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インドとタイで発売されたシティは?

シティはホンダがアジアを中心に展開するコンパクトセダン。2026年、現行7代目が2つの基幹市場でほぼ同時に刷新されました。インドやタイなどの右ハンドル仕様国で生産・販売されているため、国内の自動車ファンの間でも日本導入を望む声が多く上がっています。

インド:エントリーは約199万円、6速MTも残った

2026年5月22日にマイナーチェンジ版が発売。変化が分かりやすいのは顔つきで、厚みのあるクロームバーをやめ、左右のヘッドライトをつなぐ一文字のLEDライトとノーズ先端のHエンブレムになりました。

  • インフォテインメントのタッチスクリーンを8インチから10.1インチへ拡大
  • 寒冷地向けのシートヒーターは持たず、代わりにシートベンチレーションを採用(熱帯地域向けの割り切り)
  • 電動パーキングブレーキ+オートブレーキホールド、ワイヤレス充電、サンルーフ、マルチビューカメラ
  • 1.5L直列4気筒ガソリン(6速MT/CVT)と2モーターハイブリッドe:HEVの2本立て、Honda SENSINGを搭載
  • ホンダ公式のグレード構成は、ガソリンがMTならSV/V/ZX/ZX+、CVTならV/ZX/ZX+。e:HEVはZX+のみ(=MTを選べるのは最も安いSVを含むガソリンだけ)

ボディサイズは全長4,594mm×全幅1,748mm×全高1,489mm。価格は約199万円から、6速MTも選べます(119万9,900〜209万9,900ルピー、デリーのエクスショールーム価格)。

*出典:Honda Cars India 公式プレスリリース(2026年5月22日/119万9,900ルピーから)Honda Cars India「The New Honda City 2026」公式車種ページCreative Trend「ホンダ新型シティがインドで発表」(2026年5月23日/装備の詳細)

タイ:セダンとハッチバック、エントリーのe:HEVを新設

タイでは2026年5月22日に先行予約が始まり、6月26日に発売。こちらはセダンだけでなく5ドアのハッチバックも同時に刷新されています。

  • ガソリンは1.0L 3気筒ターボの「S」の1グレード
  • ハイブリッドは「e:HEV V」「e:HEV SV」「e:HEV RS」の3グレード。Vは新設のエントリーハイブリッド、RSは専用意匠の上級
  • 360度マルチビューカメラ、10インチディスプレイオーディオ、ワイヤレスApple CarPlay/Android Auto、ワイヤレス充電器を新たに追加

インド・タイの価格(2026年)

市場 仕様 現地価格 日本円換算
インド ガソリン SV(6速MT) 119万9,900ルピー 約199万円
インド e:HEV(ZX+のみ) 209万9,900ルピー 約348万円
タイ 1.0Lターボ「S」 56万9,000バーツ 約275万円
タイ 「e:HEV V」(新設) 61万9,000バーツ 約300万円
タイ 「e:HEV RS」 73万9,000バーツ 約357万円

※日本円換算は各発表時点の為替レートによる試算。タイの価格はホンダが公表した2026年9月30日までの導入記念価格で、期間後は通常価格に戻ります。ハッチバックは各グレード1万バーツ高です。

*出典:Honda Thailand 公式リリース「The New Honda City Launches」(導入記念価格56万9,000バーツから/e:HEV V 61万9,000バーツ/9月30日まで)Honda Thailand 公式リリース(先行予約 5月22日〜6月30日)Autolife Thailand(セダン・ハッチバック全グレードの公式価格表)

日本の「シティ」はどこへ消えたのか

いまの日本のファンの反応を理解するには、この車名が日本車だった時期を押さえておく必要があります。

初代(1981〜1986年):トールボーイとモトコンポ

1981年11月11日発売。全高を上げて全長を詰めた「トールボーイ」スタイルで、狭い街中での扱いやすさと車内の広さを両立。トランクに積める折りたたみバイク「モトコンポ」を同時発売したことも含め、80年代のポップカルチャーのアイコンになりました。

全高が高く全長の短いトールボーイスタイルの小型車と、トランクから降ろした折りたたみバイクのイメージイラスト
初代シティ(1981〜1986年)のパッケージング。「トールボーイ」スタイルと、トランクに積める「モトコンポ」の関係を表したイメージイラスト。
  • 1982年9月にターボ、1983年10月にインタークーラー付きの「ターボII」(通称ブルドッグ)を追加
  • 1984年7月にオープンモデルのカブリオレを追加
  • 1986年9月までの累計販売は31万1,799台

