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電気代やガス代の値上がりが続くなか、多くの人が「こまめに消灯する」「エアコンの設定温度を我慢する」といった節約に取り組んでいます。しかし、努力を続けなければ効果が消えてしまうのが、こうした「我慢の節約」の弱点です。
その点、物を減らして環境そのものを変える「断捨離」は、一度やってしまえば効果が半永久的に続きます。なぜ物を捨てることが光熱費の削減につながるのか、資源エネルギー庁などの試算データをもとに見ていきましょう。
- 冷蔵庫の中身を半分に減らして設定温度を下げると、年間約3,500円の節約になる
- 部屋と室外機の周りを片付けると、冷暖房の設定温度を1℃緩められる
- 使っていない家電を手放すと、気づかないうちに流れている待機電力が消える
- 3つを合わせると、年間8,500円〜15,000円以上の削減が期待できる
なお、家庭のガス代は給湯とコンロが大半を占めるため、断捨離の効果がはっきり出るのは電気代の方です。この記事では電気代を中心に紹介します。他の方法も合わせて知りたい方は、電気代の節約方法もご覧ください。
理由①冷蔵庫の「詰め込み断捨離」で年間約3,500円の節約
家庭の電気代の中でも大きな割合を占めるのが冷蔵庫です。1年中止めることなく動き続けているため、使い方の違いがそのまま年間の電気代に表れます。
賞味期限切れの調味料や「とりあえず」で保存した食材が、扉の奥に眠っていませんか。資源エネルギー庁の試算によると、冷蔵庫の効率は中身の量に大きく左右されます。
冷蔵庫の使い方別:年間で節約できる電気料金
| 見直すポイント | 年間の 節約電力量 |
年間の 節約額 |
|---|---|---|
| 詰め込みすぎず、中身を半分に減らす | 43.84kWh | 約1,360円 |
| 無駄な開け閉めをしない | 10.40kWh | 約320円 |
| 扉を開けている時間を短くする | 6.10kWh | 約190円 |
| 設定温度を「強」から「中」にする | 61.72kWh | 約1,910円 |
| 合計 | 約122kWh | 約3,780円 |
*資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド」の試算をもとに、電気料金単価31円/kWhで算出
まずは常温で保存できるものを外に出す
冷蔵庫の中身がぎゅうぎゅうに詰まっていると、冷気が奥まで回りません。その結果、庫内を設定温度まで下げるのに余計な電力を使うことになります。
そこでおすすめなのが、缶詰やレトルト食品、開封前の調味料など、常温で保存できるものを冷蔵庫から出してしまうことです。中身が減れば冷気の通り道ができ、それだけで年間約1,360円の節約になります。
中身が減れば設定温度も「中」で足りる
この表で最も節約額が大きいのは、設定温度を「強」から「中」に変える項目です。ただし、詰め込んだままの冷蔵庫で設定温度を下げると、食材が十分に冷えない恐れがあります。
逆に言えば、中身を減らして冷気が回るようにして初めて、無理なく「中」に落とせるということです。断捨離と設定温度の見直しはセットで考えるのが正解で、中身を半分にする約1,360円と設定温度を下げる約1,910円を合わせると、この2つだけで約3,300円の節約になります。
冷蔵庫の電気代そのものの計算方法は、冷蔵庫の電気代のページで詳しく解説しています。
理由②エアコンと室外機周りの断捨離で冷暖房効率が上がる
エアコンの電気代が膨らむ最大の原因は、空気の流れが妨げられることです。風の通り道を塞いでいる物を減らすだけで、同じ設定温度でも部屋は早く快適になります。
物を減らすと、エアコンの風が部屋の奥まで届く
部屋に物が溢れていると、エアコンの送風が部屋全体に行き渡らず、設定温度に達するまでハイパワー運転が続いてしまいます。エアコンが最も電力を使うのは、この立ち上がりの時間帯です。
不要な家具や積み上がった衣類を手放して床と空間を空けると、風が効率よく循環するようになります。環境省の目安では、冷房の設定温度を1℃上げると消費電力は約13%、暖房の設定温度を1℃下げると約10%削減できるとされています。
つまり、片付けによって「設定温度を1℃緩めても快適」な状態を作れれば、それだけで1割前後の節電になるということです。
室外機の周りは「物置き」にしない
見落とされがちなのが、ベランダや庭に置かれた室外機の周りです。プランターや使っていないレジャー用品を、室外機の前に置いたままにしていないでしょうか。
室外機は、室内の熱を外に逃がすための排熱装置です。周りに物があって排熱が滞ると、冷却効率が落ちて余計な電力を消費します。室外機の前と側面のスペースを空けるだけで、冷房の効率は目に見えて変わります。
