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9月8日夜の状況(21時現在)
避難や救助が必要な場合は、迷わず110番・119番へ連絡してください。
状況は現在も動いています。警報や避難情報は時間とともに変わります。行動を決める前に、必ず気象庁の防災情報と、お住まいの自治体が出している最新の避難情報を確認してください。
気象庁と国土交通省は8日午後6時20分、愛知県と岐阜県を流れる庄内川に氾濫特別警報(警戒レベル5)を発表しました。5段階の警戒レベルのうち最も高いもので、すでに氾濫が発生している可能性がある段階です。名古屋市にある矢田川の瀬古基準観測所で氾濫発生水位に到達し、氾濫が想定される市町村は、名古屋市を含む愛知・岐阜の14市町村にわたります。この洪水予報は、庄内川河川事務所と名古屋地方気象台が共同で発表したものです。21時時点で、解除の発表は確認できていません。
名古屋市では1時間に104.5ミリの猛烈な雨を観測し、2000年9月11日の東海豪雨で記録した97.0ミリを上回って、観測史上最大となりました。午後4時28分には、岐阜県美濃地方と愛知県西部で線状降水帯が発生したと発表されました。愛知県小牧市で102ミリ、瀬戸市や春日井市、犬山市、岐阜県多治見市、土岐市でも約100ミリの雨が観測されています。
気象庁と国土交通省は午後7時20分から会見を開きました。
国交省はこの会見で、川の様子を見に行かないこと、自治体の避難情報に基づいて行動すること、そして車での移動を控えることを呼びかけました。午後4時58分には長野県南部でも線状降水帯の発生する可能性が高まっていると発表されています。
国交省が「車での移動を控えて」と呼びかける理由
水深30センチで、車が動かなくなることがある
大雨のときに車が危険になるのは、車が走行できる水深には、思っているほど余裕がないからです。名古屋市はアンダーパス(周囲より路面が低くなっている区間)の通行について、公式サイトで次の基準を示しています。
| 水深の目安 | 起きること |
|---|---|
| 15センチ以上 | アンダーパスの表示が「通行止め」に切り替わり、エアー遮断機が作動する |
| 30センチ | 車が動かなくなる |
| 1メートル超 | 車両が浮いて流される可能性がある |
*出典:名古屋市「大雨時、アンダーパスの通行にご注意ください」
つまり、膝より低い水深でも、車が動かなくなることがあります。そして動かなくなった時点から、状況は自分の力では戻せなくなります。JAFの冠水路走行テスト(2010年4月8日実施)では、水深60センチのコースでセダンは時速10キロでも走りきれず、エンジン位置の高いSUVは時速10キロなら走りきれたものの、時速30キロではわずか10メートルでエンジンが止まりました。水深30センチでは、セダン、SUVともに時速10キロで走行できました。ただし、これは水深や路面の状態が分かっている実験コースでの結果です。
車が止まったあと、ドアが開かなくなることも
もうひとつのJAFのテストは、車からの脱出の難しさを検証しています。水深60センチのとき、セダンの運転席ドアを外側から開けるには通常の5倍近い力が必要でした。ミニバンの後席スライドドアは、男性でも外側から開けることができませんでした。JAFは、万一に備えて脱出用ハンマーを車内の手が届くところに常備しておくことが大切だとしています。
「行けるかな」と思って進入した時点で、引き返す余地はほとんどなくなります。だからこそ国交省の呼びかけは「気をつけて運転する」ではなく「移動を控える」なのです。
水害で車が被害にあった人が、最も後悔していること
後悔1位は「冠水した道路に入らない」
セレクトラ・ジャパンは2026年7月、大雨・冠水で車が被害にあった経験のある25名にアンケートを実施しました(インターネット調査)。設問のひとつが「もっとこうすればよかったという後悔・教訓」の自由回答で、その中で最も多く挙がったのが「冠水した道路に入らず、早めに迂回・引き返す」でした。
※回答者25名の自主アンケート(自己申告)です。小規模な調査のため、件数は「25名中◯名」の目安として傾向を示すものです。
※自由回答をテーマ分類(1人が複数テーマにまたがる場合あり・件数ベース)。セレクトラ・ジャパン「大雨・冠水による車の被害 実態調査」(回答者25名・インターネット調査)より
上位4つのうち3つは、「移動の判断」に関する後悔でした。冠水路に入らない、車を早めに移動しておく、無理に外出しない。いずれも被害にあう前の時点で選べたことでした。実際、走行中に冠水路へ進入して被害にあった人は約9名で、アンダーパスや冠水した道路への進入が目立ちました。
被害にあった人の声
回答の中から、移動の判断に関する声を紹介します(原文ママ)。
「行けるかな」と思って進入したこと。これが、被害にあった人たちが最も後悔していた点です。危険だと分かったうえで進入する人は、ほとんどいません。冠水路は水が濁っていて深さも路面の状態も見えないため、通れそうに見えてしまうことがあります。