2代目(1986〜1995年):走りに振り切った「クラウチングフォルム」

1986年10月31日発売。初代から一転してワイド&ローの「クラウチングフォルム」になり、軽い車体と高回転型エンジンでモータースポーツでも強さを見せました。ただ販売は初代に届かず、1994年3月に生産終了、1995年12月に販売終了(累計16万7,521台)。後継はロゴ、そしてフィットです。

2020年、日本ではグレイスとシビックセダンが生産終了

車名としてのシティは新興国向けへ移りましたが、日本に来なかったわけではありません。シティをベースにしたセダンが「フィットアリア」、そして「グレイス」として売られていました。グレイスはタイのシティの日本版にあたる5ナンバーサイズのハイブリッドセダンで、2019年11月にタイで現行型が出たときも日本導入は見送られ、2020年7月に生産終了。翌月にはシビックセダンも販売終了しました(最終価格276万1,000円)。

つまり「日本にシティがない」のではなく、日本が2020年に200万円台のセダンという枠を畳んだということです。今回の反響は、そこに空いた席の大きさを映しています。

*出典:Wikipedia「ホンダ・シティ」(歴代の発売日・生産終了・累計販売台数)Honda「グレイス(2020年7月終了モデル)」(公式アーカイブ)Honda「シビック セダン(2020年8月終了モデル)」(公式アーカイブ・276万1,000円)

グレイスとインド仕様新型シティの違い

グレイスと新型シティの寸法を並べると、次のとおりです。

グレイス
(〜2020年)
新型シティ
(インド仕様)
全長 4,440mm 4,594mm
全幅 1,695mm 1,748mm
全高 1,475mm 1,489mm
ナンバー区分 5ナンバー 3ナンバー相当

差は全長154mm、全幅53mm。5ナンバー枠は全幅1,700mm以下なので、グレイスは5ナンバー枠内、新型シティは枠外です

新型シティは全長4,594mmでミドルセダンより短く、6速MTが残って約199万円から。3ナンバーだが持て余さない——反響の中身はここです。なお日本での発売は発表されていません。

*出典:Honda「グレイス 主要諸元表」(公式PDF・4,440×1,695×1,475mm)

【本題】「ちょうどいいセダン」に乗る人の自動車保険

新型シティに反応しているのは、「大きく高くなりすぎた今のセダンではなく、かつてのファミリアやインテグラのような、5ナンバー枠に近いちょうどいいセダンに乗りたい」という層です。シティは日本で買えないので、実際の選択肢はグレイスや1990年代のコンパクトセダンといった生産終了車の中古。新車とは別の場所で差がつきます。

① 保険料は車名ではなく「型式」で決まる

「小さいセダンだから任意保険も安いはず」という見込みは、まず外れます。保険料は車種名ではなく型式をもとに計算されます

  • 型式別料率クラスは対人・対物・人身傷害・車両保険の4区分ごとにクラス1〜17が設定され、毎年見直される
  • クラス1と17では最大約4.3倍の差。生産終了した車の型式も見直しの対象で、毎年動く
  • 同じ車名でもグレードやエンジンが違えば型式が変わる。見積もりは必ず車検証の型式

クラスは損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス検索」で無料で確認できます。狙っている中古車が数台あるなら、契約前にここで比べておくと判断が変わります。

*出典:SBI損保「自動車保険の型式別料率クラスとは」(クラス1と17の差は約4.3倍、隣接クラス間は約1.1倍)損害保険料率算出機構「型式別料率クラス検索」

② 中古で買うなら、車両保険は「いくら出るか」から逆算する

車両保険の保険金額は購入価格ではなく、協定保険価額=市場販売価格相当額(車種・型式・年式・仕様が同じで損耗度も同程度の車を買う場合の価格)の範囲内で決まります。つまり年式が進むほど、車両保険で設定できる上限は下がります。全損で受け取れるのはこの上限までなので、修理費や乗り換え費用と見比べて、付けるか・免責金額をどうするかを決める順番です。

*出典:SBI損保「車両保険金額とは?その決め方は?」(協定保険価額・市場販売価格相当額の定義)

③ もっと古い年式を狙うなら「20年の壁」がある

ここが盲点です。賠償の補償には入れても、車両保険だけ付けられないことがあります。三井ダイレクト損保は、車両保険をセットできないケースとして次を挙げています。

  • 初度登録から20年以上経過している場合
  • 車両価格が1,500万円を超える場合、料率クラス17のスポーツカーの型式、型式に「商」の表記がある場合、営業用車