室外機に直射日光が当たると、排熱がさらにしにくくなります。すだれや植木で日陰をつくるのは有効ですが、吹き出し口を塞いでしまうと逆効果です。あくまで「風の通り道は空けたまま、日差しだけ遮る」のがポイントです。
夏の節電については、夏の電気代とエアコンの節約方法でも詳しく紹介しています。
理由③使っていない家電の断捨離で「待機電力」が消える
部屋の隅やクローゼットの奥で、埃を被っている家電はありませんか。「めったに使わない家電」や「10年以上前の古い家電」も、断捨離の対象です。
待機電力は家庭の消費電力の約5%を占める
テレビやゲーム機、古いオーディオなどは、使っていなくてもコンセントにつながっているだけで電力を消費し続けています。資源エネルギー庁の調査では、この待機時消費電力が家庭の年間消費電力量の約5%、年間およそ228kWhに上るとされています。電気料金単価31円/kWhで計算すると、年間約7,000円分に相当します。
使わない家電を本体ごと手放してしまえば、この待機電力は完全にゼロになります。「使うかもしれない」と残しているうちは、プラグを抜いておくだけでも効果があります。
サブの家電を手放すと、買い替えより効果が出ることも
意外と見落とされているのが、2台目として置いてある小型冷蔵庫や、使っていない電気ポット、古い電気ストーブなどです。特にサブの冷蔵庫は24時間動き続けるため、1台手放すだけで年間数千円単位の節約になることがあります。
10年前の冷蔵庫やエアコンは、最新モデルに比べて消費電力が大きい傾向にあります。台数を減らして省エネモデルに一本化すれば、年間で数千円から数万円の節約につながります。家電ごとの消費電力は、家電の消費電力と電気代の計算方法で確認できます。
照明器具も「数」から見直す
使っていない部屋のスタンドライトや、予備の白熱電球も断捨離の対象です。照明器具の数そのものを減らせば、点けっぱなしになる場所が物理的になくなります。
残す照明をLEDに一本化するのも効果的です。白熱電球をLED電球に替えると消費電力は8割以上下がるため、器具の整理とLED化をまとめて進めるのがおすすめです。
試算:断捨離で年間いくら光熱費が安くなる?
ここまで紹介した3つの断捨離と照明の見直しを合わせると、年間でどれくらいの節約になるのかをまとめました。
断捨離アクション別:年間の節約額早見表
| 断捨離のアクション | 節約につながる理由 | 年間の 節約額の目安 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫の中身を整理する (半分に減らして設定温度を「中」へ) |
冷気の循環が良くなり、開け閉めのロスも減る | 約3,500円〜 |
| エアコンと室外機の周りを片付ける | 風と排熱が妨げられず、設定温度を1℃緩められる | 約2,000円〜4,000円 |
| 使っていない家電を手放す | 気づかないうちに流れている待機電力がなくなる | 約1,000円〜3,000円 |
| 不要な照明器具を減らしてLEDに一本化する | 点けっぱなしになる場所が減り、消費電力そのものも下がる | 約2,000円〜 |
| 合計の目安 | — | 年間約8,500円〜 15,000円以上 |
*住まいの広さ、家族の人数、使っている家電の年式によって効果は変わります
金額の幅はありますが、一度片付けてしまえば効果が続くのが断捨離の強みです。毎月の請求額でいえば、700円〜1,200円ほど軽くなるイメージです。
今日からできる「光熱費カットの断捨離」チェックリスト
全てを一度にやろうとすると続きません。効果の大きい順に、次の5つから始めてみてください。
- 冷蔵庫から、常温で保存できる缶詰やレトルト食品を出す
- 賞味期限切れの調味料を処分し、庫内の中身が半分になるまで減らす
- 中身が減ったら、冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」に変える
- 室外機の前と側面に置いてある物を全てどかす
- 1年間使っていない家電をリストにして、手放すかプラグを抜くかを決める
ここまでできたら、エアコンの風が通る動線に大きな家具がないかを見直しましょう。床が見える面積が増えるほど、部屋の空気は回りやすくなります。
まとめ:我慢しない節約は「片付け」から
電気を点けずに過ごす、冷暖房を我慢するといった節電は、ストレスが溜まるだけでなく、夏場は熱中症などのリスクもあります。家族がいる家庭では、そもそも続けるのが難しいでしょう。
一方、断捨離による節約は、環境を整えるだけで効果が自動的に続きます。「最近光熱費が高いな」と感じたら、まずは冷蔵庫の中身チェックと室外機周りの片付けから始めてみてはいかがでしょうか。
断捨離で使う電力を減らしても、契約している電気料金の単価が高ければ請求額はなかなか下がりません。使用量を減らす工夫と、単価を下げる電力会社の見直しは、両方合わせて効果が出ます。
電気代そのものを下げたい方はこちら :