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この記事の結論

調査した954型式のうち619型式(64.9%)でクラスが動き、4補償の合計が下がったのは376型式、上がったのは197型式でした。下げ幅が最大だったのはシエンタのMXPL15Gで、合計9段階下がっています。上がった動きは1段階か2段階どまりで、3段階以上の上昇は1件もありませんでした。

型式別料率クラスの仕組みそのもの(なぜ車種で保険料が変わるのか、クラスはどう決まるのか)は車種で自動車保険はどれくらい変わるかで扱っています。この記事は、その仕組みが2026年適用で実際にどう動いたかを数えたものです。

ここで扱うのは前年からの変化であって、クラスの水準ではありません。2026年適用のクラスそのものが低い型式・高い型式を知りたい場合は、122車名1,358型式から2022年以降発売の179型式を集計した型式別料率クラスが低い車ランキングで確認できます。クラスが大きく下がった型式でも、下がる前の水準が高ければ2026年適用のクラスは高いままです。

調査の方法

母集団は販売台数上位の64車種・954型式

対象にしたのは、2025年(暦年)の販売台数で上位だった車です。登録車は日本自動車販売協会連合会の乗用車ブランド通称名別順位の上位50車種、軽自動車は全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報の乗用車ベスト15を使いました。ジムニーが両方に入るため、車名としては64車種です。

この64車種にひもづく型式を損害保険料率算出機構の型式別料率クラス検索で1件ずつ引き、954型式について対人・対物・人身傷害・車両の4クラスと、その前年(2025年適用)のクラスを取得しました。954型式はすべて前年にもクラスが設定されていた型式です。生産終了した古い型式も、機構の検索に残っているかぎり含めています。

車名ではなく型式で引く

クラスは車名ではなく型式ごとに決まります。同じ車名でも型式が違えばクラスは別物です。さらに、販売統計の通称名と機構の車名分類は粒度が違います。たとえば機構の車名「ムーヴ」にはムーヴキャンバスの型式(LA850S・LA860S)も含まれています。この2つの型式はダイハツのムーヴキャンバス主要諸元表に記載されているものです。

この記事の表も機構の車名と型式で並べています。自分の車を探すときは、車検証の型式で照合してください。

954型式の3分の2でクラスが動いた

4つの補償のうち1つでも動いた型式は619型式で、全体の64.9%にあたります。4補償すべて据え置きだったのは335型式でした。

4補償の合計で見ると、下がった型式が376、上がった型式が197、上下が相殺して同点になった型式が46です。下がった型式は上がった型式の約2倍あります。

補償別に見ると、いちばん動いたのは対人

補償別のクラス変動(2026年適用・954型式)

対人・対物・人身傷害・車両それぞれで下がった型式数と上がった型式数
補償 下がった 上がった 据え置き
対人 191 118 645
対物 165 72 717
人身傷害 164 81 709
車両 178 67 709

いちばん動いたのは対人で、309型式(下191・上118)が前年と違うクラスになりました。据え置きが多いのは対物と車両です。4つのどの補償でも、下がった型式のほうが上がった型式より多くなっています。

動き幅は1〜2段階が98%|3段階以上は下げだけ

補償ごとの移動を1件と数えると、動いた回数は全部で1,036件です。その内訳が次の表です。

1件あたりの移動幅の分布(1,036件)

クラスが何段階動いたかの件数分布
移動幅 件数
−5段階 1
−4段階 1
−3段階 19
−2段階 132
−1段階 545
+1段階 246
+2段階 92
+3段階以上 0

1段階か2段階の移動が1,015件で、全体の98%を占めます。注目したいのは方向で、3段階以上動いたのは21件すべてが下げでした。上げは+2段階が上限で、+3段階以上は1件もありません。

これは仕組みと一致します。クラスは通常1〜2段階ずつ動きますが、発売から約3年が経って保険実績がたまった型式は、リスクが低ければより大きく下がることがあるためです。最も大きかったのはライズのA210Aで、対人が10から5へ5段階下がりました。

クラスが下がった型式ランキング|登録車

ここからは、いま新車や高年式の中古で選ばれる型式にしぼります。AEB割引が今年または前年に「対象」だった型式=発売からおおむね3〜4年以内の型式です。登録車では117型式が該当し、そのうち67型式でクラスの合計が下がりました。

下げ幅の大きい15型式が次の表です。数字は「前年→2026年」で、動かなかった補償は1つの数字だけを記載しています。

2026年適用でクラスが下がった型式 TOP15(登録車)