グレイス(2014〜2020年)はまだ該当しませんが、1990年代のセダンはすでに20年を超えています。条件は会社ごとに違うので、車両保険を付けたいなら見積もりの段階で確認してください。

④ 車が好きで使用目的もはっきりしているなら、ネット型が効く

30〜50代は保険料の面でも有利な帯にいます。等級が進み、年齢条件も上の区分を選べるため割引が効きやすく、そこに代理店手数料が乗らないネット型(ダイレクト型)を合わせると同じ補償でも差が出ます。区分は会社ごとに違い、三井ダイレクト損保は「年齢を問わず補償」「21歳以上」「26歳以上」「35歳以上」の4区分です。前提は補償を自分で組めること。特約の抜け漏れは自己責任になりますが、走らせ方や使用目的がはっきりしていて契約内容を読むのが苦ではない人にはむしろ向いた仕組みです。

家族の車とは別に持つならセカンドカー割引も効きます。1台目が11等級以上なら2台目は通常の6等級ではなく7等級スタートになるため、契約の順番で初年度が変わります(ほかに用途・車種や所有者の条件あり)。

もし本気で並行輸入を考えるなら

車検証の型式欄が空欄、「不明(フメイ)」、または型式の両サイドがハイフンで挟まれた表記になることがあり、SBI損保は公式FAQ「型式が不明な車でも申込みはできますか?」でこの場合は申し込みできないと明記しています。型式が特定できないと料率クラスも市場価格も使えないためで、車両を手配する前に保険会社を確保するのが順番です。

まとめ

  • 新型シティは2026年5月22日にインド、6月26日にタイで発売。一文字LED、10.1インチナビ、シートベンチレーションを採用し、6速MTとe:HEVが並ぶ
  • インドのエントリーは119万9,900ルピー(約199万円)。日本導入の発表はない
  • 日本のシティは1995年に国内販売を終了。兄弟車のグレイスは2020年7月、シビックセダンは2020年8月に終了している
  • グレイスは全幅1,695mmの5ナンバー、新型シティは1,748mm。「5ナンバーのちょうどいいセダン」ではなく、枠は超えている
  • 保険料は車名ではなく型式で決まる。4区分×クラス1〜17で最大約4.3倍、生産終了車も毎年見直される
  • 中古で狙うなら車両保険は購入価格ではなく協定保険価額(市場販売価格相当額)の範囲初度登録から20年以上は付けられない会社もある
  • 30〜50代で補償を自分で組める層はネット型の割引がいちばん効く帯にいる

よくある質問(FAQ)

2026年8月時点で、ホンダから日本導入の発表はありません。シティは1995年に国内販売を終えたあと新興国向けの車種になり、日本にはシティをベースにしたセダンが「フィットアリア」「グレイス」という別の車名で入っていましたが、グレイスも2020年7月に生産を終了しています。

会社によって扱いが分かれます。並行輸入車は車検証の「型式」欄が両サイドをハイフンで挟んだ表記になったり、「不明」と記載されることがあります。SBI損保は公式FAQで、型式欄が空欄、「不明(フメイ)」、または型式の両サイドにハイフンがある場合(並行輸入車など)は申し込めないと明記しています。ネットで契約まで完結する会社は型式が特定できることが前提になりやすいため、車両を手配する前に引き受けてくれる保険会社を確保しておくのが安全です。

賠償の補償には入れても、車両保険だけ付けられないことがあります。三井ダイレクト損保は、初度登録から20年以上経過している場合、車両価格が1,500万円を超える場合、料率クラス17のスポーツカーの型式などを、車両保険をセットできないケースに挙げています。1990年代のセダンはすでに20年を超えます。入れる場合でも保険金額は購入価格ではなく市場販売価格相当額の範囲内です。条件は会社ごとに違うので見積もりの段階で確認してください。

出典

新型シティの仕様・価格はインドおよびタイ市場向けのもので、日本での発売は発表されていません。日本円換算額は各報道時点の為替レートによる試算で、実際の負担額を示すものではありません。歴代モデルの年式・累計販売台数はボディタイプや集計範囲によって前後します。並行輸入車の引き受け可否、車両保険を設定できる条件、割引率は保険会社・車両の状態・提出資料によって異なり、本文で挙げた各社の記載は2026年8月時点で公開されているものです。契約時は各社の約款・重要事項説明書を必ずご確認ください。