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まず結論|車が水没しても、車両保険がなければ補償は0円
台風・洪水・高潮・ゲリラ豪雨による車の水没・冠水は、車両保険でカバーします。逆に言えば、車両保険に入っていなければ、水没による損害は1円も支払われず、修理費・買い替え費用はすべて自己負担になります。まずは自分の契約に車両保険が付いているかを確認しましょう。
- 水没・冠水は、車両保険の一般型・エコノミー型どちらでも補償されるのが一般的
- 車両保険に入っていなければ補償は0円。廃車費用や買い替え費用も自己負担になる
- 修理費が時価額を超えると全損となり、免責金額は差し引かれず車両保険金額の満額が支払われる
- 浸水した車は絶対に自分でエンジンをかけない。感電・車両火災のおそれがある
本記事では、セレクトラ・ジャパンが「大雨・冠水で車が被害にあった経験のある人」25名に実施した独自アンケート(2026年7月・インターネット調査)の結果を紹介しています。実際の被害者の生の声もあわせてご覧ください。
車が水没したらまず何をする?エンジンをかけないで
水が引いた後、車が動きそうに見えても、自分でエンジンをかけるのは厳禁です。まずは安全を確保し、プロに任せましょう。
水没した車のエンジンを自分でかけてはいけない理由
エンジンや電子制御システムに水が入ったまま通電すると、ショートによる感電・車両火災のおそれがあります。とくにハイブリッド車(HV)・電気自動車(EV)は高電圧バッテリーを積んでいるため、感電の危険が大きく、むやみに車体やケーブルに触れないことが重要です。「乾かせば動くのでは」と考えて通電させると、かえって被害を広げます。JAFや整備工場に連絡し、点検を任せましょう。
*出典:JAF「自動車が水没したときの対処と脱出方法とは?」、国土交通省
自走できないときの救助|まず加入保険のロードサービスへ
車が動かせない場合の救助は、多くの人が思うより身近にあります。加入している自動車保険に付帯するロードサービスなら、レッカーの無料距離が長く(多くは100km以上)、費用も原則立て替え不要です。まずは保険会社のロードサービス窓口に連絡しましょう。JAF会員であれば、JAFの救援も併用できます。
車両保険に入っていなかったら、水没した車はどうなる?
「新車が水没したのに車両保険に入っていなかった」——これはYahoo!知恵袋などでも非常に多い相談です。結論として、車両保険に入っていなければ、水没による損害を補償してくれる保険はありません。対人・対物賠償や人身傷害は「相手や自分のケガ」への補償で、自分の車が水没した損害は対象外です。
修理も買い替えも自己負担になる
車両保険がなければ、修理費も買い替え費用も全額自己負担です。水没車の修理は、エンジン・電装系・内装まで及ぶとほぼ全部品の点検・交換が必要になり、費用と時間が大きくかさみます。一度動いても後から次々と不具合が出るリスクがあり、整備工場が修理を勧めない(責任を持てない)ケースも少なくありません。
廃車・買取・部品取りで少しでも回収する
補償が受けられない場合の現実的な選択肢が、廃車買取業者への売却です。「水没車」であることを説明したうえで、部品取り用として複数の業者に査定を依頼すれば、いくらか値段がつくことがあります。1社だけで決めず、複数の買取業者を比較するのが、未加入時に手元に残る金額を少しでも増やすコツです。
実際、当社のアンケートでも、被害にあった人の約4割(25名中10名)が保険でカバーできず、その多くが「そもそも車両保険に入っていなかった・やめてしまっていた」と答えています。寄せられた後悔の声を、原文のまま紹介します。
反対に、同じ「新車の水没」でも、新車特約(車両新価特約)に加入していたおかげで救われた人もいます。アンケートには、新車が水没して走行不能(エンスト)になったものの、新車特約を使えたという声も寄せられました。
とくに新車を買った直後は、車両保険と新車特約の有無で、受け取れる金額に数十万〜100万円以上の差が出ることもあります。新車特約の中身は後述します。
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車両保険に入っていれば、水没はどこまで補償される?
車両保険に加入していれば、洪水・台風・高潮などの自然災害による水没・冠水は補償の対象です。ただし被害の状況によって等級への影響や補償可否が変わります。
水災は一般型・エコノミー型どちらでも補償される
水没・冠水は、車両保険の一般型(フルカバー型)・エコノミー型(車対車+限定A)のどちらでも補償されるのが一般的です。両者の差が出るのは主に単独事故や当て逃げなどで、水災については差がありません。
| 被害の状況 | 一般型 | エコノミー型 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 水没・冠水(台風・洪水・高潮) | ○ 補償 | ○ 補償 | 1等級ダウン |
| 土砂崩れに巻き込まれた | ○ 補償 | ○ 補償 | 1等級ダウン |
| すでにある土砂に自ら突っ込んだ | ○ 補償 | × 対象外 | 3等級ダウン |
| 地震・噴火・津波 | × 原則免責 | × 原則免責 | 特約で対応可 |
エンジンルームまで水没した車も補償される?