登録車の新しい型式のうち、4補償の合計で下げ幅が大きかった15型式
車名・型式 合計 対人 対物 人身傷害 車両 AEB割引
シエンタ MXPL15G −9 6→4 7→3 9→8 8→6 対象→対象外
シビック FL5 −7 6→5 4→1 9→8 9→7 対象→対象外
シエンタ MXPC10G −6 4→1 3→1 8 7→6 対象→対象外
シエンタ MXPC12G −6 6→5 6→4 9 7→4 対象→対象外
シエンタ MXPL10G −6 4→1 6→3 8→9 8→7 対象→対象外
ステップワゴン RP7 −6 6→5 6→3 9→8 8→7 対象→対象外
カローラ MZEA17 −5 6 6→4 9→8 9→7 対象→対象外
フリード GT1 −5 6→5 7→5 9 8→6 対象
クラウン AZSH36W −5 7→6 6→4 9 11→9 対象
クラウン TZSH35 −5 7→6 7→5 8→7 9→8 対象→対象外
ランドクルーザー TRJ250W −5 8→7 8→6 9 13→11 対象
LBX MAYH15 −5 6→5 7→5 9 11→9 対象
カローラ ZWE219 −4 7 7→5 9→8 9→8 対象→対象外
アルファード AGH45W −4 7 7→5 9 10→8 対象
セレナ FC28 −4 6→5 5→3 9→8 9 対象→対象外

出典:損害保険料率算出機構「型式別料率クラス検索」(2026年適用・2026年9月15日にセレクトラ編集部が確認)。車名は機構の分類のまま記載しています。型式の車種はメーカーの主要諸元表で確認しました(シエンタ、シビック TYPE R、ステップワゴン、カローラ、フリード、クラウン スポーツ)。

上位はシエンタが4型式を占めました。現行シエンタは2022年8月発売で、AEB割引の対象期間を過ぎたタイミングと、実績がクラスに反映されるタイミングが重なっています。MXPL15Gは4つの補償すべてが下がり、対物は7から3へ4段階動きました。

2位のFL5はシビック TYPE Rです。スポーツモデルはクラスが高いという印象とは逆に、対物が4から1へ下がっています。

クラスが上がった型式|登録車の新しい型式では18件だけ

同じ117型式のうち、合計が上がったのは18型式です。下がった67型式に対して4分の1ほどで、上げ幅も最大+4にとどまります。

2026年適用でクラスが上がった型式(登録車・全18件)

登録車の新しい型式のうち、4補償の合計が上がった18型式
車名・型式 合計 対人 対物 人身傷害 車両
フリード GT5 +4 6→8 7→8 9 8→9
CX-80 KL3P +3 8 8→10 9 12→13
フリード GT6 +2 6→7 7 9 8→9
フリード GT8 +2 6 7→9 9 8
クラウン AZSH32 +2 7→6 6→8 9 10→11
CX-30 DM8R +2 7 7→8 9 8→9
MAZDA3 BPEK3R +2 7 6→8 9 10
オデッセイ RC5 +2 7 7 9 8→10
ヤリス MXPH14 +1 6→5 7 9→11 8
ヤリス MXPH17 +1 6 7 9 9→10
セレナ GFC28 +1 5 5 9→10 11
インプレッサ GU6 +1 7 6 9 9→10
インプレッサ GU7 +1 7 7→6 9 8→10
スイフト ZCEDS +1 6→5 6 9 7→9
スイフト ZDEDS +1 6 7 9→10 7
ZR-V RZ4 +1 8→9 8 9 11
MAZDA3 BP8R +1 7 8→9 9 11
MAZDA3 BPFJ3R +1 7 9 10 10→11

この表で目を引くのはフリードです。同じ現行フリードでも、GT1は合計5段階下がり、GT5は4段階上がりました。車名で「フリードの保険料は上がった」「下がった」とは言えないということです。GT1からGT8まではいずれも現行フリードの型式で、駆動方式やパワートレインの違いで分かれています。

なお、上がった18型式はすべてAEB割引の対象のままです。割引の対象期間中にクラスだけが上がった型式ということになります。

AEB割引が外れた46型式のうち、41型式はクラスが下がった

954型式のAEB割引の状態を前年と比べると、次のようになりました。

AEB割引の対象可否の変化(954型式)

前年と2026年適用のAEB割引対象可否の組み合わせと件数
前年(2025年適用) 2026年適用 型式数
対象外 対象外 822
対象 対象 86
対象 対象外 46
対象外 対象 0

AEB割引は、保険実績の蓄積が十分でない「発売後約3年以内の型式」を対象にした割引です。したがって対象外から対象に戻る型式はなく、実際に0件でした。

重要なのは、割引を失った46型式のその後です。41型式は4補償の合計が下がり、5型式は変化なし、上がった型式は1件もありませんでした。割引が外れる時期と、実績がクラスに反映されて下がる時期が重なっているということです。

この動きを1台で確認できる例がプリウスです。現行のZVW60は2026年適用でAEB割引の対象から外れた一方、車両クラスが9から7、対物が6から5に下がりました。

割引が外れた年に保険料が下がるとはかぎりません

AEB割引の有無とクラスの水準は別々に保険料へ効きます。どちらの影響が大きいかは各社の料率によって変わるため、「割引が外れてもクラスが下がるから同じ」とは言えません。実際の金額は見積もりで確認してください。

