の上昇要因になります。
これは消費者保護のための措置であり、高圧電力のような自由料金には適用されません。2022年の燃料価格高騰時に高圧の需要家が大きな影響を受けたのは、この上限がなかったことが理由のひとつです。契約するプランの燃料費調整の条項は必ず確認しましょう。
再エネ賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、FIT・FIP制度による再エネ電力の買取費用を電気の使用者全体で負担する制度です。単価は全国一律で、毎年度、経済産業大臣が決定します。
2026年度の単価は4.18円/kWhです。電力会社を変えても単価は変わりません。使用量に比例するため、使用量の大きい高圧の需要家では金額として大きくなります。月間使用量43,200kWhの施設なら、月あたり約18万円が再エネ賦課金です。
容量拠出金
容量拠出金は、将来の供給力(kW)を確保する容量市場の費用を小売電気事業者が負担する制度です。電力広域的運営推進機関(OCCTO)が運営し、2024年度から実需給が始まりました。
請求書に独立した項目として載るとは限りません。小売電気事業者の費用として発生し、最終的には電力量料金の単価などに転嫁されます。そのため「単価が上がった理由」として説明されることがあります。
容量市場の約定価格の推移
| 対象実需給年度 | 約定価格(円/kW) |
|---|---|
| 2024年度 | 14,137円 |
| 2025年度 | 5,242円 |
| 2026年度 | 3,495円 |
| 2027年度 | 5,099円 |
初回となる2024年度の約定価格が14,137円/kWと高額で、電気料金への影響が懸念されました。その後は水準が下がっています。負担額は小売電気事業者ごとに異なるため、同じ使用条件でも会社によって転嫁の度合いに差が出ます。これも見積もりを比べる意味があるところです。
託送料金
送配電網の利用料である託送料金も、電気代に含まれています。ただし通常は独立した項目ではなく、電力量料金や基本料金の単価に組み込まれています。
託送料金は受電する電圧によって水準が変わり、特別高圧・高圧・低圧の順に高くなります。高圧が低圧より単価が安い理由のひとつがこれです。詳しくは託送料金の解説をご覧ください。
見積もりを依頼するときに必要な情報
高圧電力の単価は使用状況をもとに個別に提示されるため、見積もりを依頼するときは実際の使用実績を伝える必要があります。請求書(検針票)を手元に用意すれば、ほぼ揃います。
- 契約電力(kW)
- 直近12ヶ月の月別使用電力量(kWh)
- 直近12ヶ月の月別最大需要電力(kW)
- 現在の契約先の電力会社とプラン名
- 現在の請求額(基本料金・電力量料金の内訳がわかるもの)
- 力率
- 施設の所在地(エリアによって託送料金が変わるため)
12ヶ月分をまとめて用意するのがポイントです。季節による使い方の差が単価の前提になるため、1ヶ月分だけでは正確な条件が出ません。
1社ずつ問い合わせて同じ資料を送る作業を繰り返すのは負担が大きいため、複数社へまとめて依頼できる一括見積もりサービスの利用が現実的でしょう。セレクトラでは高圧・特別高圧の一括見積もりとして「エネチェンジBiz」をご案内しています。エネチェンジは電力会社ではなく、複数社の見積もりを集めて比較するためのサービスです。
単価が個別に決まる仕組みそのものについては高圧電力の基礎解説で詳しく触れています。
高圧電力の料金に関するよくある質問
基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金の合計です。基本料金は「基本料金単価 × 契約電力 ×(1.85 − 力率)」、電力量料金は「単価 × 使用量」で計算します。単価は電力会社との個別交渉で決まりますが、この計算式自体はどの電力会社でも共通です。
契約電力・最大需要電力・力率・使用電力量の4つです。当月の最大需要電力より契約電力が大きければ過去のピークが基本料金を押し上げており、力率が85%を下回っていれば基本料金が割増されています。どちらも電力会社を変えずに改善できます。
契約している電力に対してどれだけ平均的に電気を使えているかを示す割合で、「使用電力量 ÷(最大需要電力 × 時間)× 100」で計算します。電力会社が単価を提示する際に見る指標のひとつで、負荷率が高い施設ほど有利な条件が出やすくなります。ピークを平準化すると負荷率は上がります。
ありません。基準燃料価格の1.5倍という上限は一般家庭向けの規制料金に設けられた消費者保護措置で、高圧電力のような自由料金には適用されません。2022年の燃料価格高騰時に高圧の需要家が大きな影響を受けたのはこのためです。契約時に燃料費調整の条項を確認してください。
独立した項目として載るとは限りません。容量拠出金は小売電気事業者が負担する費用で、最終的には電力量料金の単価などに転嫁されます。負担額は事業者ごとに異なるため、同じ使用条件でも会社によって転嫁の度合いに差が出ます。
直近12ヶ月分の請求書(検針票)があればほぼ揃います。契約電力、月別の使用電力量と最大需要電力、現在の電力会社とプラン名、請求額の内訳、力率、施設の所在地が必要です。季節による使い方の差が単価の前提になるため、1ヶ月分ではなく12ヶ月分を用意してください。