エンジンルームまで浸水し、エンジンが動かなくなった場合でも、車両保険に加入していれば補償の対象になります。むしろ電子制御・エンジンまで水が及んだ車は全損と判定されやすく、後述のとおり時価額(車両保険金額)の満額が支払われる可能性が高くなります。
水没で全損・廃車になったら、車両保険はいくら支払われる?
水没車は、見た目は問題なくても電気系統が壊れて修理できず、全損と判定されることがあります。支払われる金額は、全損か分損(修理可能)かで変わります。
車はどこまで浸かると全損(廃車)になる?
「どこまで水に浸かると廃車?」も知恵袋で多い疑問です。明確な線引きは車種や浸水時間によりますが、浸水の高さと被害の目安は次のとおりです。
| 浸水の高さ(目安) | 想定される被害 | 全損リスク |
|---|---|---|
| タイヤの下半分まで | 床下・マフラーが浸水。走行はできることも | 低〜中 |
| 床面(フロア)まで | 車内・電装系に浸水。修理費が高額化 | 中〜高 |
| 座席・エンジンルームまで | エンジン・電子制御に浸水し始動不能 | 高 |
| 車全体(屋根近くまで) | ほぼ全系統が浸水 | ほぼ全損 |
*浸水の目安の出典:JAF、国土交通省。全損・分損の判定は保険会社の査定によります。
全損なら時価額(保険金額)の満額|免責は差し引かれない
修理費が車の時価額(=設定した車両保険金額)を超えると全損と認定され、このとき免責金額(自己負担額)は差し引かれず、車両保険金額の全額が支払われます。一方、修理費が時価額以下なら分損(修理対応)となり、免責金額を差し引いた額が支払われます。全損時諸費用特約や買い替え諸費用特約を付けていれば、上乗せを受けられる場合もあります。
修理せず買い替えても、車両保険金は受け取れる?
「後々を考えて買い替えをすすめられた。修理しなくても車両保険金はもらえる?」という相談も定番です。
全損なら、修理しなくても保険金を受け取れる
全損と認定された場合、実際に修理するかどうかは問われず、車両保険金額の満額が支払われます。その保険金を使って新しい車に買い替えても、修理に充てても、使い道は契約者の自由です。分損(修理可能)の場合は「修理費相当額」が基準になるため、受け取り方の詳細は保険会社に確認しましょう。
新車特約(車両新価特約)とは|新車購入費用を時価額でなくカバー
通常の車両保険は「時価額(=設定した車両保険金額)」が支払いの上限です。買ったばかりの新車でも、下がった時価額までしか出ないため、同じ車に買い替えるには足りないことがあります。これを補うのが新車特約(車両新価特約)で、水没などで全損になった場合に、時価額ではなく新車購入費用(再取得価額)を基準に保険金が支払われる特約です。前述の「新車特約を使いました」という声のように、新車を買った直後の水没ほど効果が大きい補償です。
- 支払われる条件:全損、または修理費が新車価格相当額の50%以上(半損)になった場合。多くはエンジン・フレームなど車の本質的構造部分に著しい損害があることが条件で、内外装のみの損傷は対象外になることがある
- 加入できる車:初度登録から一定期間内(おおむね数年以内。期間は会社により異なる)の新しい車が対象
- 受け取りの条件:受け取った保険金で新しい車を購入する、または損傷した車を修理すること。期限が定められている場合があるため契約内容を確認する
- 注意:盗難による全損には適用されないのが一般的。特約の名称・条件は会社ごとに異なる
新車特約の保険料は、基本の車両保険料への上乗せ分で、車種・年齢・等級によって変わります。金額の負担よりも、全損時に「新車購入費用が出る」安心が大きい特約です。実際の保険料は、一括見積もりで新車特約あり・なしを比べて確認するのが確実です。
水没でも車両保険がおりない・減額されるケース
原則として水没・冠水は車両保険でカバーされますが、次のような場合は支払われない、または減額されることがあります。
- 地震・噴火・津波による水没:原則として補償対象外。専用特約を付けている場合のみ対応
- 車両保険に加入していない:そもそも支払い対象がなく、全額自己負担
- 故意・重大な過失:危険と分かって冠水路へ進入した程度では通常は支払われるが、著しい過失は減額・免責の対象になりうる
- 経年劣化・自然消耗:水没前からの故障や劣化部分は対象外
- 時価額を超える部分:支払いの上限は設定した車両保険金額まで。時価額を超える修理費は自己負担
保険会社のアジャスター査定から保険金受け取りまでの流れ
水没の被害を申告すると、保険会社のアジャスター(損害調査員)が損害額を査定し、全損か分損かを判定します。おおまかな流れは次のとおりです。
- 保険会社へ連絡:被害状況を伝え、車両保険の対象になるか確認する
- 車の確保・移動:ロードサービスで整備工場などへ搬送する(エンジンはかけない)
- アジャスターの査定:浸水の程度・修理費を調べ、全損か分損かを判定する
- 保険金額の確定:全損なら車両保険金額の満額、分損なら免責を引いた修理費相当額が提示される
- 保険金の受け取り・車の処分:受け取った保険金で買い替えや修理を行い、全損車は廃車・買取に回す