※出典:セレクトラ・ジャパン自主アンケート(2026年7月・インターネット調査、n=25)。自己申告による小規模調査のため、傾向・実体験の声として紹介しています。
いま移動しようとしている人へ
- まず、その移動を取りやめられないか考える。国交省の呼びかけは「気をつけて運転する」ではなく「控える」こと。送迎や買い物、出勤・帰宅などは、雨が弱まるまで待てないか確認する
- アンダーパスや立体交差の下、地下駐車場の出入口を避ける。水が集まる構造で、通行止めの表示や遮断機が作動していたら必ず迂回する
- 「行けるかな」で入らない。濁った水は深さが見えず、路面が抜けていても分からない。引き返せるうちに引き返す
- 川の様子を見に行かない。避難の判断は自治体の避難情報に従う
- 車が動かなくなったら、車を置いて高い場所へ避難する。ドアが開かなくなる前に車から離れる
- 駐車中の車は、動かせるうちに浸水しにくい場所へ。ただし移動そのものが危険な時間帯なら、車を移動させることは諦める
エンジンや電子制御に水が入ったまま通電すると、ショートによる感電・車両火災につながるおそれがあります。とくにハイブリッド車(HV)・電気自動車(EV)は高電圧バッテリーを積んでいるため、車体や高電圧ケーブルには、むやみに触れないでください。「乾かせば動くのでは」と考えてエンジンを始動したり、通電させたりすると、かえって被害を広げます。
自走できなくなった車は、加入している自動車保険のロードサービスやJAFに救援を依頼します。自動車保険に付帯するロードサービスは、レッカー移動の無料距離が長く(多くは100キロ以上)、費用も原則立て替え不要です。JAF会員なら併用もできます。大雨の直後は電話がつながりにくくなることもあるため、連絡先をあらかじめ確認しておきましょう。
水没したとき、保険はどこまで補償されるか
大雨による車の損害は、車両保険で補償されます。台風・洪水・高潮による水没は、補償範囲の広い一般型でも、補償範囲を限定したエコノミー型(車対車+限定A)でも対象になります。一方、車両保険を付帯していない契約では、補償されません。25名を対象とした調査で「車両保険に入っておけばよかった」という後悔が約5名から挙がったのは、こうした補償の違いが背景にあります。
保険を使った場合の等級への影響は、衝突事故とは異なります。自然災害による損害で車両保険を使った場合は、追突事故などの3等級ダウン事故とは異なり、翌年は1等級ダウンとなります。ただし、地震・噴火・津波による損害は原則として対象外で、補償するには専用の特約が必要です。
*出典:ソニー損保、あいおいニッセイ同和損保
水没で払われるかどうかは、車両保険が付いているかで決まります
同じ補償条件のまま、複数社の保険料をまとめて比較。完全無料で、その場で金額がわかります。
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まとめ
- 庄内川には氾濫特別警報(警戒レベル5)が出ています。国交省は車での移動を控えるよう呼びかけています
- 水深30センチで、車が動かなくなることがあります。膝より低い水深でも動かなくなり、水深60センチではドアを外側から開けるのに通常の5倍近い力が必要になります
- 被害にあった人の後悔で最も多いのは「冠水した道路に入らない」でした。危険だと分かったうえで進入する人はほとんどおらず、「行けるかな」で入っています
よくある質問(FAQ)
名古屋市はアンダーパスについて、水深15センチ以上になると「通行止め」の表示に切り替わりエアー遮断機が作動する、水深30センチで車が動かなくなる、水深が1メートルを超えると車両が浮いて流される可能性があると説明しています。JAFの冠水路走行テストでは、水深60センチでセダンは時速10キロでも走りきれず、SUVも時速30キロではわずか10メートルでエンジンが止まりました。ただし、これは水深や路面の状態が分かっている実験コースでの結果です。実際の冠水路は水が濁っていて、深さも路面の状態も外から見えません。
まず車から離れて、安全な高い場所へ避難してください。JAFのテストでは、水深60センチのときにセダンの運転席ドアを外側から開けるには通常の5倍近い力が必要で、ミニバンの後席スライドドアは男性でも外側から開けることができませんでした。水が引いたあとも、自分でエンジンをかけないでください。エンジンや電子制御に水が入ったまま通電すると、ショートによる感電・車両火災につながるおそれがあります。ハイブリッド車・電気自動車は高電圧バッテリーを積んでいるため、車体や高電圧ケーブルにむやみに触れないことが重要です。救援は加入している自動車保険のロードサービス、またはJAFへ依頼します。
台風・洪水・高潮による水没は車両保険で補償され、補償範囲の広い一般型でも、補償範囲を限定したエコノミー型(車対車+限定A)でも対象になります。ただし、車両保険を付帯していない契約では補償されません。等級は、自然災害による損害の場合は、追突事故などの3等級ダウン事故とは異なり、翌年は1等級ダウンとなります。地震・噴火・津波による損害は原則として対象外で、専用の特約が必要です。実際の補償可否と支払額は契約中の保険会社の約款と査定によります。
