一部アフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

まず結論|今回のリコールでわかっていること

3行でわかる今回のリコール
  • 対象は大型トラック「ふそう スーパーグレート」5万6,566台(49型式)
  • 配線がこすれて電線がむき出しになり、最悪の場合、走行中にエンジンが止まるおそれがある
  • 不具合の報告は231件、事故は0件。修理は無料で2026年8月19日から開始

リコールは、車の設計や製造に問題が見つかったときにメーカーが国に届け出て無料で直す制度です。壊れてから直すのではなく、壊れる前に防ぐ仕組みです。

項目 内容
届出日・開始日 2026年8月18日届出/2026年8月19日から修理開始
対象の車 三菱「ふそう スーパーグレート」49型式・5万6,566台(届出番号5845)
作られた時期 2017年3月24日〜2024年6月26日
不具合・事故 不具合の報告231件/事故0件

*出典:三菱ふそう「スーパーグレートの電気装置(ハーネス)のリコールについて」(公式PDF)

何が起きているのか|配線がこすれて、最後はエンジンが止まる

不具合が起きるのはTCMハーネス・ACMハーネスという配線の束です。TCMは変速機を、ACMは排気ガスをきれいにする装置を制御する装置で、そこにつながる配線が傷みます。「こすれる → むき出しになる → サビる → 電気が流れなくなる」という身近な壊れ方です。

  • こすれる:走行中の振動で、配線がまわりの保護チューブに当たり続ける。こすれへの強さの検討不足が原因
  • むき出しになる・サビる:配線を包むカバーがすり減って中の電線が露出し、腐食することがある
  • 止まる:ショートや断線が起き、メーターに警告が出たあと、最悪の場合は走行中にエンジンが止まる
メーターに警告が出たら、その日のうちに

国への届出では、配線がショートまたは断線すると「メーター内に警告が表示され、最悪の場合、エンジンが停止して走行不能にいたるおそれがある」と説明されています。警告が出たまま走り続けるのは危険です。「まだ走れるから」と様子を見ないでください。

修理は各ハーネスを点検し、傷みが軽ければ保護テープを追加、ひどければその部分を新しい電線に交換。そのうえでロールチューブ(保護用の筒)を追加します。なお「スーパーグレート」では2026年3月30日にも別のリコール(3万4,092台)が届け出られており、同じ車でもリコールは1件受ければ終わりではありません

*出典:国土交通省「リコールの届出について(ふそうスーパーグレート)」(令和8年3月30日)

ここで一度、「自分の車」の話に置き換える

ここまで読んで、「大型トラックなんて持っていないから関係ない」と思った方が多いはずです。そのとおりで、届出上の用途は「貨物」、車体の形状はトラクタやキャブオーバ。日常的に使うのは個人ではなく事業者です。

ただ、話を1段だけ広げると自分事になります。リコールは大型トラックだけの制度ではなく、あなたが今乗っている乗用車にも同じように届け出られているからです。しかも通知は登録された住所に届きます。国土交通省も、通知が届かない理由として「引越しなどにより使用の本拠を移転した際に、住所変更の手続き(変更登録)をしていない場合」を挙げています。

① 対象の「スーパーグレート」を使っている会社の場合

使用者には販売会社から案内が届きますが、待たずに確認して構いません。車検証の「型式」と「車台番号」を用意し、三菱ふそうのリコール情報ページで届出番号5845の対象範囲を確認するか、お客様相談センター(0120-324-230/月〜金 9:00〜12:00、13:00〜17:00)へ。

② 自分の乗用車にリコールが残っていないか調べる場合

やることはトラックと同じで、車検証を用意してメーカーに車台番号を伝えるだけです。国土交通省もこの方法を案内しています。点検や車検のときに「残っているリコールはありますか」と聞くのがいちばん手軽です。国交省の「自動車不具合情報ホットライン」でも車名・型式から届出を検索できますが、車台番号による個別の判定まではできません。国交省は、検索結果には生産工場やグレードの違いで対象にならない車両も含まれると注意しています。最終確認はメーカー側で行ってください。

リコールの修理費用はメーカー負担

国土交通省はリコールを「無料で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度」と説明しています。トラックでも乗用車でも同じで、費用はメーカーの負担です。

対象は車台番号の範囲で決まるため、中古で買った車も対象になります。なお、改善措置を受けられる期間についての定めは、国土交通省の制度説明に示されていません。年式が古くても対応されるのが一般的ですが、確実なところは販売会社にご確認ください。

*出典:国土交通省「リコール情報検索」国土交通省「自動車のリコール制度について」同「自動車不具合情報ホットライン」同「リコールの通知が届きません」(FAQ・住所変更手続き/対象外車両の注意)

大型トラックと事故になったら|自分を守る3つの備え

自分事への置き換えは、もうひとつあります。対象の5万6,566台は、所有していなくても毎日となりの車線を走っている車だということです。大型トラックがからむ事故に巻き込まれたとき、自分の側にどんな備えがあるか。トラックを持っているかどうかに関係なく、すべてのドライバーの話です。