査定をスムーズに進めるため、水が引く前後の車の状態を写真・動画で記録しておきましょう。浸水の高さが分かるように撮っておくと、被害の程度を伝えやすくなります。
大雨で車が被害にあった25名の実態調査
大雨のとき、実際に車にはどんな被害が起き、人々は何を後悔したのか。セレクトラ・ジャパンが「大雨・冠水で車が被害にあった経験のある人」25名に実施したアンケート(2026年7月・インターネット調査)から紹介します。
※回答者25名の自主アンケート(自己申告)です。小規模な調査のため、割合は「25名中◯名」の目安として傾向を示すものです。
被害と救助の実態
- 走行中に冠水路へ進入して被害にあった人が約9名。アンダーパスや冠水道路への進入が目立つ
- エンジン停止・走行不能に至ったと明記した人は5名
- 救助を要請したのは25名中9名(約36%)。要請先はJAF・保険会社のロードサービスなど
- 被害の費用を約4割(25名中10名)が保険でカバーできなかった。多くが車両保険の未加入・失効が理由
最も多かった後悔|「車両保険に入っておけばよかった」
「もっとこうすればよかった」という後悔(自由回答)で最も多かったのは「冠水した道路に入らない・迂回する」でした。それに続く行動面の後悔とならんで、「車両保険に入っておけばよかった」という後悔も目立ちました。
※自由回答をテーマ分類(1人が複数テーマにまたがる場合あり・件数ベース)。セレクトラ・ジャパン「大雨・冠水による車の被害 実態調査」(回答者25名・インターネット調査)より
※出典:セレクトラ・ジャパン自主アンケート(2026年7月・インターネット調査、n=25)。加入していた保険の種別が不明な回答も含むため、個別の補償可否は各社の約款をご確認ください。
水没に備えて車両保険を見直す3つのポイント
被害にあってからでは間に合いません。大雨シーズンの前に、契約内容を一度チェックしておきましょう。
- 車両保険が付いているか:付いていなければ水没・冠水は1円も出ない。まず有無を確認する
- 一般型かエコノミー型か:水災はどちらでも補償されるが、単独事故・当て逃げの補償範囲が変わる。保険料とのバランスで選ぶ
- 保険料は割高になっていないか:同じ補償でも会社によって保険料は大きく違う。一括見積もりで今の契約と比べる
保険料と補償のバランスは、複数社を同じ条件で比べると一目でわかります。無料の一括見積もりで、今の車両保険が割高になっていないかを確認しておきましょう。
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自動車保険を一括見積もりするよくある質問
はい。走行中にエンジンが止まらなくても、床下やエンジンルームに水が入っている可能性があります。マフラーや吸気口から水を吸い込むと後から不具合が出るため、早めに整備工場で点検を受けてください。
浸水が軽微なら修理できることもありますが、エンジン・電装系まで水が及ぶと、一度直しても次々と不具合が出るリスクがあります。全損と判定された場合は、保険金を受け取って買い替えるほうが安全なことが多いです。
台風・洪水・高潮などの自然災害による水没で車両保険を使うと、翌年の等級は1等級ダウン(事故有係数の対象)となるのが一般的です。3等級ダウンとなる一般の事故より影響は小さくなります。
車両保険がなければ廃車・処分の費用も自己負担です。ただし水没車でも部品取りとして買い取る業者があり、複数社に査定を依頼すれば費用を抑えたり、いくらか回収できたりする場合があります。
はい。走行中か駐車中かを問わず、台風・洪水・高潮などによる水没・冠水は車両保険の対象です(地震・噴火・津波は原則対象外)。
水没で払われるかどうかは、契約に車両保険が付いているかで決まります
大雨シーズンが来る前に、車両保険を付けた場合の保険料を確認しておきましょう。入力3分・完全無料で複数社を比較できます。
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出典
- JAF クルマ何でも質問箱「自動車が水没したときの対処と脱出方法とは?」
- 国土交通省「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」
- 東京海上ダイレクト「車が水没したら自動車保険で補償される?」
- 損保ジャパン「車両保険はエコノミー型で十分?」
- ソニー損保「車両保険の免責金額とは?」
- ソニー損保「洪水で車が水没した。水害による水没車は、車両保険の対象?」
- SBIの自動車保険比較 インズウェブ「車両保険で全損車は買い替えられる?」
- チューリッヒ「新車特約(車両新価特約・新車買替特約)とは。必要?」
- SBIの自動車保険比較 インズウェブ「新車特約(車両新価特約)とは?」
- セレクトラ・ジャパン 自主アンケート「大雨・冠水による車の被害 実態調査」(2026年7月・インターネット調査、n=25)
本記事の自動車保険の補償内容に関する記述は一般的な傾向の解説であり、実際の補償可否・支払額は契約中の保険会社の約款・重要事項説明書、および査定によります。アンケートは自己申告による小規模調査のため、傾向を示すものとしてご参照ください。