出典
- 朝日新聞デジタル「愛知・岐阜の庄内川にレベル5氾濫特別警報 すでに氾濫発生の恐れ」(2026年9月8日/気象庁は8日午後6時20分に庄内川へレベル5氾濫特別警報、名古屋市守山区の瀬古基準観測所で氾濫発生水位に到達、気象庁と国交省は午後7時20分から会見し「これまでに経験したことがないような大雨で命の危険が迫っている。ただちに身の安全を確保してほしい」と呼びかけ、国交省は川の様子を見に行かず自治体の避難情報に基づいて行動するよう求めるとともに車での移動を控えるよう呼びかけ。午後4時28分に岐阜県美濃地方と愛知県西部で線状降水帯、午後3時台から4時台の1時間に小牧市102ミリ・名古屋市ほかで約100ミリ、午後4時58分に長野県南部で線状降水帯発生の可能性、午後4時台に岐阜県美濃地方・愛知県西部東部・三重県北中部で竜巻などの激しい突風の発生しやすい気象状況。東海道新幹線は三河安城―岐阜羽島駅間で1時間雨量が規制値を超え午後4時半現在で下り東京―新大阪間・上り岡山―東京間で運転見合わせ、午後5時15分から順次再開)
- NHK「名古屋 1時間雨量が101.5ミリに 観測史上最多 東海豪雨超える」(2026年9月8日/午後4時50分までの1時間に名古屋市で101.5ミリの猛烈な雨。その後、名古屋市の1時間雨量は104.5ミリに更新され、2000年9月11日の東海豪雨で記録した97.0ミリを上回って観測史上最大となった=毎日新聞ほか報道。本文は更新後の104.5ミリを採用)
- 名古屋テレビ「【レベル5・氾濫特別警報】庄内川」(2026年9月8日/氾濫が想定される市町村は多治見市、土岐市、名古屋市、一宮市、瀬戸市、春日井市、小牧市、稲沢市、清須市、北名古屋市、あま市、豊山町、大治町、蟹江町)
- NHK「愛知と岐阜を流れる庄内川に「レベル5 氾濫特別警報」」(2026年9月8日/午後6時20分に気象庁と国土交通省が発表、5段階の警戒レベルのうち最も高いレベルにあたる情報で最大級の警戒が必要)
- 日本気象協会 tenki.jp「【速報】庄内川が氾濫している可能性 「レベル5氾濫特別警報」発表」(2026年9月8日/8日18時20分発表、矢田川の瀬古基準観測所〈名古屋市〉で氾濫発生水位に到達、直ちに川から離れるなど命を守る行動をとるよう呼びかけ)
- 名古屋市「大雨時、アンダーパスの通行にご注意ください」(水深が15センチ以上になると「通行止め」の表示に切り替わりエアー遮断機が作動、水深30センチで車が動かなくなる、水深が1メートルを超えると車両が浮いて流される可能性、冠水情報は現場の道路情報提供装置の情報板および「道路・河川等監視情報システム」のカメラ画像で確認できる)
- JAF「冠水路走行テスト(JAFユーザーテスト)」(2010年4月8日実施/前後にスロープを設けたコースの水平部分30メートルで測定、水深30センチはセダン〈トヨタ・マークⅡ〉・SUV〈日産・エクストレイル〉とも時速10キロで走行可能、水深60センチではセダンは時速10キロでも走りきれず、SUVは時速10キロなら走りきれたが時速30キロではわずか10メートルでエンジンが停止)
- JAF「水深何cmまでドアは開くのか?(JAFユーザーテスト)」(水深60センチではセダンの運転席ドアを外側から開けるのに通常の5倍近い力が必要、ミニバンの後席スライドドアは男性でも外側から開けられなかった、脱出用ハンマーを車内の手が届くところに常備することを推奨)
- JAF クルマ何でも質問箱「自動車が水没したときの対処と脱出方法とは?」
- 国土交通省「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」(浸水・冠水した車両はエンジンをかけず販売店や整備工場に連絡すること、電気自動車・ハイブリッド車は高電圧部分に触れないこと)
- ソニー損保「洪水で車が水没した。水害による水没車は、車両保険の対象?」(台風・洪水・高潮による損害は車両保険の対象、地震・噴火・津波による損害は対象外で専用の特約が必要)
- あいおいニッセイ同和損保「豪雨による洪水で車が水没しました」(車両保険で補償、等級は翌年1等級ダウン)
- セレクトラ・ジャパン 自主アンケート「大雨・冠水による車の被害 実態調査」(2026年7月・インターネット調査、n=25/後悔・教訓の自由回答のテーマ分類は「冠水した道路に入らない・迂回・引き返す」約7名、「高台・高所の駐車場へ早めに移動」約6名、「車両保険に入っておく・内容を確認」約5名、「無理に外出・出勤しない」約5名。走行中に冠水路へ進入して被害にあった人は約9名)
本記事の気象・河川情報は2026年9月8日21時時点のものです。警報や避難情報は時間とともに変わり、雨量の値もその後の精査で更新される場合があります。行動を決める前に、必ず気象庁の防災情報と、お住まいの自治体が出している最新の避難情報を確認してください。自動車保険の補償内容に関する記述は一般的な傾向の解説であり、実際の補償可否・支払額は契約中の保険会社の約款・重要事項説明書、および査定によります。アンケートは自己申告による小規模調査のため、傾向を示すものとしてご参照ください。