① 弁護士費用特約|「もらい事故」の落とし穴に効く

過失ゼロだと、自分の保険会社は交渉してくれない

停車中に追突されたなど自分の過失がまったくない事故では、あなたの保険会社は相手に支払う賠償金がありません。そのため代わりに交渉すると弁護士法第72条に触れてしまい、示談交渉を代行できません。被害者なのに、相手の保険会社と自分ひとりで向き合うことになります。

ここで役立つのが弁護士費用特約です。弁護士への相談料・依頼費用が補償され(上限300万円が一般的)、この特約の利用は「ノーカウント事故」として扱われるため、使っても等級は下がりません。

※対人・対物賠償や車両保険を同時に使った場合は、そちらの理由で等級が下がることがあります。

② 人身傷害保険|示談の結果を待たずに受け取れる

ケガの治療費は、相手の保険会社が病院へ直接支払う「一括対応」が行われることも多いのですが、途中で打ち切られることや、応じてもらえないこともあります。人身傷害保険なら、契約した保険金額の範囲で、過失割合にかかわらず実際の損害額が示談を待たずに自分の保険会社から支払われます。自分にも過失がある事故や、相手の対応が滞った場合の支えになります。

③ 車両保険|相手の賠償を待たずに車を直せる

相手がいる事故でも、賠償額が決まるまで時間がかかります。車両保険があれば、先に自分の保険で車を直し、あとから保険会社が相手側に請求できます。毎日車を使う人ほど「今すぐ直せる」価値は大きくなります。

※過失がゼロで相手から全額の賠償を受けられる場合は、車両保険を使わずに済むこともあります。

*出典:アトム法律事務所「もらい事故の示談交渉は保険会社に頼めない」SBI損保「弁護士費用特約とは?」おとなの自動車保険「人身傷害保険」アトム法律事務所「交通事故の一括対応とは?打ち切られた場合の対処法」

場面別|どこに連絡して、どの補償を使うか早見表

こんなとき 連絡先・使うもの ポイント
リコールの案内が届いた 販売会社 修理はメーカー負担で無料。中古車も対象
自分の乗用車のリコールを調べたい メーカーの相談室・整備工場 車台番号を伝えるだけ。修理は無料
リコールが原因で故障した 車両保険は対象外 故障・摩耗・サビは補償されないのが一般的
走行不能でレッカーが必要 販売会社→ロードサービス 故障でも使える。無料の範囲は会社差あり
トラックにぶつけられた(過失0) 弁護士費用特約 自分の保険会社は示談交渉を代行できない
事故でケガをした 人身傷害保険 示談の結果を待たずに受け取れる

※補償の範囲・特約の有無は各保険会社および契約条件により異なります。契約前に必ず保険会社または代理店にご確認ください。

よくある質問

いいえ。国土交通省もリコールを「無料で回収・修理を行う制度」と説明しており、費用はメーカーの負担です。トラックでも乗用車でも同じで、対象は車台番号の範囲で決まるため中古で買った車も対象になります。自動車保険を使う場面ではないため、等級が下がる心配もいりません。

「リコール未実施だから対人・対物賠償が一律に支払われない」という決まりは一般的にはありません。保険会社が挙げる免責事由は、契約者や運転者の故意、無免許運転、酒気帯び運転、地震・噴火・津波といったものです。取り扱いは各社の約款によります。

基本的にできません。車両保険は偶然の事故による損害を補償するもので、電気的・機械的な故障、摩耗やサビによる損害は対象外とされているのが一般的です。配線の摩耗・腐食はリコールの無償修理で対応する領域なので、まず販売会社に連絡してください。

車検証を用意して、メーカーの相談室や販売店に車台番号を伝えるのが確実です。国交省の「自動車不具合情報ホットライン」でも車名・型式で検索できますが、車台番号による個別の判定まではできません。点検や車検のときに聞くのが手軽です。

まとめ

  • 三菱ふそうは2026年8月18日、「ふそう スーパーグレート」5万6,566台(49型式)のリコールを届け出た。最悪の場合走行中にエンジンが止まるおそれ(不具合231件・事故0件)
  • 対象車の持ち主はほぼ運送会社だが、リコールは乗用車にも同じように届け出られる。車検証の車台番号をメーカーに伝えれば、自分の車の未実施分を確認できる
  • リコールの修理に自動車保険は関係しない。車両保険は故障・摩耗・サビが対象外なので、連絡先は保険会社ではなく販売会社
  • 大型トラックとの事故に備えるなら弁護士費用特約・人身傷害保険・車両保険の3つ。とくに過失ゼロの「もらい事故」では、弁護士費用特約の有無で結果が変わることがある

この3つが自分の契約に付いているかは、意外と把握していないものです。一括見積もりなら各社の条件を並べて比べられます。

出典

リコールの届出内容(届出日・対象台数・型式数・製造期間・不具合件数・改善措置)は、三菱ふそうトラック・バスの公式リコール案内および報道にもとづきます。対象車の判定は車台番号によるため、最終的な確認は必ず販売会社または公式の案内で行ってください。自動車保険の補償範囲・特約に関する記述は一般的な傾向の解説であり、実際の適用可否や金額は各保険会社・契約条件により異なります。契約前に必ず保険会社または代理店の約款・重要事項説明書をご確認ください。