軽自動車は新しい型式で上がったものがゼロ

軽自動車のクラスは1〜7の7区分で、登録車の1〜17とは別のスケールです。今回の161型式では、下がったのが71型式、上がったのが27型式でした。

AEB割引が今年または前年に対象だった軽の型式は15件で、そのうち下がったのが7型式、上がったのは0型式、残る8型式は据え置きです。

軽自動車の新しい型式(2026年適用・15型式)

AEB割引の対象だった軽自動車の型式のクラス変化
車名・型式 合計 対人 対物 人身傷害 車両
ムーヴ LA860S −7 3→1 4→2 4→3 5→3
N-BOX JF5 −4 4→2 4→2 4 4
N-BOX JF6 −4 4→3 4→2 6→5 4
eK B5AW −4 3→2 4→2 4 6→5
ムーヴ LA850S −3 1 4→2 4→3 5
スペーシア MK54S −2 4 4→2 4 6
スペーシア MK94S −1 4→2 2 4 4→5
ルークス BB1A・BB2A・BB5A・BB6A ±0 4 4 4 4
アルト HE93S ±0 4 4 4 4
eK BA1A・BA5A ±0 4 4 4 4
エブリイ DA18W ±0 4 4 4 4

据え置きの型式が4補償とも「4」で揃っているのは偶然ではありません。軽四輪の乗用車は、新しく発売された型式には保険実績がないため一律でクラス4が適用されます。表の下半分は、まだ実績が反映される前の型式ということです。

一方、N-BOXのJF5は対人と対物が4から2へ下がりました。軽の1〜7というスケールで2段階下がるのは小さくない動きです。N-BOXの全型式はN-BOXの保険料と料率クラスにまとめています。軽自動車全体の保険料相場は軽自動車の保険料が安い自動車保険ランキングです。

クラスが下がっても、保険料が同じだけ下がるわけではない

型式別料率クラスは保険料を決める区分のひとつにすぎません。実際の保険料には等級・年齢条件・運転者範囲・使用目的・走行距離が乗り、各社の料率も同じではありません。クラスが2段階下がった年でも、等級や年齢条件が変われば保険料は据え置きや値上がりになります。

セレクトラ編集部が同じ車・同じ車両保険金額で契約条件だけを変えて見積もりを取ったところ、車両保険なしの相場が約1.6倍違いました。クラスより先に効くのは契約条件のほうです。実例はN-BOXの実測とミニバンの料率クラス比較で確認できます。

クラスが下がった年は、更新の見積もりを取り直す口実としては十分です。車種を問わない最安値は安い自動車保険ランキングにまとめています。

型式別料率クラスの変化|よくある質問

毎年1月1日以降に始まる契約から新しいクラスが適用されます。翌年分は前年の11月ごろに損害保険料率算出機構が公表するため、年内に数値が変わることはありません。この記事は2026年適用のクラスを、前年の2025年適用と比較したものです。

損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス検索」で、メーカー・車名・型式を指定すると対人・対物・人身傷害・車両の4つのクラスと前年のクラスが表示されます。型式は車検証に記載されています。同じ車名でも型式が違えばクラスは別物なので、車名ではなく型式で引いてください。

同じだけ下がるとはかぎりません。型式別料率クラスは保険料を決める区分のひとつで、実際の保険料には等級・年齢条件・運転者範囲・走行距離なども乗ります。各社が使う料率も同じではありません。クラスが下がった年に他の条件が変われば、保険料は据え置きや値上がりになることもあります。

AEB割引は保険実績の蓄積が十分でない「発売後約3年以内の型式」を対象にした割引です。期間を過ぎると割引の対象から外れますが、そのころには実績がたまり、リスクが低ければクラスのほうが下がります。今回の調査では、AEB割引が対象から対象外に変わった46型式のうち41型式でクラスの合計が下がり、上がった型式は1件もありませんでした。

比べられません。普通車・小型車は1〜17の17区分、軽自動車は1〜7の7区分で、別のスケールです。軽の車両クラス4と普通車の車両クラス4は同じ意味ではないため、この記事でも登録車と軽自動車の表を分けています。

保険実績がないため、登録車は排気量・新車価格・発売年月などから決まり、軽自動車の乗用車は一律でクラス4が適用されます。今回の調査でも、直近に発売された軽の型式は対人・対物・人身傷害・車両がすべて4で据え置かれていました。

まとめ|2026年適用は「下げ」に寄った年

人気64車種の954型式を数えた結果、クラスが動いたのは619型式で、4補償の合計が下がった型式(376)は上がった型式(197)の約2倍でした。1件あたりの動き幅は1〜2段階が98%を占め、3段階以上動いた21件はすべて下げです。

下げが大きいのは、発売から3〜4年が経ってAEB割引の対象期間を過ぎた型式です。割引が外れた46型式のうち41型式でクラスが下がり、上がった型式はありませんでした。逆に、新しく発売された軽の型式は4補償とも一律クラス4のまま据え置かれています。

自分の車がどちらに動いたかは、車検証の型式で機構の検索にかければ確認できます。ただしクラスの上下がそのまま保険料の上下になるわけではないので、金額は自分の条件で見積もりを取って確かめてください。

5万円以上安くなった人も。得する人は見積もっている。